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2010.10.24

映画『東京島』

アムステルダムで宿泊したホテルの記事に応援クリックしてくださった皆さん、どうもありがとうございます。m(__)m 長崎ハウステンボスに、運河もありましたし、風車もありましたし、家の形もオランダで見たものとそっくりでした。オランダの風景が忠実に再現された場所だったのですね。ただ、今年の夏休みの旅行では、大都市ばかりうろしていたからでしょうか。風車を目にする機会がありませんでした。田舎に行けば、オランダの風車を見ることができたのかもしれませんね。

 本作を鑑賞したのは、八月三十一日のことである。実は、本作よりも前に鑑賞した作品が二作品あるのだが、上映期間のことを考えると本作のほうを先にご紹介したほうがいいと判断した。

 本作は、公開前から劇場で予告編を何度も観ていて、劇場公開されたら是非とも観に行きたい作品の一つとしてリストアップしていた。そして、いよいよ劇場公開が始まり、期待感いっぱいに胸を膨らませて劇場に足を運んだのだが、実のところ、「はて、これは一体・・・・・・?」といったような感想しか抱くことができなかった。無人島に二十三人の若い男と四十代の女性が一人だけということで、かなりドロドロした男女関係が展開されるのかと思いきや、意外とあっさりしていたので、すっかり拍子抜けしてしまったのである。

 結婚二十周年を記念して夫と二人でクルーザ旅行に出掛けた清子は、嵐に遭い、夫と二人で無人島に漂着する。清子を演じているのは、木村多江さんだ。無人島で蛇を捕まえて食べようとする清子に対し、夫は清子の捕まえて来た蛇を食べたくはないと言う。これまでの生活がどのようなものであったにせよ、清子は無人島の生活に順応して行くが、夫は順応していないように見えた。しかし、あるとき、そんな夫が崖から落ちて死んでしまう。これは、清子が手を下したのか、それとも事故だったのかは明らかではない。

 いつの間にか、二十三人の若い男が次々に無人島に漂着し、その無人島を東京島と呼ぶようになった。女性に飢えている若い男たちにとって、四十代といえども清子の存在は女王様のような立場となるのだが、清子は若い男性たちの中から一番の権力者と夫婦になる。しかし、あるとき、その新しい夫も事故あるいは何者かにの手よって死亡してしまう。そして、若い男たちは、清子の新しい夫を選出することを提案し、清子の新しい夫が決まるのだが・・・・・・。

 予告編からは、清子に対する若い男たちの欲望がもっともっと前面に打ち出される作品なのだろうかと思っていた。しかし、若い男たちは、清子に対して意外にもあっさりとしていた。そこが、何とも期待外れのように思えて仕方がなかった。このようなテーマを扱うなら、もっと徹底的に若い男たちの欲望を描き出しても良かったのではないかと思う。聞くところによれば、この物語のベースになった実際の事件では、女性を巡って男たちが殺し合いをしたとも言われている。

 本作の「あっさり感」は、至るところに現れている。例えば、無人島で出産をした清子が逃げ惑うときに、双子の片割れを三番目の夫に奪われてしまうのだが、母性が完全に形成されていない清子は、奪われた子供を取り戻そうとすることよりも、自分自身が無人島から脱出することに専念する。子供のいない私が言うのもおかしいかもしれないが、これは母として、あまりにもあっさりとし過ぎてはいないだろうか? そんな清子に対し、あとから無人島に流れ着いた中東出身の女性が、清子に母性の大切さを教えているように見えた。

 また、本作の中で決して忘れてはいけない存在がある。それは、ワタナベを演じている窪塚洋介くんだ。ワタナベは、無人島に流れ着いた二十三人の男性のうちの一人なのだが、彼は二十三人の中でも一匹狼で群れを成さず、そのくせ存在はとりわけ大きい。というのも、窪塚くんの人並みはずれた演技力がひときわ輝いているからだ。そのため、彼は決して「その他大勢」の中には収まらない。ただし、彼にも「あっさり感」は漂っている。どうやら彼一人が先に無人島から救出されているように見えるのだが、他にも無人島に仲間が残っていることを、彼は救助してくれた人たちに教えなかったように見える。また、彼がしばらく暮らしていたという無人島を、救助されてからも、誰も確認するためにやって来ない。あくまで想像に過ぎないが、無人島から帰還した人がいる場合、誰かがその無人島にやって来て、彼の無人島生活を振り返ったりしないものなのだろうか。それとも彼は、救助してくれた船のある弱みを握っていたために、その弱みを口外しないことと引き換えに、日本までこっそり送り届けてもらったのだろうか。仮にそうだとしても、日本で彼の周りにいた人たちが、彼がしばらく行方不明になっていたことに対し、詳しく知りたがらなかったのだろうか。いろいろな疑問は残るのである。

 同様に、双子の片割れを連れて無人島を脱出した清子もまた、日本で普通に生活を送っていることが不思議でならない。無人島には、彼女が産んだ双子のもう一人の片割れを残して来ているというのに、何故、しかるべき手段を取って、無人島に残した子供を連れ戻しに行かないのだろうか。私には、そんな彼女のあまりにもあっさりとした母性が理解できなかった。

 予告編を観て、かなりドロドロとした展開を期待していただけに、私にとって本作はいろいろな意味で、登場人物の取る行動や感情のベクトルに共感できない作品となってしまった。その主たる原因は、清子を演じていた女優さんが木村多江さんだったことで、清子という役柄をどこかでセーブする動きが出て来てしまったからではないかと思えるのだ。

※皆さん、いつもたくさんの応援クリックをありがとうございます。m(__)m 一言で観想を言うと、「ううん・・・・・・」という作品でした。もっとドロドロとした世界を徹底的に描いて欲しかったというのが正直な感想ですね。いろいろな方たちが書かれたレビューを拝見しましたが、原作とは違うという異見や、清子の役には、杉田かおるさんが適役なのではないかという意見が多かったように思います。確かに、杉田かおるさんが清子を演じていたら、もっと別の作品になっていたことでしょうね。

さて、今回も記事の中にボタンを埋め込ませていただきますが、どうぞよろしくお願い申し上げます。

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