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2010.08.10

難しいトイレ(8)

三十五ユーロのペナルティの記事に応援クリックしてくださった皆さん、どうもありがとうございます。m(__)m たくさんの方たちから応援クリックを賜り、心より御礼申し上げます。何故、私たちがアムステルダム中央駅の改札で通したICカードが有効になっていなかったのか、未だに謎であります。車掌さんのおっしゃるように、チャージが足りなかったのかもしれません。それでも、路面電車で普通に利用できていたのは、路面電車の一回の利用料金が一ユーロにも満たないため、比較的長距離を走るオランダ国鉄とは料金体系が異なっているからかもしれません。

 海外に出掛けると、難しいトイレシリーズでご紹介できるようなトイレの登場をついつい心待ちにしてしまう。今回の旅行でも、難しいトイレシリーズの仲間に加えられそうな出来事がいくつかあったので、今日は、その中からお届けすることにしよう。

 ヨーロッパに行くと、不自由に感じてしまうのがトイレである。日本では、地下鉄に乗っても当たり前のように無料でトイレを利用することができるが、ヨーロッパの地下鉄の駅にはトイレがない。トイレが設置されているのはたいてい国鉄の駅で、それも有料である。トイレの一回の利用料金は、三十セント(ユーロ)から五十セント(ユーロ)だ。また、国鉄の車内には、無料で利用できるトイレが設置されているので、国鉄を利用したときは、積極的にトイレを利用しておくのも一つの手である。あとは、街のファーストフード店などに一回三十セント(ユーロ)程度で利用できるトイレがあるので、街を歩いているときにどうしもトイレに行きたくなったら、ファーストフード店に駆け込んで、トイレをお借りする手もある。街で見掛ける公衆トイレも、決してゼロではないのだが、その絶対数は、日本よりも確実に少ないので、外を出歩くときは、ある程度の覚悟が必要である。

 このように、日本よりもトイレを利用できるチャンスが格別に少ないとなると、ヨーロッパの人たちは、街を出歩くときにどのように対処しているのか、時々不思議に思うことがある。しかし、私にも少しずつわかって来た。どうやらヨーロッパの人たちは、トイレを利用できる回数が少ないなら少ないなりに、そのような環境に身体を適応させているようなのである。

 実は私は、今回の旅行の二日目から生理が始まってしまった。トイレを利用できる回数が格別に少ないとなると、布ナプキンから血液が漏れてしまうのではないかととても心配だった。しかし、不思議なことに私の身体は、ヨーロッパの環境に適応していた。トイレを利用できる回数が格別に少ないと最初からわかっていると、出血量の多い生理の二日目でさえ、生理の血液を漏らしてはいけないとコントロールされるようで、出血量は驚くほど少なかった。それだけではない。トイレに行きたくなる回数も、日本にいるときとは比べ物にならないほど少なかったのである。ただ、トイレに行く回数が少ない分、濃い色の尿が出ていたようだ。

 まるで、そのことを証明するかのように、無料トイレの設備のある国鉄を使った旅が続くと、「国鉄に乗っているのだから、いつでも行きたいときにトイレに行ける」というモードに切り替わり、実際にトイレに行く回数が増えたばかりでなく、生理の出血量も増えてしまった。どうも、トイレに行ける回数と、私たちの新陳代謝のサイクルは、比例しているように見えるのだ。要するに私たちは、環境に合わせて身体を作っているようなのである。

 ところで、私はドイツ語もオランダ語もさっぱりわからないまま今回の旅行に出掛けてしまったわけだが、ドイツのフランクフルトにあるショッピングセンターに設置されたトイレを利用しようとしたとき、果たしてどちらが女子トイレなのかわからず、学生時代、第二外国語にドイツ語を選択していたガンモに、
「ねえ、どっちに入ったらいいの?」
と尋ねた。ガンモは、
「Damenのほうだよ」
と教えてくれた。ちなみに、Herrenは男性用だそうだ。

ドイツ・フランクフルトのトイレ。ドイツ語がわからないと、どちらのトイレに入ったらいいかわからない

 ガンモに教えられてDamenと書かれた女子トイレに入ってみると、そこは五十セント(ユーロ)を入れて使用するコイン式の有料トイレだった。五十セント(ユーロ)を入れると、個室のロックが解除され、個室の中に入ることができるのである。

 私がトイレを利用するために、財布の中からまさしく五十セント(ユーロ)を取り出そうとしていると、個室の中からドイツ人のおばさんが出て来て、ドイツ語で私に何か語り掛けて来た。何を言っているのか、言葉そのものはさっぱりわからなかったが、きっと、
「このトイレを、このまま使っていいわよ」
と言ってくださったのだと思い、私は御礼を言って、自分の五十セント(ユーロ)を使うことなく、さきほどドイツ人のおばさんが出て来たばかりのそのトイレを使わせてもらった。五十セント(ユーロ)は、普段は閉まっている個室のロックを解除するために使われているはずなので、ドイツ人のおばさんは、自分が入れた五十セント(ユーロ)を有効活用して欲しいと思ってくださったようなのだ。これまでにも、ヨーロッパで同様の状況に出くわして来たが、おそらくこれも、トイレが有料であるという環境で生まれた生活の知恵なのだろう。

 トイレを済ませたあと、ガンモにこのことを報告すると、
「ひょっとして、お金が掛かるのは個室だけ?」
と言って、ガンモは恐る恐るHerrenと書かれた男子トイレに入って行った。どうやら利用料金が課金されるのは個室に対してのみだったようで、男性の場合は、個室を利用しない限り無料だったそうだ。こうしてドイツ人のおばさんのおかげで、私たちは二人とも課金されることなくトイレを利用することができたのだった。

※皆さん、いつもたくさんの応援クリックをありがとうございます。m(__)m こんなふうに、開いたトイレを譲ってくださるということは、ドイツ人のおばさんご自身も、誰かから譲ってもらった経験があるのでしょうね。こうした生活の知恵は、お互いの立場を入れ替えながら、循環し、人々の間に浸透しているのだと思いました。

さて、今回も記事の中にボタンを埋め込ませていただきますが、どうぞよろしくお願い申し上げます。

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