薄い水色の検査着(3)
※映画『クレイジー・ハート』の記事に応援クリックしてくださった皆さん、どうもありがとうございます。m(__)m たくさんの方たちから応援クリックを賜り、心より御礼申し上げます。週末は旅の記事を書かせていただいているのですが、今回で完結しますので、薄い水色の検査着(2)の続きを書かせていただきます。
生理中に健康診断を受けて、唯一良かったと思うことがある。それは、乳がん検査のためにマンモグラフィーによる検査を行ったことだ。去年も同じ場所で健康診断を受けているのだが、去年は生理前で乳房がひどく張っていたため、マンモグラフィーの検査のときに強い痛みを感じた上に、なかなか良い感じに乳房が検査の機械に挟まらなかった。そのとき担当してくださった女性検査技師が難儀していたのを覚えている。
今年は、去年とは違う女性検査技師が検査を担当してくださったのだが、生理中で乳房の張りが落ち着いているためか、比較的すんなりと四枚のレントゲンを撮っていただくことができた。
ただ、いくら女性同士であるとは言え、女性検査技師とあれほどまでに密着するのはドキドキしてしまう。そういう意味で、顔の見えない子宮頸がん検診よりも、顔の見えるマンモグラフィーによる乳がん検査のほうが緊張してしまうようだ。
さて、私は基本検診のほぼすべての検査項目を終了していた。あとは乳がんの触診と、医師による問診のみのはずである。待合所でしばらく待っていると、名前を呼ばれたので、案内されるがままに診察室に入った。すると、そこには去年と同じく、女性のような優しい声の男性医師が座っていた。
男性医師は、私が「医師から貧血と言われたことがある」という問診票の質問に「はい」と答えているのに反応し、私の目の充血具合を注意深く調べていた。そう、かつての私はヘモグロビン値が正常値に至らず、貧血気味だったのだが、おそらく最近は生理の出血量も少なくなっているので、貧血は改善されているはずだった。男子医師は私に、
「貧血は大丈夫のようですね」
とおっしゃった。
その後、男性医師から、
「何か気になることはありますか?」
と言われたので、
「筋腫があります」
と答えた。男性医師は、私に筋腫があることに興味を持ってくださったようだ。
その後、施術台の上に横になり、男性医師による乳がんの触診が行なわれた。男性医師は、
「しこりはないですね」
と言ってくださった。実は私は、去年の乳がん検診で良性石灰化という診断結果をいただいているのだが、良性石灰化は触診ではわからないのだろうか。
その後、男性医師は私の下腹部を触診し、私の筋腫を確認された。男性医師は最初、私の筋腫がかなり大きいことに驚き、やがてその驚きは笑いに変わった。私も、男性医師と一緒に笑った。乳がんの触診を行っているということは、男性医師は、婦人科がご専門なのだろうか。
「これは大きいですねえ」
と男性医師はおっしゃった。
施術台を降りて再び男性医師と対面したとき、男性医師は私に、
「それだけ筋腫が大きければ、筋腫は取ってしまったほうがいいですよ」
とおっしゃった。私が、
「はあ」
という感じで曖昧な態度を示すと、男性医師は、
「筋腫がどのように小さくなって行くか、ご存知ですか?」
と私に尋ねられた。私は、
「エストロゲンの減少により、小さくなるのではないですか?」
と答えた。
すると男性医師は、
「確かにそうですが、閉経して女性ホルモンが減少しても、筋腫はすぐに小さくはならずに、先に子宮だけがぎゅーっと収縮するんです。すると、小さくならない筋腫は、子宮の中でドロドロになるんです。そのときに、個人差はありますが、痛みを訴える人もいます。だから、そうなる前に、大きな筋腫は取ってしまったほうがいいですよ。これくらい(男性医師は、ご自分の手でにぎりこぶしを作っていた)の筋腫ならともかく、あなたの場合は、あなたの頭くらいの大きさの筋腫があるわけですから」
とおっしゃった。
私は意外な展開に驚いた。健康診断でこのようなアドバイスを受けられるのは大変有り難いことである。しかも、私は、自分の筋腫が小さくなるプロセスをまったく想像していなかったことに気が付いた。エストロゲンの減少とともに、筋腫もすぐに小さくなるものだと思い込んでいたからだ。しかし、男性医師の言うように、先に子宮だけが収縮してしまうのだとしたら・・・・・・。確かに、にぎりこぶし大くらいまでの筋腫ならば、子宮の収縮に耐えられるかもしれない。しかし、私のように大きな筋腫ならば、子宮が収縮する時点でまだそれほど小さくはなっていないはずである。そのときに痛みを感じるとなると、大きな筋腫ほど、痛みも大きいはずだ。それを考えると、正直言って、少し恐ろしくなった。
男性医師は、他にも筋腫を取らないことで起こるいくつかの弊害を、これまでの手術の経験からいろいろと語ってくださった。そうした経験からのアドバイスだから、余計に説得力があるわけだ。私は、男性医師にお礼を言って診察室を出た。
これですべての検査と問診が終了したので、私は着替えを済ませてクリニックをあとにした。薄い水色の検査着の替えをいただいてからは、もはや新しい血液は付着していなかった。やはり、寝転がった状態で検査を受けたのが良くなかったらしい。
クリニックを出た私は、ガンモに電話を掛けて、薄い水色の検査着に生理の血液を付着させてしまったことと、男性医師に筋腫は取ったほうがいいと言われたことなどを話した。ガンモは私に、
「じゃあ、手術するの?」
と尋ねたが、私は、
「ううん、まだわからない」
と答えた。
そのとき、私の頭の中には潜在意識のことが浮上していた。以前も書いたと思うが、私は若い頃に、潜在意識を活用して、半年間で十七キロのダイエットに成功したことがある。この先も筋腫の手術に対して消極的ならば、そのときに実践したことを、筋腫の縮小に対して応用すべきではないだろうか。そんなことを考え始めていた。
※皆さん、いつもたくさんの応援クリックをありがとうございます。m(__)m 子宮頸がんの検診のときに、私の下腹部を触った女性医師は、筋腫について何もおっしゃいませんでしたが、最後の問診でこのようなアドバイスを受けられるとは思いもよらないことでした。それと同時に、私の中では、まだ、筋腫が小さくなるための準備が整っていないのだとも感じました。準備が整っていないのだから、小さくなるわけがありませんよね。(苦笑)それで、潜在意識のことを思い出したわけなのです。いつか、ゆったりとした時間に、これからのことを計画する時間を設けたいと思います。
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