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2010.05.07

一人、また一人(9)

映画『カラヴァッジョ 天才画家の光と影 』の記事に応援クリックしてくださった皆さん、どうもありがとうございます。m(__)m たくさんの方たちから応援クリックを賜り、心より御礼申し上げます。本作に出演されている役者さんたちのプロフィールを拝見すると、本作への映画出演が初めてという役者さんたちが多いようですね。もしかすると、無名の役者さんたちを積極的に採用した作品だったのかもしれません。それでは、週末になりましたので、一人、また一人(8)の続きを書かせていただきます。

 四月に入ると、新しい体制での仕事が稼動し始めた。これまでHという仕事を請け負っていた派遣仲間は、契約を打ち切られる派遣仲間が請け負っていたSという仕事を担当し、これまでPという仕事を請け負っていた派遣仲間は、PのほかにKという仕事も一緒に請け負った。そして私は、新たにSという仕事を請け負うことになった派遣仲間の替わりに、これまでその派遣仲間が担当していたHという仕事を請け負った。みんな、新しい仕事に慣れない状況に見舞われながらも、恐る恐るそれぞれの一歩を踏み出したという感じだ。

 Hという仕事を担当することになった私は、普段の仕事場所が変わった。これまでは、オフィス内の自分の席で仕事をしていたのだが、Hの仕事をするようになってからは、ほとんど一日中、オフィスのすぐ隣にあるマシンルームにこもるようになった。マシンルームは、現在、マシンルーム内でどれだけ多くのコンピュータが稼動しているかによって、体感温度がずいぶん異なることがわかった。ひどく寒い日もあれば、反対にひどく暑い日もあった。しかしそれも、マシンルームに設置された空調のつまみを調整することで快適な温度に設定できることがわかって来た。

 PのほかにKという仕事を請け負うことになった派遣仲間もまた、マシンルームにこもって仕事をすることが多いため、新しい体制について、私は彼女とマシンルームでいろいろ語り合った。彼女はこれまでの仕事に加え、新しい仕事が増えたことで、自分が一番損をしているような気がすると笑いながら言った。確かにそうかもしれない。これまでの仕事に加え、新しい仕事が増えたというのに、それでも時給が変わらないのだとしたら・・・・・・? 私は彼女に同情した。

 一方、私もまた、新しい仕事に対する不満が募りつつあった。あるとき、私がマシンルームにこもって仕事をしていると、同じプロジェクトグループの男性社員がやって来て、これまで私に、こういった仕事の経験があるかと尋ねて来た。もちろんそれは、私が新たに担当するようになったHという仕事に関することだった。私が、その仕事内容については経験がないので良く知らないと答えると、男性社員は驚き、これから先が思いやられるとか、大丈夫かなあとか、○○さん(これまでHという仕事を担当していた派遣仲間)のスパルタ教育が必要ですね、などと私に言った。

 顔は笑っていたので、その男性社員にとっては冗談のようなつもりだったのかもしれないが、はっきり言って、私はカチンと来た。そんなことが二回ほど続き、私は次第に自分がその男性社員に馬鹿にされているのではないかと思うようになって来た。確かに、これまでHという仕事を担当していた派遣仲間の仕事ぶりは完璧だった。しかし、私はこれまでHという仕事ではなく、別の仕事を担当していたのだ。それなのに、単に同じプロジェクトで長く働いているという理由だけで、あたかもその仕事に対する知識があるのが当然のように扱われるだけでなく、別の派遣社員の仕事ぶりと比較され、仕事内容について私が良く知らないと答えると、まるで私を馬鹿にしたような口ぶりで発言されるのは心外である。

 もともと私は、その男性社員ではなく、直属の上司であるもう一人の男性社員と組んで仕事をして来たので、その男性社員は、私がこれまでどのような仕事をして来たのかを良く知らないはずだった。とは言え、直属の上司は、私が新たに担当することになったHという仕事について、実はあまり詳しくない。そのため、Hの仕事を担当するとなると、主に私に対して馬鹿にするような発言をした、もう一人の男性社員から指示を受けることになってしまうのだ。

 新しい体制に不安を抱えている私に対して、上司のまた上司は「フォローして行きます」と宣言してくださったものの、仕事で直接的に関わるのは上司のまた上司ではなく、二人の男性社員である。PのほかにKという仕事を請け負うことになった派遣仲間が、自分が一番損をしていると嘆いていたが、私は、もしかすると一番損をしているのは私ではないかと思うようになって来た。

 仕事でストレスを抱えつつあった私は、これまでHの仕事を担当していた派遣仲間と女子トイレで二人切りになったので、愚痴を聞いてもらった。すると彼女は、仕事の引継ぎをしていないことに責任を感じたのか、これまでの仕事内容について、私にメールを送って来てくれた。実は、彼女もまた、新しい体制での仕事のやり方に不満があると言う。しかし、そのことを今の直属の上司には言えないらしい。彼女の直属の上司は、保守的かつ受身タイプの典型のような人で、例え面倒に感じる仕事であっても、これまでよりももっと仕事がやりやすくなるように、仕事の方法をなかなか変えようとはしない。私などは、やはり技術者なので、面倒な仕事を素早くこなせるように新しいツールを使ったりもするのだが、彼女の直属の上司はそうではなく、これまでと同じ方法で地道に仕事を進めて行く。これまでHの仕事を担当していた派遣仲間は、もう少し手際良く作業を進めたいのに、それができないことにストレスを感じているようだった。

 こんなふうに、新しい仕事を担当することになった私を含めた三人の派遣社員は、それぞれ何らかの不満を抱えながらも、新しい体制での仕事を受け入れていた。

※皆さん、いつもたくさんの応援クリックをありがとうございます。m(__)m 派遣社員が一人欠けることによって、これまで担当したことのなかった業務を、残った派遣社員で請け負うことになり、みんなそれぞれ仕事のストレスを抱えながら仕事をしています。思えば、契約を打ち切られることになった派遣仲間は、保守的かつ受身タイプの直属の上司と本当にうまくチームワークを組んで仕事をしていたんですよね。これまで、その上司の下についた派遣社員は、様々な理由で、短期間のうちに仕事を辞めてしまっていたので、契約を打ち切られることになった派遣仲間とうまく行っていることがまるで奇跡のようでもありました。それなのに、企業は彼女の契約を打ち切ってしまうとは・・・・・・。彼女の直属の上司にとっては、長年探し続けた宝物を手放すような気持ちだったかもしれません。

さて、今回も記事の中にボタンを埋め込ませていただきますが、どうぞよろしくお願い申し上げます。

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