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2010.11.15

マンションの大規模修繕(9)

映画『恋するナポリタン~世界で一番おいしい愛され方~』の記事に応援クリックしてくださった皆さん、どうもありがとうございます。m(__)m 映画としては楽しめたのですが、こうして本作の内容を振り返ってみると、何だか作品のタイトルと作品の内容が一致していないように思えて来ますね。「恋するナポリタン」というタイトルも、「~世界で一番おいしい愛され方~」というサブタイトルも、何だかしっくり来ません。「誰が誰に恋しているのか」わかりませんし、「世界で一番おいしい愛され方」をしているのが誰なのかも、今一つピンと来ませんね。(苦笑)それでは、マンションの大規模修繕(8)の続きを書かせていただきます。

 我が家に二箇所あるベランダの床のシートもきれいに張り替えられ、更にルーフバルコニーもきれいに洗浄してもらったあとは、玄関扉の周りをペンキで塗る作業が行われることになっていた。この作業は、玄関扉を開けた状態で行うことになるため、各戸の区分所有者が立ち会わなければならなかった。我が家の場合、玄関扉の周りのペンキ塗りに立ち会うためには、玄関口に置いているたくさんのモノを片付けなければならなかった。

 自宅にいるときは、工事を担当してくださる方たちに気付かれないように、アンネ・フランクのように息をひそめてひっそりと過ごしていたガンモは、
「玄関扉の周りのペンキ塗りには、まるみが立ち会ってくれ。俺は、まるみが立ち会う前日に休みを取って、玄関口を片付けるから」
と言った。私たちの中では、ガンモは常に裏方担当で、私は外交担当なのだ。家の中のことは主にガンモが担当してくれているが、例えばマンションの管理組合がらみの仕事なども含めて、外と接触する仕事はすべて私が担当しているのである。

 それはさておき、どんなに想像力の発達している人でも、我が家の散らかり具合を想像できる人はいないだろう。我が家に遊びに来たいと言ってくれた人たちは、これまでにも何人かいらっしゃったのだが、家を片付けるのが非常に困難な状況だったため、ずっと断り続けて来た。私たちの家に最後の訪問者が訪れたのは、おそらく十年ほど前のことで、それもクラシックカメラに関する雑誌の取材だった。夫婦でクラシックカメラを集めているということで、取材に来てくださったのだ。そのとき、かなり気合を入れて片付けたはずなのに、取材で訪れた方たちに、「ずいぶんモノが多いですね」と驚かれたのを覚えている。

 私たちは、玄関扉の周りにペンキを塗ってもらう日を、十一月始めの祭日に決めた。そしてガンモがその前日に休暇を取り、玄関口をきれいに片付けてくれることになった。私は、片付けの様子が心配だったので、仕事中、何度かガンモに電話を掛けてみた。しかし、何度電話を掛けても、ガンモはまだ片付けに取り掛かってはいなかった。我が家の玄関口はたくさんのモノで溢れ返っているというのに、ガンモは片付けを甘く見ているのだろうか。それでも、仕事を終えた夕方、もう一度電話を掛けてみると、ガンモは電話に出なかった。どうやら本格的な片付けが始まったようだった。

 ガンモは、玄関口に置いているものをすべて、浴室と更衣室に運び込もうと計画していたようだ。そのため、
「今夜はお風呂は使えないかも」
と言っていた。とにかく、我が家にはそれだけモノが多いということだ。

 さて、私が帰宅してみると、玄関扉の前に大きな黒いゴミ袋が六つ置かれていた。直前にガンモと電話で話した内容によれば、私が帰宅したときに、ゴミを捨てて来て欲しいとのことだった。私は黒いゴミ袋を一度に二つずつ抱え、玄関前とマンションのゴミステーションの間を三往復した。

 ゴミも出し終わり、いよいよ玄関の扉を開けてみると、何と、玄関がきれいに片付いていた。うれしいことに、何年か振りに床が見えているではないか。私は、
「ガンモ、すごいよ。ありがとう!」
と狂喜した。あれだけ玄関にごちゃごちゃと置いてあったモノがほとんど移動され、玄関口がすっきりしているのだ。ガンモは、
「大変だったんだから。でも、いろんなものが見付かった」
と言った。ガンモ曰く、夕方からようやくエンジンが掛かって片付け作業に取り掛かり、玄関口に置いていたものを次から次へと浴室と更衣室に運び込んだそうだ。浴室と更衣室には、これまでに買い求めたバッグやら服やら、これまでろくに整理もせずに玄関に放置していたモノがたくさん積み上げられていた。それらを見た私は、これまでこの状況に甘え過ぎていたことを後悔した。このままでいいわけがない。確かにそう思った。しかし、ひとまず今は、玄関扉の周辺のペンキ塗りを完了させることが先決である。

 翌日、ガンモは仕事の待機要員で、私は仕事が休みだった。私たちは、工事を担当してくださる方がやって来るのを朝から待ち構えていた。工事を担当してくださる方がやって来る時間がわからなかったので、
「今のうちにトイレに行っておいた方がいいんじゃない?」
などと言いながら、何度も何度もトイレに立った。しかし、工事を担当してくださる方はなかなか現れなかった。おそらくその日が祭日だったために、同じ日を在宅の日として指定した方たちがいて、対応にてんてこまいだったのだろう。

 玄関扉の周辺のペンキ塗りは、二度塗りを行うため、一回目の塗りと二回目の塗りの間に少し時間を置く必要があった。その一回目の塗りのために、工事担当の方が我が家に来られたのは、午後の比較的早い時間のことだった。工事担当の方は、慣れた口調で作業の内容を簡単に説明し、
「作業が終わりましたら声を掛けさせていただきますので、どうぞ家の中でお待ちください」
とおっしゃった。

 玄関扉の一回目のペンキ塗りは、およそ十数分で終わった。工事担当の方に呼ばれ、玄関に出てみると、今、ペンキを塗ったばかりなので、しばらく扉を空かして乾かして欲しいとのことだった。工事担当の方は、二度塗りするために、あとでもう一度来られるそうだ。

 工事担当の方がひとまず引き上げて行かれたので、私は玄関の外に出て、ペンキの塗り具合を確かめてみた。ちょうど玄関の周りに枠を描くように、玄関扉よりも濃い色のペンキが丁寧に塗られていた。私には美術の才能はないが、こうした工事担当の方にも美術作品を仕上げる丁寧さのようなものが必要なのだろうと思った。

 しばらくすると、工事担当の方がもう一度来られて、玄関扉の周りに二回目のペンキ塗りを施してくださった。作業はすぐに終わり、やはりこのまま二時間ほど空かして乾かして欲しいとのことだった。二時間経てば、玄関の扉を閉めてもいいらしい。

 こうして、私たちにとっては大イベントである玄関扉の周辺のペンキ塗りが無事に終了した。あとは後日、玄関扉のシート張り替えと、玄関扉のシリンダー錠の取り替えのために、もう一度在宅して立ち会う必要があった。

 ガンモは、ひとまず浴室に移動させたたくさんのモノを浴槽に積み上げ直して、それらを私が買って来た大きなビニールシートでしっかりと保護し、シャワーを浴びられるようにしてくれた。どんなに寒い日であっても、玄関扉のシートと玄関扉のシリンダー錠の取り替えが終わるまでは、湯船に浸かることはできそうもない。私たちは、浴室暖房の力を借りて浴室を暖めながら、毎日シャワーを浴びることになった。

 それでも、ガンモが片付けてくれた玄関スペースは、私にとってとてもくつろげる場所となった。私は仕事から帰宅すると、リュックに詰め込んでいたノートパソコンや手帳、ノート、筆記用具、携帯電話のケーブル類などを別のバッグに移し変えて寝室に持ち込むのだが、玄関スペースがくつろげる空間になったため、その作業を行う時間が長くなった。時には、玄関スペースに座り込んで考えごとをしたり、携帯電話を操作することもあった。そのため、寝室にいるガンモに、
「玄関で何してるの?」
と尋ねられるようになった。私はその度に、
「くつろいでんの」
と答えるのだった。

※皆さん、いつもたくさんの応援クリックをありがとうございます。m(__)m おそらく、皆さんにはなかなか想像がつかないとは思いますが、我が家はこんな状況であります。(苦笑)それでも、私たちは家がきれいに整頓されていることにはこだわらずに、笑いながら過ごして来ました。むしろ、こういう雑な空間のほうがくつろげるとさえ思っていたのです。しかしガンモは、片付けることに喜びを見出したようで、「このままではいかん。ウチをきれいにするから」と張り切っています。私も、玄関スペースが広くなったので、ここにヨガマットを敷きたいなどと思い始めています。(苦笑)

さて、今回も記事の中にボタンを埋め込ませていただきますが、どうぞよろしくお願い申し上げます。

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