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2009.12.07

映画『沈まぬ太陽』

釜飯大好き!の記事に応援クリックしてくださった皆さん、どうもありがとうございます。m(__)m たくさんの方たちから応援クリックを賜り、心より御礼申し上げます。記事を読んでくださって、晩御飯のメニューを釜飯に変更された方がいらっしゃいましたら、とてもうれしく思います。(笑)薄味に炊き上がってしまった釜飯ですが、あとから付け足した粉のだしが効いたようで、薄味は解消されました。だしを侮ってはいけないと、身をもって体験しました。(苦笑)

 本作を鑑賞したのは、ついこの間のことだとばかり思い込んでいたのだが、手帳を見てみると、十月三十一日の鑑賞となっていた。もともと、本作を鑑賞したいと言ったのはガンモのほうだった。レイトショーで鑑賞するにはあまりにも上映時間が長過ぎるので、派遣会社の福利厚生サービスを利用して、前売券を購入して鑑賞するに至った。ちょうど本作が公開された頃、尼崎に大きな映画館がオープンしたばかりだったので、カングーに乗って、二人でいそいそと出掛けて行ったのである。

 オープンしたばかりの新しい映画館は、大型ショッピングセンターの中にあった。そう、まるで私たちの住んでいる市に昨年オープンしたばかりの大型ショッピングセンターのようだ。しかし、尼崎の大型ショッピングセンターは、オープンしたばかりだというのに、私たちの住んでいる市の大型ショッピングセンターに比べると、人の入りが少なかった。映画館も比較的空いていた。この映画館のチェーン店は、通勤定期券を利用して移動できる通勤沿線にはなかった。しかし、本来五百円の入会金がわずか二百円だというので、思い切って、ポイントカードの会員に加入することにした。加入しておけば、京都までホットヨガのレッスンに出掛けたときに、この映画館のチェーン店を利用できると思ったからだ。

 さて、本作は、山崎豊子さんの同名小説が映画化されたものである。私は原作を読んではいないが、この本が出版されたことは知っている。劇場でも予告編を何度も観て来たので、本作が日本航空をモデルに描かれた作品であることは理解していた。ただ、本作の中では日本航空の名は使われず、国民航空という航空会社名で登場していた。

 上映時間が三時間二十二分と、映画としては非常に長いので、途中で十分間の休憩が入った。これについては、どこの映画館でも同じ方針が取られていたようだ。これまでいろいろな映画を鑑賞して来たが、途中で休憩時間が入るような長い作品にはほとんど出会ったことがない。まるで、宝塚歌劇団の幕間のように、私たちは休憩時間を楽しんだ。

 本作には、対照的な二人が登場する。一人は、自分に正直に生きた渡辺謙さん演じる恩地という男である。恩地はかつて、国民航空の労働組合委員長を務め、会社の体制と激しく戦って来た。そんな恩地と肩を並べて一緒に戦ったはずの三浦友和さん演じる恩地の同期・行天は、やがてフェイドアウトするかのように労働組合を抜けてエリートコースを歩み始める。間もなく会社は、労働組合に参加していた人たちに対し、差別的な任務を強いるようになる。恩地は、十年にも及び、海外の僻地へ飛ばされ、恩地と一緒に戦って来た社員たちも、職場であからさまに虐げられるようになるのだ。

 はっきり言って、本作は、日本の企業の最も嫌なところが描かれている作品と言っていいだろう。私は、コンピュータ業界という比較的新しい分野の企業で働いているため、本作のような体制を取っている会社に出会ったことはない。しかし、比較的歴史の古い会社の中には、本作に描かれているような権力争いがあったり、労働組合の活動を通じて会社を敵に回したという理由で、従業員を僻地に左遷したりする会社もあるのかもしれない。私は、まるで政治の世界を見ているようで、とても嫌な気分になった。会社のある部分が機能せずに凝り固まって、権力によって不公平に動かされている。一生懸命働いているのに、そんな理不尽なことはない。

 そんな体質の会社だからこそ、恩地のようにまっすぐな人間性がプラスに表現され易くもなる。長年の海外赴任から帰国したばかりの恩地は、御巣鷹山に墜落してしまった国民航空のジャンボ機に乗っていた犠牲者の遺族らと国民航空との重要な接点となる。単に企業の歯車の一員としてではなく、一人の人間として遺族らに熱心に接し続けて来た恩地に対し、遺族らは次第に歩み寄りを見せつつあったように思えた。恩地は、足を向けるには不便なところにある御巣鷹山に何度も何度も足を運び、墜落事故で亡くなられた方たちの冥福を祈る。

 墜落事故の遺族らと国民航空の対応の温度差を示す印象的なシーンがある。国民航空のトップが、お詫びのためにある遺族を訪問するのだが、仏壇にお線香をあげようとするも、国民航空のトップは被害者の名前さえも暗記してはいない。トップの補佐が、持っていたリストをカンニングのように読み上げ、ようやく被害者の名前を口にする。そうした態度に対し、激しい怒りを感じた遺族が国民航空のトップに水を振り掛けるのだが、国民航空のトップの補佐役は、水がこぼれてしまった遺族の家ではなく、自分の会社のトップの服が濡れてしまったことを真っ先に気遣う。実際に起こった出来事なのかどうかわからないが、あくまでも企業の歯車の一員として、あたかも流れ作業のように遺族に接し続ける国民航空のトップらと、墜落事故で愛する家族を喪った遺族との大きなギャップを映し出す描写であったと思う。

 三時間二十二分という上映時間は実に盛りだくさんな内容をスクリーンに映し出した。のちに、運営が傾きかけた国民航空に他の民間企業から迎え入れられる国見会長と恩地の関係は実にいい。恩地にとっては、国見会長との出会いが、彼の長い長い国民航空勤務における黄金時代だったのかもしれない。

 とは言え、国見会長とは関係のないところで、国民航空と政治家たちとのどす黒い繋がりも見え隠れしている。すなわち本作は、国民航空という大企業の裏の裏側までしっかりと映し出しているのだ。そのためか、本作が公開されたあと、モデルとなった日本航空の社内報では、本作が批判されたらしい。これをフィクションと捉えるか、それとも現実と捉えるかは、鑑賞する側に委ねられているとは思うのだが、これだけドロドロしたものがはっきりと映し出されると、日本にはこういう企業もあるのではないかと頷いてしまう。

 一人の人間が企業に一生を捧げることは、一体どのようなことなのだろう。恩地のように、権力に惑わされることなく、常に自分に正直に生きるのか、それとも、エリートコースを目指した行天のように権力に寄生しながら生きるのか。本作は、企業で働く人たちに対し、企業における自分自身の在り方を暗に問い掛けているようにも思うのだ。

※皆さん、いつもたくさんの応援クリックをありがとうございます。m(__)m 長い長い作品ではありましたが、いくつもの山場があり、長さを感じることなく鑑賞することができました。ただ、何となくお金を掛けたテレビドラマを見ているような感覚もありました。内容が、あまりにもドロドロとし過ぎていたからかもしれません。

さて、今回も記事の中にボタンを埋め込ませていただきますが、どうぞよろしくお願い申し上げます。

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