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2010.02.17

映画『蘇りの血』

夢のコラボセミナー 心と体と気づきのストレッチ in 神戸(4)の記事に応援クリックしてくださった皆さん、どうもありがとうございます。m(__)m 続いて山志多みずゑさんのお話のご紹介と行きたいところですが、今回は三日に一度のペースで書かせていただいている映画のレビュー記事をお届けします。山志多みずゑさんのお話は、この映画のレビュー記事のあと、いったん別の記事を挟んでから再開させていただく予定です。

 元旦のファーストデイに三本の映画を鑑賞したと書いたが、実はそれより以前の昨年末に鑑賞した作品で、まだレビューを書いていない作品がいくつかある。今日は、そのうちの一本について書かせていただくことにしよう。

 本作でメガフォンを取った豊田利晃監督は、二〇〇五年に映画『空中庭園』を発表するも、監督自身が覚せい剤取締法違反で逮捕されるという異例の事態となってしまったようだ。本作は、その逮捕により執行猶予の判決を受けて、復帰後初めての作品となるらしい。そうした背景を知らされると、なるほどと納得してしまう。そう、本作のあちらこちらには、どこか普通ではない雰囲気が漂っているのだ。

 大王と呼ばれる荒くれ者が、闇の世界を支配している。病に冒された大王の身体を癒すために、オグリという天才按摩(あんま)が大王のもとに呼ばれる。オグリは、大王の身体を得意の按摩でほぐし、大王に気に入られる。実はこの大王は、少しでも気に入らないことがあると、ただちに切り付けて人を殺めてしまうほど我侭で子供じみた暴君だった。オグリも最初のうちは大王に気に入られ、大事に扱われていたものの、ふとしたことがきっかけで大王にあっけなく殺されてしまう。そして、大王の側近だったテルテ姫が、黄泉の国から舞い戻ったオグリを蘇生させるために、動けなくなってしまったオグリを連れて、地の果てにある“蘇生の湯”を目指す。ちなみに、テルテ姫を演じているのは、俳優の草刈正雄さんの娘さんである。

 全体的に映像が赤く、音楽が落ち着かないほど大音響で響いていた。何故、このような音の使い方をするのだろうと、私には不快に感じてしまうほど耳障りな大音量だったのだ。思えば、病に冒され、身体がどうにもならなくなった大王のやるせなさを表現するために、わざわざそのような演出をしたのかもしれない。しかし私は、暴君である大王に対する嫌悪感とともに、大音量の音楽に対する嫌悪感さえ感じてしまった。

 それでも、黄泉の国から舞い戻り、動けなくなってしまっていたオグリが、テルテ姫の助けを借りてようやく"蘇生の湯"に辿り着き、"蘇生の湯"に入って生き生きと蘇るシーンは、多少、冗長とも言えるものの、見方を変えればとても贅沢なシーンである。"蘇生の湯"は、中に入れば本当に蘇生が叶いそうなほど神秘的で小ぶりな温泉場のように見えた。動けなくなっていたオグリが、"蘇生の湯"に生命力を感じて最後の力を振り絞って何とか這いずりながらも辿り着き、湯に浸かるのを見届けると、思わずほっとする。"蘇生の湯"から生命エネルギーを受け取ったオグリはやがて、生命力に溢れた青年となって蘇るのだ。

 そこから先は、更に不思議な世界が描写される。オグリは、かつてのオグリと同じく黄泉の国へと旅立ってしまったテルテ姫を"蘇生の湯"で蘇生させるのだ。いつの間にか、二人の間には愛が芽生えているのを感じる。おそらく、オグリを"蘇生の湯"まで運ぶために骨を折った時点で、テルテ姫にはオグリに対する愛が芽生えていたのであり、黄泉の国から舞い戻って動けなくなってしまっていたオグリもまた、テルテ姫の愛を感じ取っていたのだろう。

 生まれ変わったオグリがもはやこれまでのオグリではないことは、大王に対し、復讐を試みようとする意気込みさえ感じられることからも想像することができる。そして本作は、何ともユニークな結末を迎えるのだ。これまで見られなかったような展開が、本作の結末には用意されている。これが豊田利晃監督の持つ独特の世界なのだろうかと思う。寺山修司さんを思わせるようなダークでとても不思議な世界の中に、個性的なキャラクターが配置され、どこまでもダークな世界を守り続ける。心から幸せそうにしている登場人物など一人も登場しない。とにかく、ダークな世界をたっぷり味わうことのできる作品なのである。

※皆さん、いつもたくさんの応援クリックをありがとうございます。m(__)m 個性豊かな作品を創り上げるためには、究極的な経験が必要なのかもしれませんね。監督自身の覚せい剤取締法違反という経験も、作品の中に取り込まれているのを感じます。決して心が楽しくなるような作品ではないのですが、ダークな映像として、いつまでも心の中に残って行くような不思議な作品でありました。

さて、今回も記事の中にボタンを埋め込ませていただきますが、どうぞよろしくお願い申し上げます。

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