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2009.12.16

映画『旭山動物園物語 ペンギンが空をとぶ』

ホットヨガ(一七一回目)の記事に応援クリックしてくださった皆さん、どうもありがとうございます。m(__)m 私の場合、ホットヨガのレッスンと映画鑑賞をセットにすることが多いので、おいしい食堂のほかに、映画館が近くにあれば、もう言うことはありません。しかし、残念ながら、映画館は大阪・梅田まで行かないとないようですね。一方、梅田店のスタジオは、私が利用しているJR大阪駅からはかなり遠いところにありますが、すぐ近くに映画館があります。ただし、森町食堂のような定食屋さんはありません。すべての好ましい立地条件が揃うのは難しいようですね。(笑)

 先週の土曜日、ガンモと二人で本作のDVDを鑑賞した。劇場公開中、映画館に足を運ぶことができなかったので、DVDをレンタルしたのだ。ガンモと一緒に鑑賞することにしたのは、もうすぐ私たちの冬の北海道旅行が控えていたからだ。いきなり、私たちの冬の北海道旅行などと言われても、「ガンまる日記」でご報告していなかったので驚かれる方も多いかもしれない。実は私たちは、とある航空会社のマイルをせっせと貯め込んでいるのだが、先日、その航空会社が経営難に陥っていることを知った。既に二人で十四万マイル貯めているというのに、もしもその航空会社が完全に傾いてしまったとしたら、せっかく貯めたマイルを消費できなくなってしまう。そこで思い切って、マイル消費のための旅を計画したのである。その旅とは、冬の北海道に出向き、旭山動物園に足を運ぶというものだ。

 話を映画に戻そう。本作は、経営が傾き掛けた旭川市立旭山動物園のサクセスストーリーと言っていいだろう。数々の動物の繁殖には成功している実績があるものの、来場者数の伸びが芳しくなく、もともと予算の少ない旭川市は、動物園に回す経費を削減する傾向にあった。今や全国的に有名になり、来場者数の多い旭山動物園からは想像もできないことである。

 旭山動物園で働いている人たちの多くは、旭山動物園に何十年も勤めるベテランの人たちだった。そこに、昆虫好きの青年が配属されることから物語が始まる。

 動物園という場所で繰り広げられる人間関係は、私たちが普段、働いているようなオフィスで結ぶ人間関係とは明らかに異なっていた。第一に、働いている人数が圧倒的に少ない。だから、事務所に集まってみんなでお茶を飲むという心温まる交流も実現できるのかもしれない。動物園で働く人たち全員が、どうしたらより多くの人たちに来場してもらえるかを真剣に考えている。オフィスでおのおのが机やパソコンに向かい、例え直接言葉を交わせる状況にあっても、確かな証拠を残すためにわざわざ電子メールでやりとりをするといった無機質な関わり方とはまったく異なっている。

 ソフトウェアの開発という一つの仕事をずっと続けて来た私は、派遣社員の立場を取りながら、これまでいくつもの企業で働いて来た。そうした経験を通して思うのは、外に出て働くということは、常に人間関係が大きく左右するということだ。同じ仕事をするにしても、職場で結ぶ相対関係により、それぞれの人たちが持つ能力がうまく引き出されたり引き出されなかったりする。本作に登場する昆虫好きの新入職員は、小さい頃のいじめの経験から、人と交流するのがひどく苦手だったらしい。それにもかかわらず、旭山動物園で出会った先輩たちは、彼の中から最も彼らしさを惜しみなく引き出しているように思えた。ひとえに彼と、園長を始めとする先輩たちとの相性が良かったと断言できるのではないだろうか。

 新人だった彼も、やがて先輩となるときを迎える。何と、動物愛護団体に所属し、動物園は動物たちから自由を奪うため反対だと主張していた若い女性が、市長の口利きで獣医として動物園に配属されることになるのである。私も、動物愛護団体が主張していることは良くわかる。むしろ、私が動物園に対して日々感じていることも、彼らの主張にとても近いのかもしれない。しかし、どういうわけか、映画で彼らの主張を客観的に観察すると、動物園の存在を頭から否定する意見だけが先行して、何かが欠けているように思えた。欠けているものが一体何であるのかは良くわからなかったのだが、野生動物たちを狭い檻の中から解放し、野生に戻すべきだと主張する動物愛護団体と、動物園においては、絶滅の危機に瀕する動物たちも外敵から守られていると主張する園長は、「どちらも動物を愛する気持ちは同じである」と感じた。だから、あれほど動物愛護団体で動物園の存在を否定し続けていた彼女が、あっさり旭山動物園に獣医として就職することになったのではないだろうか。一見、正反対の意見を主張しているように思えても、接点を見出すことはできるものだ。その接点とは、彼らの場合、動物を愛する気持ちが同じだったということなのだろう。

 園長の提案で、これまでコツコツと動物にのみ向かっていた飼育係が、来場者に対し説明を加えるという新たな試みが実践されるようになったり、また、その試みもがきっかけになり、絵本作家への道を歩み始める職員も出て来た。悲劇的な事件もいくつか起こった。そんな様々な状況を辛抱強く乗り越えた先には、新しい市長が選任されるという、旭山動物園にとっては願ってもないチャンスが訪れた。市長が変われば、市の予算を動物園に回してもらえるかもしれない。そんな願いが叶ったのか、新しい市長のおかげで旭山動物園は億単位の予算を割り当てられ、大きく生まれ変わることになる。

 私は、政治のことは良くわからないが、予算の少ない旭川市で、新しい市長がこれまで入場者数を伸ばすことのできなかった動物園に対して臆単位の予算を回すことは、非常に難しい状況にあったと推測する。それでも、いちかばちかの賭けで大きく生まれ変わった旭山動物園が、上野動物園をしのぐ動物園にまで成長できたことは、大きな賭けに勝ったというよりも、水族館を作りたいという新しい市長の無邪気なほどの純粋な思いが通じたからに他ならないのではないだろうか。新しい市長のその思いと、旭山動物園の職員たちの思いとが交差し、ようやく実を結ぶことができたのではないだろうか。これまでの市長が成し得なかったことを、新しい市長が純粋な思いをもって叶えてくれたのである。

 私は本作を鑑賞して、計算尽くしの人生で視野を狭くしてしまうよりも、常に純粋な思いを抱きながら生きて行きたいと思った。市の財政を気にしながら保守的な政治を行うことも、市民のことを大切に思っている政治には違いがないのだが、長い目で見るならば、保守的な方法以外にも市民のことを大切に思う方法があるということを、この映画で教えられたような気がするのだ。

※なお、このレビューには後日談がありますので、よろしければご参照ください。実際に訪れた旭山動物園のペンギンのお散歩、この映画のサブタイトルペンギンが空をとぶ、そして、ペンギン以外の旭山動物園の動物たち。それから、旭川市の女性市長について

※皆さん、いつもたくさんの応援クリックをありがとうございます。m(__)m 西田敏行さん演じる園長は、今年の三月に定年退職され、今では名誉園長として公式ホームページにコメントを掲載されています。旭山動物園が現在のような動物園に成長するまで、たくさんの試行錯誤はあったと思いますが、どこで結論を下すかが大事なのではないかと思いました。諦めようとしている人に勇気を与えてくれる作品だと思います。

さて、今回も記事の中にボタンを埋め込ませていただきますが、どうぞよろしくお願い申し上げます。

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