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2010.09.26

まだまだ関西人にはなり切れない私

ホットヨガ(二〇一回目)の記事に応援クリックしてくださった皆さん、どうもありがとうございます。m(__)m 梅田店のスタジオが、もっとJR大阪駅に近ければありがたいのにとも思うのですが、実は、私のお気に入りのミニシアター系映画館や、今回、二本の映画をポイント鑑賞した映画館も梅田店のスタジオの近くにあるのです。そのため、梅田店のスタジオだけがJR大阪駅付近にあったとしても、結局のところ、レッスン後の楽しみとして映画を鑑賞するには、JR大阪駅からたくさん歩かなければならないのです。(苦笑)

 ○○市のコンサートチケットの一般発売日の二日後、チケットを購入するためにわざわざ会館まで出向いてくれた友人が、私たちの住んでいる兵庫県の東のほうにたまたま用があってやって来るというので、チケットを引き取るために互いに時間を合わせて会うことになった。

 自宅の最寄駅で合流して駅前のマクドナルドに入り、今回、彼女に取ってもらったチケットを引き取った。その後、おしゃべりに花を咲かせていると、彼女が突然、
「あれ、忘れ物かなあ?」
と私に言った。彼女が見ている方向は、私がずっと背を向けていた方向だったので、私は彼女が視線を送っているほうを振り返った。そこはテーブル席ではなくカウンター席で、誰も座っていないカウンター席の荷物入れに、忘れ物らしき紙袋がぽつんと残されていた。彼女は、迷わず立ち上がってそのカウンター席に歩み寄り、その紙袋を手に取った。それはデパートの紙袋で、紙袋の中にはそのデパートで購入したと思われる商品が包装された状態で入っていた。

 彼女は店内をきょろきょろと見回した。おそらく彼女の席からは、この忘れ物の持ち主の姿が視界に入っていたのだろう。しかし彼女は、その持ち主はもはや店内にはいないと判断したようだ。そして、マクドナルドのカウンターを振り返り、店員さんたちの様子を確認した。その直後、彼女はマクドナルドの外にいたおまわりさんを見付け、
「あっ、おまわりさん! 私、おまわりさんに預けて来るわ」
と言い残し、紙袋を手に持ち、慌ててマクドナルドから飛び出して行った。

 マクドナルドのすぐ近くには交番があり、おまわりさんは、ちょうど巡回から戻って来たところだったようだ。私は内心、マクドナルドでの忘れ物なら、おまわりさんよりも店員さんに預けたほうがいいのではないかと思っていたのだが、彼女はたまたま外にいたおまわりさんを見付けて、「忘れ物=交番に届ける」という公式を成り立たせてしまったようである。

 彼女が席を外してから十数分ほど経過した頃だろうか。いったん、彼女が店内に戻って来た。これから交番で、拾得物の届け出の手続きをするのだと言う。何でも交番で別の手続きをしている人がいて、その人が終わるまで手続きができないのだそうだ。彼女は私に、まだ店内に残るかどうかを確認した。私は、
「うん、私は店内で待ってるよ」
と答えた。何となく私の中には、忘れ物の持ち主が店内に戻って来るのではないか。あるいは、忘れ物の持ち主がお店に電話を掛けて来て、店員さんがその忘れ物を確認しにやって来るのではないかという予感があったのかもしれない。

 彼女が交番に戻ってから十分ほど経った頃だろうか。三十代くらいのカップルが心配そうな顔つきでお店に入って来て、さきほど忘れ物を見付けたカウンター席のあたりをさりげなく見ていた。私は咄嗟に忘れ物の持ち主だと思い、
「もしかして、忘れ物ですか?」
と声を掛けた。するとカップルは、
「はい」
とすがるように答えた。私は、
「今、友人がそこの交番に届けに行きました」
と、カップルに向かって、外の交番のあるほうを指差した。カップルは私に、
「ありがとうございます」
と言ったあと、すぐさま交番に足を運んだようだ。

 ほどなくして、友人が交番から戻って来た。拾得物の手続きをしようとしていたところ、カップルがやって来たのでめでたしめでたしということだった。私は、カップルが紙袋のあったカウンター席のほうを見ていたので、交番に行くよう案内したことを話した。彼女はおまわりさんに、
「マクドナルドの店員さん、忙しそうやったから、交番で預かってもらおう思て来たんや」
と言ったそうだ。それを聞いたおまわりさんは、
「あとで私がマクドナルドの店員さんに言っておくわ」
と言ってくれたそうだ。

 そんな話をしていたところに落し物の持ち主が現れたので、めでたしめでたしとなったわけだが、私は忘れ物を発見した直後からの彼女の行動の素早さに驚いていた。正直言って、私には、落し物を手で触る勇気もなければ、店員さんに忘れ物があることを伝える勇気もなく、ましてや、たまたま外にいたおまわりさんに声を掛けて、拾得物の手続きをする勇気もなかった。いや、決して勇気がなかったわけではなく、決断から行動するまでに時間が掛かると言ったほうが正しいだろう。今回のことに限って言えば、忘れ物の持ち主が現れるかもしれないので、私は忘れ物の紙袋をもう少しそこに置いたままにしておいても良いのではないかと内心思っていた。だから、身体がなかなか動かなかったのだ。しかし彼女は、忘れ物を見付けてから交番に足を運ぶまでの時間がとにかく早かった。しかも、交番では他の人が別の手続きをしている間、おまわりさんと和気藹々と話をしていたというのだ。

 私たちがしばらく話をしていると、さきほどの落し物の持ち主がマクドナルドに戻って来て、私たちに歩み寄り、深々とおじぎをしながら、
「どうもありがとうございました。本当に助かりました」
と言った。その方たちは、私たちに何かお礼をしたいと思ったのかもしれない。
「まだ、お店にいらっしゃいますか?」
と尋ねて来られた。すると友人は、
「ああ、どうかお気遣いなく。私も家が遠いので、そろそろ帰ろうと思ってるところなので」
と答えた。それを聞いた忘れ物の持ち主のカップルは、再び私たちに深々とおじぎをすると、
「本当にありがとうございました」
と言ってお店を出て行った。

 私は今回のことを通して、こんなふうに素早く行動を取ることができる彼女は、彼女自身が生まれながらの関西人だからだろうと考えた。私は結婚してから関西に住み始めたので、私の関西人度はまだ、横断歩道を渡るときに信号無視ができるようになった程度である。忘れ物を見付けたとしても、容易に立ち入ってはならない領域と判断し、なかなか重い腰が上がらないのだ。それなのに彼女は、忘れ物を見付けると直ちにその忘れ物に触れ、外にいたおまわりさんを見付けるやいなや、店を飛び出して行っておまわりさんに声を掛け、拾得物の手続きができない間は交番で和気藹々とおまわりさんと話をしていたのだ。いやはや、恐れ入った。

 果たしてこの先、私の関西人度が上がって行く可能性はあるのだろうか。横断歩道を渡るときに信号無視はできるようになったものの、「お人よし」の分野においては、人との距離の保ち方に関わることなので、自分がそれを受けるという受動的な立場では許容できるとしても、自分から能動的に仕掛けることはできないだろうと思う。やはり彼女のように生まれながらの関西人でなければ、「お人よし」の分野において、自分から能動的に働きかけるのは難しいだろう。

※皆さん、いつもたくさんの応援クリックをありがとうございます。m(__)m 関西に住み始めてから十四年経ちましたが、それでもなお、根っからの関西人の「お人よし」ぶりには、しばしば驚かされることがあります。私自身がそれと同じことを返すことができないので、そうした行為に対し、受け取ることでさえも躊躇してしまうことがありますね。でも、彼らは決して見返りを求めているわけではなく、単に誰かに対して何かをしてあげたいだけなのかな、と最近になっては思えるようになりました。

さて、今回も記事の中にボタンを埋め込ませていただきますが、どうぞよろしくお願い申し上げます。

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