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2010.11.23

映画『食べて、祈って、恋をして』

マンションの大規模修繕(10)の記事に応援クリックしてくださった皆さん、どうもありがとうございます。m(__)m 父ちゃんが我が家のベランダから離れていた間、私たちの心の中に常に父ちゃんへの想いが残っていたように、父ちゃんの中にも我が家のベランダへの想いが残っていたのだとしたら、それはとてもうれしいことであります。ただ、父ちゃんの中にあるのは、私たちの存在自身に対する想いというよりも、餌に対する思い入れなのでしょうね。(苦笑)

 本作は、九月二十日に鑑賞した作品である。実のところ、本作を鑑賞するのは少々迷った。というのも、普段、私が好んで鑑賞しているミニシアター系映画館で上映されているような繊細な作品とは違い、大雑把な作りのハリウッド映画だろうと思ったからだ。実際に鑑賞してみると、確かに大雑把な作りではあった。それでも本作は、世界四十カ国語にも翻訳され、七百万部も売れたベストセラー小説が映画化された作品らしい。主人公が一年間掛けて、イタリア、インド、インドネシアのバリ島という三つの国にしばらく滞在しながら、そこに住む人たちと関わりを持って行くという大掛かりなロードムービーである。しかし残念ながら、鑑賞中に気分が大きく高揚するようなことはなかった。

 ベストセラー小説が映画化されているにもかかわらず、何故、私の中で気分が大きく高揚しなかったのかを考えてみた。まず、自分の住んでいる場所を離れて、一年間も海外で生活するという状況に現実味が持てなかった。そのため、主人公のエリザベスに対し、なかなか感情移入できなかったのだ。

 イタリアでは、エリザベスはそこで出会った仲間たちと共に楽しく過ごしながら、カロリーを気にすることなく、食べてばかりいた。

 一方、インドではアシュラムで生活をし、一見、スピリチュアルな世界に入って行くように見える。しかし、エリザベスに足りていないのは信仰心だと思う。エリザベスが選んだのは、彼女が離婚したあとにお付き合いをした年下の男性が支持していた聖者のアシュラムである。アシュラムで生活するには、その聖者のことを全面的に支持していないと、他の信者ともバランスが取れないのではないだろうか。信仰心を持たない彼女に対し、最初は否定的な態度を取る男性がいるのだが、私は、本作の登場人物の中では、その男性が最もスピリチュアルな存在だと感じた。だからその男性が、のちにエリザベスと心を通い合わせて行くプロセスをそっと見守りたくなる。その男性もまた、心に抱えている傷を癒すためにアシュラムに滞在しているのだが、のちにエリザベスと心を通い合わせることになるからと言って、エリザベスと恋に落ちるわけではない。

 インドネシアのバリ島では、エリザベスは占い師との関わりを軸に、そこで暮らす人たちと新たな関係を築いて行く。コテージのような一軒家を借りてそこに住み、大自然と触れ合いながら、毎朝たっぷりと瞑想に浸る。バリ島には、エリザベスにとって運命的な出会いも用意されていた。おそらく、七年間生活を共にしたかつての夫とも、のちに恋人関係に至った年下の男性とも実現することのなかった、「等身大かつ対等な関係」をエリザベスは手に入れたのだ。

 これまで、男性と「等身大かつ対等な関係」を築いて来なかったエリザベスにとって、好きになった男性と「等身大かつ対等な関係」へと移行して行くことは、ある意味、恐怖でもあったようだ。もしかするとそれは、「この先、踏み込んでしまえば、もう後戻りはできない」という感覚なのかもしれない。本当は相手をとことん愛しているのに、これまでのようにあっさりと離れようとするところからも、エリザベスの臆病な気持ちを察することができる。

 等身大の対等な第三者を受け入れる前に実践すべきことは、まず自分自身をしっかりと受け入れることだと思う。エリザベスは一年間に渡って旅先で自分探しを始めた結果、ようやく自分自身を受け入れることができるようになったのかもしれない。その結果、等身大の対等な第三者を受け入れる準備ができたために、運命的な出会いを果たしたのではないだろうか。ただ、相手の男性を演じているのが、ちょっと押しの強いイメージのあるハビエル・バルデムなので、何となく誠実ではない印象を抱いてしまうのが残念である。他の作品からの影響かもしれないが、彼には何となくプレイボーイ風の雰囲気が漂ってしまっているのだ。

 ラストは、エリザベスがこれまで必死に守っていた心の壁を壊し、運命的な男性と次なるステップに進むことができてめでたし、めでたしとなるのだが、私としては何となく、映画の中に取り残されたような感想を抱いてしまった。やはり、「えっ? これまでさんざん悩んでいたのに、これであっさり解決なの?」と思ってしまうような、いかにもアメリカ映画らしい大雑把な終わり方を迎えたように感じたのだ。そのため、全体を通して、最初の予想通り、私の中ではちょっと物足りない作品として位置付けられてしまったのである。

※皆さん、いつもたくさんの応援クリックをありがとうございます。m(__)m やはり、ベストセラー小説が映画化された作品ということで、注目度も高かったのでしょうか。まだまだ上映されている映画館もあるくらいですから、かなり長い間、上映され続けている作品だと思います。主人公の行動をあくまで他人事として鑑賞するには夢があっていいのかもしれませんが、私のように主人公の気持ちにシンクロしようとすると、現実味を感じないので、なかなかシンクロできないのが実情です。(苦笑)

さて、今回も記事の中にボタンを埋め込ませていただきますが、どうぞよろしくお願い申し上げます。

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