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2010.08.04

ガンまる、ICEに乗る

ライカIIIfの里帰りの記事に応援クリックしてくださった皆さん、どうもありがとうございます。m(__)m WETZLAR GERMANYと刻印があるので、私の持っているライカIIIfも、ウエッツラーにあるライカの旧本社で作られたものなのでしょうね。製造されてから既に六十年ほど経っているはずですが、いまだに快適に動いてくれています。現代のような電池式のカメラではなく、電池を使わない機械式のカメラだから、長持ちするんですね。いや、長持ちするというよりも、製作者と同じような職人魂を持った人の手に掛かれば、例え壊れてしまったとしても修理が可能であると表現したほうが正しいかもしれません。しかし、電池式のカメラは、壊れてしまうと、なかなか修理が効かないことが多いのです。

 フランクフルトに三泊した私たちは、次なる目的地へと移動するため、お世話になったホテルをチェックアウトした。そして、三日分の洗濯物でパンパンに脹らんだスーツケースを転がしながら、フランクフルト中央駅へと移動した。

 これから私たちは、次なる滞在先であるオランダのアムステルダムを目指すのである。ドイツとオランダは陸続きなので、移動手段としてICEという新幹線を利用する。ICEは、見た目は日本の新幹線のひかり号のような顔をしていて、ドイツのフランクフルトとオランダのアムステルダムをおよそ五時間で結んでいる。仮にICEが日本の新幹線と同じくらいのスピードで走っているとするならば、フランクフルトとアムステルダムは東京と広島くらいの距離になるのだろうか。

 ICEに乗車するためにホームで待っていると、お酒の匂いをプンプンさせたドイツ人女性にドイツ語で話し掛けられた。真剣な顔をして、私に対して何かしきりに求めているようだった。おそらく、お金を恵んでくれないかという相談だったのだろう。私がドイツ語がわからない素振りを見せると、ひどくがっかりしたような表情をして離れて行った。その後、その女性は、停車中のICEの中に入って行ったが、まだそれほど多くの人たちが乗車していなかったからだろう。肩を落とした様子でICEから降りて来た。更にその女性は、ICEに乗車するためにホームにやって来た別の利用客にも接近して、しきりに何か懇願していたが、やはり断わられていた。

 その数分後、私は別の人に声を掛けられた。
「英語を話しますかか?」
と尋ねられたので、
「少しだけ」
と答えると、その人も何やら切羽詰った様子で、
「今日中に七ユーロ欲しいんです」
と言った。私は、この人も申し出も断わった。

 その後、いよいよICEの車内に足を踏み入れてみると、荷物を持たずに水の入ったペットボトルだけを手に携えた男性が、アメリカ人グループの利用客と盛り上がっていた。ICEが走り出したあとは、その男性の姿を見掛けなかったので、おそらくその男性もまた、物乞いをするために一時的にICEに乗り込んでいたのだろう。ICEを利用する人に対してなら、物乞いが成立するかもしれないという思いがあったのだろうか。仮にそうだとすると、さきほどのお酒の匂いをプンプンさせていた女性と言い、ICEの車内までどかどかと乗り込んで来るのは大胆である。日本ならば、例えば東京駅のホームに停車中の新幹線の中に足を踏み入れるためには、少なくとも入場券が必要だが、ヨーロッパの多くの国では、ホームに停車中の列車の中に足を踏み入れるのに切符は必要ないので、列車を利用する以外の目的を持っている人であっても、近づき易いのだ。もちろん、列車が走り始めれば、車掌による切符のチェックが行なわれるのだが、まだ走り始めないうちは切符をチェックされることがないので、列車の発車前であれば、誰でも乗り降り自由なのである。

 今回、私たちが乗車したのは、一等車だった。ガンモ曰く、五時間近くも新幹線の一等車に乗車するというのに、価格はわずか八千円程度らしい。グリーン車を利用して、東京から広島まで八千円で移動できるわけではないので、やはり割安ということになるのだろう。ちなみに、この割安のICEの一等車のチケットは、インターネットで予約して購入したようだ。ベルギー国鉄同様、紙に印刷したオンラインチケットにはQRコードのような読み取りコードが印刷されていて、車掌さんが持っている端末でそのコードを読み取ることにより、利用する列車の指定席を識別できるようになっていた。また、オンラインチケットを購入するときに使用したクレジットカードを、紙に印刷したオンラインチケットと一緒に車掌さんに提示することで、車掌さんは、そのオンラインチケットの印刷物を持っている人が、確かにそのオンラインチケットを購入した本人であることを確認しているようだ。

 思えば、これまでヨーロッパで乗車した新幹線に相当する列車と言えば、TGVユーロスタータリスである。そして今回、このICEが仲間に加わった。こうして新幹線を利用するのもいいが、たまには映画の中で見掛けるような、ヨーロッパの寝台列車に乗って国境を越えてみたいものだ。

 ICEの中は、冷房がひどく効いていて、上半身にほてりのある私でさえとても寒かった。私は足首を冷やさないようにするために、普段、オフィスで使っているのと同じ冷房対策グッズで足首をしっかりと守り、下半身全体をひざ掛けで覆った。また、ICEには、ユーロスターにあるようなスーツケースを収めるスペースは用意されていなかった。そのため、空いているスペースを見付けて何とかスーツケースを収めて席に着いた。私は、まだ身体がこちらの時間に合っていなかったためか、発車後、軽く一時間ほど眠った。

 ユーロスタータリスの一等車には昼食が付いていて、スタッフが座席まで食べ物や飲み物を運んでくれたのだが、ICEは昼食が含まれていなかったので、ICEの車内で食事をとりたい場合は、ICEの車内で食事や飲み物を注文して、スタッフに座席まで運んでもらうか、乗車前にあらかじめ駅の売店などで食べ物や飲み物を調達しておく必要があった。私たちは昼食にフランクフルト中央駅で購入したフランクフルトソーセージ入りパンを食べたのだが、ICEの中で温かいコーヒーを注文した。というのも、ICEの車内の冷房が効き過ぎていてとても寒かったため、温かい飲み物を飲みたかったのと、DBのロゴ入りコーヒーカップに入れられて運ばれて来るコーヒーが気に入ったからだ。紙コップではなく、陶器のコーヒーカップに入っているのがうれしいではないか。ガンモ曰く、このコーヒーカップはDBの直営ショップで販売されているようだ。日本で言えば、JRのロゴ入りマグカップが、JR直営の売店で販売されているようなものである。

 日本の新幹線はすこぶる速いという印象があるが、ICEはそれほど速いという印象はなく、途中、徐行運転を行なっているような区間もあった。ということは、フランクフルトからアムステルダムまでは、東京から広島までよりももっと近い距離なのかもしれない。乗車中、窓から見える景色は少しずつ変わって行った。特に意識しなくても、ICEが国境を越えてドイツからオランダに入ると、これまでと何となく景色が違うことが認識できたのである。日本で列車に乗っていても国境を越えることはないが、ヨーロッパでは、シェンゲン協定加盟国相互間であれば、列車で国境を越えるのにパスポートの提示は必要ないのである。

 こうしてICEは、アムステルダム中央駅に着いた。ICEの窓からアムステルダム中央駅の様子を見てみると、駅のホームを行き来するほとんどの人たちは長袖の服を着ていた。アムステルダムは、フランクフルトよりも緯度が高いので、フランクフルトよりも涼しいようだ。荷物をまとめてアムステルダム中央駅のホームに降り立ってみると、ひんやりとした空気が私たちを包んだ。

※撮影した写真のスライドショーを貼り付けておきます。なお、スライドショーが表示されない場合や、写真へのコメントをご覧になる場合は、ガンまる、ICEに乗るをご覧ください。

※皆さん、いつもたくさんの応援クリックをありがとうございます。m(__)m 列車に乗っているうちに国境を越えているという感覚は、日本では経験できないだけに、とても不思議な気がします。日本において、県をまたがる通勤が存在するのと同じように、もしかするとヨーロッパでは、国をまたがる通勤も有り得るのかもしれませんね。シェンゲン協定加盟国相互間ならば、移動はパスポートも不要で楽ちんなのですが、ユーロスターに乗ってパリからロンドンまで移動したときは、乗車時のチェックがかなり厳しかったのを覚えています。イギリスはユーロも使えませんし、入国審査もそれなりに厳しいですが、イギリスにはイギリスなりの伝統を守って欲しい気がします。

さて、今回も記事の中にボタンを埋め込ませていただきますが、どうぞよろしくお願い申し上げます。

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