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2009.10.19

映画『シービスケット』

高いプロ意識に脱帽の記事に応援クリックしてくださった皆さん、どうもありがとうございます。m(__)m たくさんの方たちから応援クリックを賜り、心より御礼申し上げます。そう言えば、かつて尼崎でJR福知山線の脱線事故が起こった日に、私は神戸で行われたスピッツのコンサートに参加しました。あれだけ大きな事故だったにもかかわらず、スピッツのメンバーは、コンサート中、脱線事故について一言も触れようとはしませんでした。大きな事故だっただけに、コメントするとコンサートの流れが大きく変わってしまうことを避けて、意識してコメントを差し控えたのかもしれません。

 今回、お届けするのは、八月十六日にDVDで鑑賞した作品のレビューである。レンタルDVDショップでは何度もタイトルを目にしていた作品である。一体どんな作品なのだろうと気になっていたので、レンタルDVDショップの店員さんのお勧めDVDとして挙げられているのにつられてンタルしてみることにした。しかし、店員さんがせっかく書いてくださったコメントも読まずに借りてしまい、自宅でDVDを鑑賞し始めてようやく、競馬の話だということに気が付いた。動物に対する私自身の特別な思い入れからすれば、人間の娯楽のために馬に鞭打つ競馬を扱った話は、できれば受け入れたくない分野の作品である。しかし、鑑賞しているうちに、普段の思い入れとは別のところで本作を受け入れていた。とは言え、必ずしも競馬を肯定するという意味ではない。人間と馬とパートナーシップのようなものを本作から感じ取ったのである。

 大恐慌時代のアメリカで、自動車のディーラーとして成功していたチャールズ・ハワードが、息子の事故死と妻との離婚という人生における大きな痛みを経験する。ハワードはその後、マーセラという女性と出会い、再婚する。マーセラには乗馬の趣味があり、ハワードはその影響で、シービスケットと呼ばれる荒くれ者の競走馬を購入することになった。ハワードにシービスケットを強く推薦したのは、調教師としては異端者扱いされていたカウボーイのスミスである。スミスは、怪我をしてくたびれてしまった競走馬を決して使い捨てない心の優しさを持っていた。ハワードはそんなスミスの優しさに触れ、自分の競走馬の調教を申し込んだのだ。

 荒くれ者のシービスケットの騎手として選ばれたのは、かつては何不自由なく暮らしていたものの、大恐慌のために生活苦に陥り、両親と離れ離れになって草競馬の騎手を目指していたジョニー・ポラード(赤毛なので、通称レッド)である。レッドはシービスケットと同じように、どこかに荒い気性を秘めていた。シービスケットは、スミスの調教とレッドのリードにより、のちに歴史に残る偉大な競走馬へと成長して行く。

 本作の中で最も注目すべきは、シービスケットをも含めた登場人物(シービスケットに限っては、人物ではなく馬)たちが、他者によって新たな可能性を見出されたことだ。例えば、前妻に出て行かれてしまったハワードは、マーセラによって新たな可能性を見出された。調教師として異端者扱いされていたスミスは、ハワードによって新たな可能性を見出された。荒くれ者のシービスケットも、そして騎手のレッドも、スミスとハワードによって新たな可能性を見出された。また、こうも言うことができる。異端者扱いされていた調教師のスミスは、シービスケットによって調教師との新たな可能性を見出された。それぞれが、ある環境においては見出されることのなかった可能性を、見出してくれる対象に出会うことができたのである。

 そういう意味で、彼らの出会いはそれぞれ運命的なものであったことだろう。だから、これまで手の付けられなかった荒くれ者の馬が立派な競走馬へと成長して行く。騎手のレッドも、シービスケットとのコンビで、騎手としての輝きを増して行く。可能性とは、相対的なものとして、常に誰の中にも秘められているものなのかもしれない。時期が来れば、秘められた可能性を見出してくれる人と運命的な出会いを果たし、互いに大きく成長して行く。

 シービスケットとレッドが怪我を負うという点において、シンクロしているところも興味深い。一時はどちらも競馬生命を絶たれたかのように見えたものの、素晴らしい回復力でどちらも見事に返り咲く。運命共同体のような強い絆が出来上がると、期待に応えようとするのだろうか。ここでも、互いに新たな可能性を見出し合ったことになる。

 映画『シービスケット』は、それぞれの可能性を埋もれさせることなく引き出し合い、家族のように密に関わりあった人たちの物語だった。私には、シービスケットがもたらしたいくつもの勝利よりも、シービスケットを通して密に結ばれた心の交流のほうがずっと価値があるように思えてならない。

※皆さん、いつもたくさんの応援クリックをありがとうございます。m(__)m 自分が受け入れられていると感じているときの回復力は目を見張るものがありますね。それぞれ、過去に受け入れられなかった経験が、受け入れられたときの絆を強くしていたのかもしれません。そう考えると、自分を受け入れなかった人たちもまた、自分にとって大切な役割を持っていることになりますね。

さて、今回も記事の中にボタンを埋め込ませていただきますが、どうぞよろしくお願い申し上げます。

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» 『シービスケット』 [erabu]
監督、ゲイリー=ロス。2003年米。原作、ローラ=ヒレンブランドのノンフィクショ [続きを読む]

受信: 2009.10.21 23:30

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