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2011.02.25

映画『約束の葡萄畑 あるワイン醸造家の物語』

ホットヨガ(二二四回目)の記事に応援クリックしてくださった皆さん、どうもありがとうございます。m(__)m 梅田店や三宮店で骨盤コースのレッスンが始まってからは、足繁くレッスンに通っています。これまでは、回数券を購入するときに、十数回分の回数券を余らせたまま次に購入する回数券に繰越をしていましたが、このペースでレッスンに通い続けていると、繰越をしなくても良くなるかもしれません。

 十一月二十日に鑑賞した作品のレビューをお届けしたいと思う。本作もまた、公開される前から、劇場で何度も予告編を観ていた。ワイン好きの派遣仲間に紹介したくなるような作品だが、ワインそのものを楽しむことと、ワイン作りのプロセスを見守ることはまた違うのではないかという気もしていた。例えば、私は写真を撮ることが大好きだが、写真を撮るのと同じくらい、写真を撮るための道具であるカメラを製造するプロセスに興味があるかと問われれば、必ずしもそうではないと答えるだろう。

 本作の予告編で気になっていたのは、天使の存在である。本作には、背中に大きな羽を持つ天使ザスが登場し、極上のワイン作りを目指そうとするソブランに葡萄樹を分け与え、ワイン作りのノウハウを教える。フランス・ブルゴーニュ地方の葡萄畑で働く農夫だったソブランは、ザスのアドバイスにより、偉大な醸造家へと成長して行く。しかし、ザスがソブランに与えたものは、必ずしも喜びだけではなかった。

 本作の見どころは、ソブランがワイン作りに燃やす情熱と、ソブランとザスの交流、それから、ソブランの妻となったセレストや、ソブランのワイン作りの腕に注目してアプローチして来た男爵夫人オーロラらが織り成す人間模様だろう。あれほど情熱的に妻のセレストと愛し合っていたはずなのに、ソブランは、子供を亡くしたことで正気を失ってしまったセレストを大切にするどころか裏切り、オーロラと男女の関係を持ってしまう。欲望の世界においては、何かが達成されるということは、次なる新たな目標に向かい始めることに等しいのかもしれない。

 おそらく、乳がんにかかってしまったのだろうが、オーロラが胸の手術を受けるシーンが生々しい。一八〇〇年代の初めのことなので、現代の医療技術からすれば、ずいぶん古めかしい手術である。現代は、細胞検査の結果などに基づいて確信を持った上で乳房手術に臨むが、当時は一体何を根拠に乳がんと決めたのだろうか。それと同時に、今から二百年前に乳がんが存在していたことにも驚きを覚えたのだった。

 本作には、因果応報の思想がさりげなく盛り込まれている。ザスからワイン作りを教わり、成功したソブランが、年に一度のザスとの約束を破ったり、セレストを裏切ったりすると、ワイン作りにも失敗するようになる。ソブランと男女の関係を持ったオーロラもまた、乳がんの手術を受けたりする。天使であるザスと出会えたことで、すべてが順風満帆に運ぶと思っていたソブランに対し、ザスが放った言葉が忘れられない。それは、ワインを造るためには、人生のすべて、すなわち、喜びも悲しみも苦しみも必要だということだ。

 これについては、物語の中では深くは追求されなかったものの、ザスが言いたかったことは何となく想像することができる。おそらく私たちが生きて行く上で、喜びだけというのは有り得ない。何故なら、喜びという感情は、悲しみという感情や苦しみという感情の対比として存在していると思うからだ。言い換えれば、悲しみや苦しみを味わい尽くしたからこそ、本当の意味で喜びをかみしめることができるのだ。それらは表裏一体であり、ポジティブなものだけが存在していても、対比のない状態ではその素晴らしさを実感することはできない。本当の意味で喜びを体験するには必ず、対比として存在する反対側の感情を味わい尽くす必要があるのだ。おそらくザスは、そういうことを言いたかったのではないだろうか。

 本作のユニークなところは、ソブランとザスの奇妙な関係と、その後のザスの行く末である。ザスが男性の天使ならば、ザスはソブランと同性愛者という形で結ばれたかったのだろうか。そんなことを想像させるシーンもある。更に、その後のザスの行く末には驚いた。とは言え、天使を象徴するものを失くしたからと言って、彼が天使でなくなるというのもおかしい。それはまるで、学生であるかどうかを決めるのに、学生服を着ているかどうかで判断するようなものだ。ザスが天使であることは、ザスに天使を象徴するものがあるからではなく、もっとザスの内部にある本質的なものではなかったのだろうか。

 ちなみに、ザスを演じているのは、映画『ロング・エンゲージメント』や映画『ハンニバル・ライジング』に出演していたギャスパー・ウリエルである。本作の彼の天使役は実にはまり役だった。また、オーロラを演じていたのは、映画『マイレージ、マイライフ』でアレックスの役を演じていたヴェラ・ファーミガである。

 本作は、フランスとニュージーランドの合作映画のためか、登場人物たちが話しているのはフランス語ではなく英語だった。人生に、喜びも悲しみも苦しみも必要なように、ワイン作りにもいろいろな要素が必要であるということを、本作では表現したかったのではないだろうか。

※皆さん、いつもたくさんの応援クリックをありがとうございます。m(__)m 喜びだけでなく、悲しみや苦しみさえも、人生やワインの味を豊かにするということなんでしょうね。実際、その通りだと思います。その証拠に、喧嘩のできない友人とは、決して仲良くなることができませんから。(苦笑)仲の良い友人というのは、ありとあらゆる感情をともに味わい尽くした友人なんですよね。きっと、人生もワインも同じだろうと思います。

さて、今回も記事の中にボタンを埋め込ませていただきますが、どうぞよろしくお願い申し上げます。

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