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2010.03.27

伊根湾めぐり(後編)

伊根湾めぐり(前編)の記事に応援クリックしてくださった皆さん、どうもありがとうございます。m(__)m カモメは顔にあまり表情がなく、一見すると何を考えているのかなかなかわかりにくいのですが、かっぱえびせんがどこにあるのかということだけは、目ざとく観察しているようです。しかし、キャッチに失敗したときでも悔しい顔一つせず、無表情のままですね。

 遊覧船に乗り込んだ私たちは、船室には入らず、デッキに立った。というのも、遊覧船が出航すると、カモメたちがかっぱえびせんを求めて遊覧船のあとを付いて回るのを知っていたからだ。私たちの他にも、何人もの人たちが遊覧船に乗り込んだのだが、寒かったからだろうか。ほとんどの人たちが船室に入ってしまった。デッキに残ったのは、私たちと数名の男性客だけだった。

 遊覧船が出航すると、カモメたちがかっぱえびせんを求めて、旋回しながら私たちの乗った遊覧船に付いて来た。まるで凧揚げでもしているかのように、たくさんのカモメたちが遊覧船のデッキの近くを飛び回っている。桟橋でリハーサルしたように、私たちはかっぱえびせんを特定のカモメに向けて放り投げた。カモメたちは無表情でありながらも、かっぱえびせんの行方だけはしっかりと追っている。そのため、ほぼ百発百中で、私たちが放り投げたかっぱえびせんを嘴(くちばし)でキャッチしてくれた。

 それにしても面白い。デッキに向かって飛んで来るカモメたちが、みんなこちらを見ている。まるで、「次に投げられるかっぱえびせんは俺様のものだ!」と言わんばかりである。とは言え、カモメたちは鳩のように柄(がら)が少しずつ違うわけではないので、私たちにはまったく区別が付かない。しかも、膨大な数である。できるだけ片寄らないように、カモメたちにかっぱえびせんを与えたいが、区別がつかないので重複してしまうかもしれない。ゲームのように、かっぱえびせんをキャッチしたカモメにはしばらく色が点灯するような仕掛けがあればわかり易いのにと思った。

 近所のスーパーで購入した大袋のかっぱえびせんを持参しているとは言え、ガンモと私の二人でカモメに与え続けていると、かっぱえびせんは次第に残り少なくなった。見ると、さきほどまでデッキに立っていた男性客らは、いつの間にか姿を消していた。おそらく、かっぱえびせんが底を付いてしまったのだろう。デッキには、かっぱえびせんの無人販売も行われていたが、それ以上、かっぱえびせんを補充しようとは思わなかったようだ。私たちも、次第にかっぱえびせんが残り少なくなったので、チビチビと与えていると、カモメたちも私たちの状況に気付いたのか、次第に数が減って来た。そして、とうとう私たちのかっぱえびせんが底を付くと、カモメたちの姿もほとんど見えなくなってしまった。

 「伊根湾めぐり」の遊覧船に乗り込み、あたかも野生のカモメたちと戯れているかのように見えていたが、実際はカモメたちと感情を交わしながら直接的に関わっていたわけではなかった。カモメたちと私たち人間は、あくまでかっぱえびせんという媒体を通しての間接的に関わっていたに過ぎなかったのである。そのため、かっぱえびせんが底を付くと、カモメたちはもう、私たち人間には見向きもしなかった。もしかすると、すべての動物たちと人間の関わりも同様なのだろうか。餌という媒体がなければ、間接的に接触することさえできないのだろうか。そんなことを考えていると、先ほどまでの戯れが空しく思えて来るのだった。

※携帯電話で撮影した動画を貼り付けておきます。


伊根湾めぐり posted by (C)まるみ
※なお、動画を再生するためには、最新のFlashが必要です。

※撮影した写真のスライドショーを貼り付けておきます。なお、スライドショーが表示されない場合や、写真へのコメントをご覧になる場合は、伊根湾めぐり(後編)をご覧ください。

※皆さん、いつもたくさんの応援クリックをありがとうございます。m(__)m 私たち人間にとっても、カモメに餌を与えている瞬間は確かに楽しいのですが、かっぱえびせんが底を付いてしまうと、急に空しくなりますね。おそらく、それらの行為を通しても、私たちとカモメたちの間に蓄積されたものが何も残されていないことに気付いてしまったからかもしれません。互いに感情を交し合った関係ならば、互いの中に蓄積されたものが残ります。だからこそ、普段の生活の中で、様々な人たちと感情を交わすことが大切なのだと改めて実感しました。

さて、今回も記事の中にボタンを埋め込ませていただきますが、どうぞよろしくお願い申し上げます。

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