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2010.10.19

マンションの大規模修繕(4)

映画『キャタピラー』の記事に応援クリックしてくださった皆さん、どうもありがとうございます。m(__)m たくさんの方たちから応援クリックを賜り、心より御礼申し上げます。実は、本作の監督を担当された若松孝二監督は、多くの方たちから支持されている監督さんなんですよね。そういう意味で、戦争を背景に、最初から男女のすれ違いを描くつもりだったのだとすれば、監督のその計算が見事に生きている作品だと思います。ただ、私は、作品の中に感動を求めていたのかもしれませんね。それでは、マンションの大規模修繕(3)の続きを書かせていただきます。

 父ちゃんと三番目の母ちゃんは、あれからせっせと子作りに励み、自分の産んだ卵をお腹にくっつけて割ってしまったりしていた頃の母ちゃんとは見違えるほどに子育ての達人になった。そんな中でも不思議だったのは、父ちゃんと母ちゃんの柄(がら)から、かつてのキッコロ柄が生まれたことである。以前から「ガンまる日記」を読んでくださっている方は、キッコロについて良くご存知だろうと思う。私たちは、キッコロ柄の雛が生まれたので、その雛にキッコロと名付けた。何故なら、かつて私たちがキッコロと呼んでいた鳩は、もういなくなってしまったからだ。また、寝室の窓を開けると私たちの手を突付いて来るなど、柄だけでなく性格までもキッコロに良く似ていた。

 それからしばらく経った頃、母ちゃんはまたしても卵を産んだ。そして、新たに生まれたのが、現在、我が家で最も若い鳩である。私たちはその鳩に、モリと名付けた。何故、モリかというと、私たちのベランダからは既にたくさんの鳩たちが巣立って行き、もはや新しい名前を思い付くことができなくなってしまったため、父ちゃんと一番目の母ちゃんの間に生まれた最初の雛に付けたモリゾーから取ったのである。

 さて、マンションが大規模修繕に入る少し前のことである。モリがまだ雛の頃、三番目の母ちゃんが帰って来なくなってしまった。子育てがまだ完全に終わってもいないのに、帰って来ないということは、きっと母ちゃんの身に何かが起こったということだ。私たちは、かつてTKMYにそうしていたように、残された片親の父ちゃんにせっせと餌を与え、たくさんのピジョンミルクを出して、雛が育つよう促した。

 というのも、マンションの大規模修繕が始まってしまえば、私たちの部屋の周りにも足場が組まれ、まだ飛べない雛を残して、父ちゃんたちがベランダに出入りできなくなってしまう可能性もあったからだ。私たち人間はピジョンミルクを出すことができないので、雛の子育ては父ちゃんに任せるしかなかったのである。

 父ちゃんにせっせと餌を与えながら、雛がまだ小さい頃に、夫である初代キッコロがいなくなり、片親だけで雛を育て上げたTKMYのことを思い出した。あのときも私たちは、TKMYにせっせと餌を与え、ピジョンミルクを出すように促したものだった。そのTKMYは、我が家のルーフバルコニーで冷たくなった状態で見付かった。あれは突然死だったのか、それとも、どこかで何か悪い餌を食べさせられたのか、それは未だにわからない。もしかしたら、父ちゃんの三番目の母ちゃんもまた、TKMYのようにどこかで命を落としてしまったのかもしれない。私たちは、モリの成長して行く様子を見守りながら、私たちの部屋の周りに足場が組まれてしまう前に、モリが飛べるようになることを祈っていた。

 この頃になると、ガンモはマンションの大規模修繕に備えて、何度も何度もベランダの掃除をしてくれていた。足場が出来て、工事担当の方が私たちのベランダに立ち入るようになれば、ベランダにある鳩の糞は、工事の邪魔になるだろうと思ったからだ。

 あるとき、ベランダがひどく騒がしいので見てみると、キッコロよりも前に生まれた鳩が、夫婦でモリをいじめていた。ガンモは、モリのためにモリのいる巣の上に庇(ひさし)を作っていた。その庇があれば、モリは雨の日でも濡れずに済んだし、カラスなどの外敵から、とりあえずは姿を隠すことができた。夫婦は、その庇の中で小さくなっているモリを、庇の外に突付き出しているのだ。

 ガンモは、
「多分、今の巣の場所を自分たちの巣にしたくて、モリを追い出そうとしているんだろう」
と言った。確かに、それならば筋が通る。夫婦のモリへの攻撃は次第にエスカレートして行ったので、私は時々ベランダに出て、夫婦がモリのいる巣を狙わないように見張ったりした。とは言え、モリは夫婦に追い掛け回されながら、少しずつ小さな羽をばたつかせていた。そして、ベランダの手すりのところくらいまでは飛べるようになった。

 ガンモはモリが早く飛べるようにと、いつものようにモリを抱えて高い高ーいをして、ベランダの外の景色を見せてやった。ガンモの高い高ーいと、夫婦がモリを追いかけ回したことがプラスに働いたのか、足場が組まれる前にモリは飛べるようになった。やれやれ、これで足場が組まれて父ちゃんが私たちのベランダに出入りできなくなってしまったとしても、モリは自分でどこかに飛んで行って、餌を探せるだろう。私たちは、ひとまず安心したのだった。

※皆さん、いつもたくさんの応援クリックをありがとうございます。m(__)m これまでの流れからすると、雛がいる場合、父ちゃんや母ちゃん以外の鳩たちは、雛に対してとても寛大でした。もちろん、子育てを手伝ったりはしませんが、少なくとも、雛をいじめるような行為はこれまで見受けられませんでした。だから、夫婦の鳩がモリをいじめていたことに驚いたわけです。ガンモの言うように、モリがいるところに早く巣を作りたくて、モリを追い払いたかったのかもしれませんが、ひょっとすると、「マンションに足場ができるから、早く飛べるようになれ!」と言って突付いていたのかもしれません。(笑)

さて、今回も記事の中にボタンを埋め込ませていただきますが、どうぞよろしくお願い申し上げます。

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