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2010.09.03

映画『ダーリンは外国人』

合法売春と合法ドラッグの街の記事に応援クリックしてくださった皆さん、どうもありがとうございます。m(__)m 成田国際空港に着いてから大阪国際空港行きの飛行機に乗り換えたのですが、どういうわけか、スーツケースなど、アムステルダムのスキポール国際空港で預けた荷物をいったんピックアップしたあと再び空港カウンターに持ち込んで、預け直さなければなりませんでした。実はその間に税関のチェックなどが行なわれたので、やはり国際線で帰国したときのチェックは成田国際空港で行なわれるような決まりがあるのかもしれません。私たちは、麻薬犬の活躍ぶりにちょっぴり期待していたのですが、残念ながら、麻薬犬の姿はありませんでした。

 本作は、夏休みに成田国際空港からフランクフルトに向かう飛行機の中で鑑賞した作品である。国際線の飛行機に乗ると、小さいモニタながらも、自分のペースで映画をじっくり鑑賞できるのがうれしい。劇場公開前の作品を鑑賞できることもあれば、劇場公開中に見逃してしまった作品に巡り会えることもある。本作の場合、それほど強く意識していたわけではないのだが、劇場で何度も予告編を目にしていたため、ある程度、気になっていた作品として、ひとまず後者に該当する。ただ、本作は、私の中ではつい先日まで劇場公開されていた作品だったのだが、こうしてレビューを書くにあたり、調べてみると、本作の劇場公開は今年の四月十日だったようだ。ということは、私の感覚が正しければ、かなり長い間、劇場公開され続けていた作品ということになるのだろうか。それでも、既にDVDも発売されているので、劇場公開が終了してからある程度の時間が経っている作品であることは間違いないようである。

 題名からも推測されるように、本作は、日本人女性と外国人男性のカップルの物語である。二人は同棲していて、日本人女性は自宅で仕事をしている漫画家さおり、外国人男性は語学マニアのアメリカ人トニーである。さおりは英語が苦手だが、語学マニアのトニーは日本語がとても達者である。しかも、トニーが時々発する、日本人が通常、口語では使わないような日本語の表現が面白い。例えば、「度肝を抜かれました」とか「ここで会ったが百年目」などである。トニーのそれらの使用方法に対し、日本人としては微妙に違和感があり、笑えるのだ。また、普段、日本人が意識していないような、日本語にとってはもはや当たり前となってしまっている表現に対し、トニーが突っ込みを入れて来るのも面白い。本作を鑑賞する日本人にとっては、トニーという外国人の目を通して、日本という国を客観的に見詰め直すきっかけとなるのだ。

 私自身も、本作のトニーの台詞をきっかけに、日本語の使い方について改めて考えさせられた。トニーは、「すごいきれい」という日本語の表現を、おかしな日本語として指摘していた。このとき、トニーによって同時に指摘された「全然~(肯定)」の表現については、私も普段から違和感を持っていたものの、「すごいきれい」という表現については特に違和感を持っていなかった。しかし、「すごい」という形容詞の活用からすれば、「すごいきれい」ではなく「すごくきれい」が正しい日本語の表現なのだと思う。何故なら、「すごい」の後に続く言葉が「きれい」という用言(活用する言葉)ならば、その直前の活用は連用形でなければならいという日本語のお約束があるからだ。どうやらいつの間にか、そうした日本語のお約束が破られ、あまり違和感のない日本語として成長してしまったようである。

 物語としては、さおりの仕事が忙しくなった頃に、二人の関係がギクシャクして来るところが何とも切ない。トニーが家事を請け負ってくれることになるものの、コップを洗ってもらっても洗剤がまだこびりついていて、さおりがもう一度洗わなければならなかったり、洗ってはいけないさおりの大切な服を雑に洗濯してしまったりする。これらの出来事を通して、さおりはトニーに対してオープンではなくなってしまうのだ。

 恋愛関係がうまく行っている間は、相手に対して互いにオープンである。オープンであるということは、相手に向かう口を広げているのと同時に、相手を受け入れようとする口も同時に広げている。しかし、価値観の違いなどにより、相手を受け入れることが困難になって来ると、その口を閉ざしてしまう。さおりは、トニーが洗ったコップに洗剤が残っていることを指摘せずに、一人でこっそり洗うようになる。しかし、口が閉じられてしまった状態では、二人の関係がうまく行くはずがない。

 トニーが一人でアメリカに行っている間、さおりはトニーがどれだけ真剣に家事を担当してくれていたかを知ることになる。洗濯物のマーク表示など、トニーは過去の家事の失敗により、既に多くのことを学んでいた。実際、私たちは、失敗から学ぶことが多い。しかし、これまで相手に向かって開いていた口を閉ざしてしまい、相手に対して言いたいことを言わずに済ませてしまうのは、相手に気付くきっかけを与えないでいるのと同じことなのだ。ネガティブなことは言わないほうがいいとするのは社会的な関係のみに留めておいて、親しさを築いて行く関係ならば、やはり相手に向かって口を広げて、言いたいことを伝えたほうがいいのだ。

 本作には、男女に限らず、一度親しくなった人たちが疎遠になって行くプロセスや、再び親しさを取り戻すプロセスが良く描かれていると思う。本作を鑑賞することで、誰かと本当の意味での親しさを築いて行きたい場合はどのように接すれば良いか、ヒントになるのではないだろうか。

※皆さん、いつもたくさんの応援クリックをありがとうございます。m(__)m ラブコメディーというジャンルの作品なので、普段、私が好んで鑑賞しているジャンルの作品とは少し違った作品だったのですが、とても楽しめました。やはり、トニーが語学マニアであるという設定が一番面白かったですね。聞くところによると、本作の原作者である漫画家の小栗左多里さんや実際のトニーも出演されていたようです。

さて、今回も記事の中にボタンを埋め込ませていただきますが、どうぞよろしくお願い申し上げます。

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