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2011.03.30

映画『森崎書店の日々』

ホットヨガ(二三〇回目)の記事に応援クリックしてくださった皆さん、どうもありがとうございます。m(__)m 東京電力が過去最大の赤字経営に追い込まれているようですね。それに加え、人々が節電を心掛けることや計画停電の実施により、東京電力としても売り上げが落ち込んでしまっているのではないでしょうか。しかし、そんなことよりも、今は福島第一原子力発電所を安全な状態に持って行くことに全力を注がなければなりません。日本には、相当厳しい課題が課せられましたが、今後、国がどのような対応をして行くのかを見守りながら、微力ながらも私たちにできることが見えて来そうですね。

 本作を鑑賞したのは、十二月十一日のことである。

 あるとき、会社の同僚でもある恋人の英明と食事をしていた貴子は、英明から同じ会社の別の女性と結婚すると聞かされ、大きな衝撃を受ける。失恋のショックからなかなか立ち直れない貴子は、とうとう会社を辞めてしまう。まるで魂の抜けた人間のような生活を送っている貴子のもとへ、神保町で古本屋を営む叔父のサトルから電話が入り、住み込みで古本屋を手伝ってくれないかと持ち掛けられる。環境を変えることで、失恋の痛みから立ち直ることができるかもしれないと思った貴子は、叔父の提案通り、神保町にある森崎書店の二階へと引っ越すのだった。

 本作では、二股をかけていた貴子のかつての恋人の英明が、実に嫌な存在として描かれている。英明は、女性の心の痛みなど到底理解しそうにもなく、この先、何度でも同じようなことを繰り返してしまいそうなタイプである。そのため、鑑賞し始めるや、英明に対する嫌悪感がピークに達した。失恋のショックからなかなか立ち直れないでいる貴子に対し、私としては、そんなどうしようもない男のことでメソメソしていないで、さっさと前を向いて歩きなさいと言いたくなるのだ。とは言え、傷ついた心はなかなか元に戻らないのが私たち人間の愛すべき姿でもある。サトルの経営する森崎書店の手伝いを始めた貴子は、神保町で新たな生活の基盤を整えながら、少しずつ人脈を広げて行く。

 東京に住んでいた頃、読書好きだった私は、神保町の古書街にも何度か足を運んだ。どんな町にも古本屋はあると思うのだが、神保町の古書街は、町の古本屋がいくつも集まっているような古書街ではない。それぞれの古書店がそれぞれの得意分野を掲げているのだ。だから、それぞれの古書店には特有のカラーがある。サトルの経営する森崎書店の場合、日本のある時代における文学小説が得意分野のようだった。そのため、その分野に長けた常連客もいらっしゃる。最初はそれらの本に関心のなかった貴子も、森崎書店の手伝いをするうちに、本の面白さに引き込まれて行く。

 本作の中で唯一、登場人物に感情的な盛り上がりが見られるシーンがある。サトルが貴子に、ここに来る前に一体何があったのかと尋ね、貴子が英明にこっぴどく振られてしまったことを泣きながらサトルに告白したあとのシーンである。サトルは、貴子が失恋のショックから立ち直れるように、あることを提案し、二人で実践に出掛ける。ずっと静かに流れて来た物語が、いよいよ静寂を破るシーンである。

 しかし、心に深い傷を負っているのは、貴子だけではなかったはずだ。サトルにも愛する人との別れを経験したような影が漂っているのだが、それについては最後まで詳細に明かされることはない。ただ、貴子のケースと異なっているのは、貴子の経験したことは時間が立てばいつかは通り過ぎて行く出来事であるのに対し、サトルが経験したことは、いつまでもサトルの心の中に残り続けているということだ。どちらの経験も、自分の意志に反する結果を迎えたことは間違いないはずなのに、貴子の経験に関しては封印というよりも開放することで前進させようとするのに対し、サトルの経験には封印のあとが見られるのだ。

 本作は、貴子が失恋から立ち直って行くプロセスを描いたものだからだろうか。やがて貴子は新たな一歩を踏み出して行く。ひょっとすると、貴子をしきりに励ましながらも、心に深い傷を負ったままでいるのは、サトルのほうかもしれない。しかし、貴子がそのことに気付いていたかどうかはわからない。

※皆さん、いつもたくさんの応援クリックをありがとうございます。m(__)m ミニシアター系映画館で上映されている、起伏の少ない作品の一つと言えます。それでも確実に、神保町で生きる人々の日常が描かれていますね。昔から、古書店の経営は私の憧れでした。私にもサトルのような叔父さんがいたら、喜んで古書店のお手伝いをしたいですね。(笑)

さて、今回も記事の中にボタンを埋め込ませていただきますが、どうぞよろしくお願い申し上げます。

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作品の中に流れる空気感がとても気持ちがいい。「珈琲時光」に似た感じの世界である。神保町の古本屋街が舞台であり、その世界独特の場所や空気、そして肌触りが見ていて気持ちいい... [続きを読む]

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