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2009.12.29

仮面を外す

ハイスコアの記事に応援クリックしてくださった皆さん、どうもありがとうございます。m(__)m ちなみに、TOEICの試験を受け始めてからは、百二十五点ほどスコアがアップしています。また、次回のTOEICの試験は、派遣会社の主催するIPテストを受けようと思っています。おそらく、一年後の同じ時期には、再び割引制度が適用されるはずなので、そのときは公開テストを受けようと思います。

 天皇誕生日の前日、職場の忘年会が開催された。もともと私を含めた派遣社員たちは、職場の主催する行事には参加しないことが多かった。私自身も、大人数でワイワイ飲むよりも、少数の人たちとじっくり語り合いたいタイプなので、これまで参加を見送り続けていた。おまけに、五時起き生活が始まってからの私は、夜はすぐに眠くなってしまうことから、平日に企画された派遣仲間たちとのお食事会への参加も泣く泣くお断りすることになってしまっていたほどだ。しかし、最初は十九時からと定められていた忘年会の開始時間が十八時開始に繰り上がったため、一時は参加を見送っていた他の派遣仲間たちも参加することになり、開始時間が早くなれば私も参加できるのではないかと、私を一緒に誘ってくれたのだ。

 仕事を終えたあと、派遣仲間たちと待ち合わせて忘年会の会場へと向かった。会場に着いてみると、座敷ではなく、まとまったエリアのテーブル席に案内された。しかも、忘年会シーズンの真っ只中で、人数分のまとまった席を確保することができなかったのか、六名だけは少し離れたところにあるカウンター席に座ることになってしまった。私は、まとまったテーブル席に埋もれてしまうよりも、六名だけのカウンター席を選ぶことにした。私の周りには、派遣仲間のほかに、筋腫仲間の女性社員さんが腰を降ろした。

 やはり、最初はビールで乾杯した。私はかなりお酒を飲めるほうだが、普段はほとんど飲まない。かつては自宅で晩酌をしていたこともあったのだが、筋腫を患ってからはほとんど晩酌をしなくなった。とは言え、先日、出掛けた北海道で、とても気分が良かったので、ガンモと一緒に旭川で晩御飯を食べたときに、ジョッキに二杯のビールを注文して飲んだばかりだ。

 私が飲み会の席で最も苦手なのは、他の人たちのために料理を小皿に取り分ける行為である。しかし、私の前に大皿の料理がドーンと置かれてしまうと、大皿の料理から遠い人たちのために料理を取り分けずにはいられない。そこで私は、こうした行為がとても苦手であることを宣言した上で、ぎこちない手つきで大皿の料理をそれぞれの小皿に取り分け、他の人たちに配った。私は、飲み会に参加している人たちの小皿に料理を取り分けることよりも、料理が盛られた大皿そのものを他の人たちに回すほうが好きである。そのほうが、自分の意志で料理を選んで食べることができるからだ。それぞれが、自分の食べたい分だけ、自分の手で小皿に取り分ければいいのではないかというのが、私の基本的な考えである。私はもともと、何にしても、人に何かをしてもらうのがあまり好きではないのかもしれない。だから、自分があまり好きではないことを、他の人に対して実践することに対し、抵抗を感じてしまうのだろう。

 ところで、私の職場はとても静かな職場なので、仕事中のおしゃべりが極端に少ない。誰かと本格的に話をしようと思えば、女子トイレで顔を合わせたときに会話を始めるくらいだ。筋腫仲間の女性社員さんとも、トイレが重要なコミュニケーションの場となっている。そのため、いつ他の人たちが入って来るかと思うと、なかなか深い話には発展しない。しかし、今回の飲み会では、一緒に参加した派遣仲間たちといろいろな話をすることができた。

 夫婦の話になり、私たちが結婚してからずっと二人で一つのシングルベッドに寝ていることを話すと、比較的新しい派遣仲間に、
「自分には有り得へん」
と断言されてしまった。彼女には、お付き合いをしている男性がいるそうだが、彼女の状況をここに書いてしまうと、私の書いた記事から彼女自身を特定できてしまうことになるので、割愛させていただくことにする。

 お酒が進むと、少しずつ席の移動が始まる。宴もたけなわになり、私の席の隣にやって来たのは、三年ほど親会社に出向されていたものの、この春、無事に親会社での勤務を終えて戻って来られた男性社員さんだった。実は先日、鏡よ鏡の記事に書いた親会社の担当者の吐いた暴言に対し、その男性社員さんが勇気をもって意見されたのだ。私は、親会社の担当者が書いたメールを読んで、思わずカチンと来てしまったので、カチンと来た部分だけを引用して、プロジェクトメンバ全員が読んでいるメーリングリスト上で一言意見しようかと思っていたくらいだ。そのことで現在の派遣先を首になってしまったとしても、もはや仕方がない。これ以上、親会社の担当者の暴言を野放しにしてはいけないとさえ思ったほどだ。しかし、その男性社員さんは冷静に、まずは親会社の担当者が書いて来た別のことを引用した上でその質問に丁寧に答え、最後に、私が読んでカチンと来た部分を引用し、「でも、以下の発言は余計なのでは?」という書き出しで、その発言に対するこちらの状況を冷静に説明されていた。

 そのメールを読んだとき、私は実にお見事だと思った。人に意見するときは、その人が書いている別の発言をもしっかりと受け止めた上で話を進めて行かないと、意見される側は、自分の書いた言葉が受け止められなかったことに腹を立てる。それが、言葉尻を追う戦いにまで発展することもあるのだ。しかし、単に指摘したい部分の引用だけでなく、自分の書いた文章のすべてが丁寧に引用され、それに対する回答も含まれているメールに対しては、親会社の担当者も認めるしかないようだった。親会社の担当者は、その次のメールで私たちに対する謝罪の言葉を述べて来た。その中には、自分の言葉がこれほど影響力を持っているとは思っていなかったと書かれていた。すなわち、プロジェクトメンバが彼の発言に呆れて何も反応を示さなかったことが、かえって仇になっていたのである。

 私は飲み会の席で、あのメールは実にお見事だったと、男性社員さんに率直な感想を述べた。それを聞いた男性社員さんは、照れ笑いをしていた。三年間に渡り、親会社での勤務を終えられ、男性社員さんは人間的にも大きく成長されたと思う。そんなことも話した。

 一方、男性社員さんのほうは、私が以前よりも大人しくなったとおっしゃった。男性社員さんが親会社に出向される前までの私は、いろいろな人たちに意見したりして、活発に発言していたが、今の私はすっかり大人しくなってしまっているのだそうだ。それに対し、私は、
「以前は○○さん(かつての上司で、今は出世されて、別のプロジェクトの面倒をみている)と喧嘩しながら仕事をしていましたが、最近は喧嘩相手もいないので、大人しく見えるんじゃないでしょうか」
と答えた。それは、裏を返せば、現在の上司とはなかなか喧嘩ができないという意味でもある。

 そんなことを話しているうちに、以前の上司もやって来て、話に加わった。以前の上司曰く、私とは喧嘩をしているつもりはなかったそうだ。以前の上司はとても頭の切れる人で、社内でその上司に逆らう人は、私の他にはほとんどいなかった。つまり、私だけがその上司に逆らっていたのだ。何故なら、あまりにも頭が切れ過ぎるために、部下の気持ちを充分に理解していないように感じられたからだ。以前の上司は、頭の回転が速過ぎるからか、人の話を聞かずに自分で勝手に結論付けてしまうところもあった。そのことを再び指摘すると、
「今は、そのへんは改善されてますよ」
と以前の上司が言ったので、大笑いした。やはり出世されると、自分を客観的に見るチャンスに恵まれるのだろうか。

 あれこれ話をしているうちに、忘年会はとうとうお開きになった。私はそのまま、以前の上司や他の人たちと一緒に電車に乗り、帰宅した。以前の上司とはプロジェクトが異なってしまったために、しばらく話をしていなかったのだが、これまでと変わりなく話をすることができた。私は、以前の上司に、現在の部長の存在がとても遠いという話をした。現在の部長が赴任されてから、既に二年半ほど経っているのだが、以前の部長とのような心温まる交流がほとんど持てていない。以前の部長は、派遣社員に対しても、コミュニケーションの口が開かれていた。例えば、私の筋腫に関しても、しばしば気に掛けてくださっていた。しかし、現在の部長は、存在自体がとても遠い。それは、私自身が派遣社員だからそう感じてしまうのかどうかを、以前の上司に確認してみたところ、社員さんから見ても、現在の上司は遠い存在なのだそうだ。

 これまで飲み会を見送り続けて来た私だったが、今回の飲み会でいろいろな人たちといろいろな話をすることが出来て本当に良かったと思う。大人数でワイワイ盛り上がる飲み会が苦手であることには変わりがないが、こうして少人数にスポットを当てていろいろな話を聞くことができるのはとても面白い。普段はほとんど話をする機会がなくても、本当は心の中でどのように思っているのかが、飲み会の席では良くわかる。とりわけ、職場という無機質な場所で何らかの不満を抱えているとき、みんなが念入りに仮面をかぶっている職場においては、他の人たちも自分と同じように感じているかどうかを確認する手立てがない。飲み会の席は、かぶっている仮面をそれぞれが外す場所だったのだ。もしかすると、「仮面を外す」行為が、いつの間にか「羽目を外す」と表現されるようになってしまったのかもしれない。

※皆さん、いつもたくさんの応援クリックをありがとうございます。m(__)m 久し振りに参加した飲み会ではありましたが、実りがありました。大多数の席で埋もれてしまうのではなく、六名だけの席を選んだことが成功に繋がったようです。みんなそれぞれ精神的に成長しているのを感じます。来年の春で、私が現在の職場に派遣されてから丸八年になります。雇用情勢が厳しい中で、いつまで働き続けられるかわかりませんが、私としては、現在の職場に技術者としての骨を埋めるつもりでいます。(笑)

さて、今回も記事の中にボタンを埋め込ませていただきますが、どうぞよろしくお願い申し上げます。

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