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2009.10.31

映画『火天の城』

ベッドに敷き詰めた漫画の記事に応援クリックしてくださった皆さん、どうもありがとうございます。m(__)m たくさんの方たちから応援クリックを賜り、心より御礼申し上げます。現在使用しているシングルベッドは、結婚後にガンモと一緒に選んだものです。結婚しても一つのシングルベッドに寝続けようと、わざわざシングルベッドを購入したのですね。そんな思い入れがあるものですから、手放したくない気持ちも大きいのです。

 本作を鑑賞したのは、公開されて間もない九月十六日のことである。普段は、この手の時代劇ものはほとんど鑑賞しないのだが、何か映画を鑑賞したいと思いながら金券ショップをのぞいたところ、本作の鑑賞券が格安で売られていたため購入したのである。

 主演の西田敏行さんというと、私の世代では、日本テレビ系で毎週日曜日に放送されていたテレビドラマ『西遊記』の猪八戒の役が大変印象深い。西田敏行さんは、どちらかというと三枚目のキャラクターを演じることが多く、本作のようにシリアスなキャラクターとはほど遠いイメージだったのだ。

 ところが本作での西田敏行さんは、たくさんの弟子たちを率いる優秀な宮大工、又衛右門を演じていた。琵琶湖を望む壮大な城を建てたいという織田信長が、三人の番匠たちに城の図面を描かせる。織田信長は、番匠たちにある条件を満たすように要求し、それを受けた番匠たちが図面争いをすることになる。いよいよ出来上がった図面を織田信長にお披露目する日がやって来た。又衛右門以外の番匠たちは、織田信長の要求を受け入れた図面を描いたのに対し、又衛右門は、織田信長の要求を受け入れずに自分なりの図面を描いていた。

 又衛右門は何故、織田信長の要求を受け入れなかったのか。その理由が明らかになったとき、私はとんちの一休さんが、子供を産みの親と育ての親の二人の母親に力まかせに引っぱらせて、自分のほうへ引き寄せたほうが勝ちとする勝負をさせたことを思い出した。本当に子供のことを思ったとき、両側から手を引っ張られて痛がる子供に苦痛を与え続けることはできないはずで、子供への愛情が深い母親ならば、思わず手を離して子供の苦痛を取り除こうとするはず。とんちの一休さんは、最初に決めたルールには従わずに、自ら手を離したほうの母親を本当の母親だと認めた。又衛右門もまた、織田信長の安全を願うあまり、織田信長からの要求を受け入れられなかったことがわかる。

 図面争いで見事に図面を採用された又衛右門は、私たちに更なる感動を与えてくれる。それは、お城を支える大きな木を、対立関係にある国へと出向いて行き、熱心な交渉の末、とうとう譲り受ける約束を取り交わしたことである。勇敢にも対立関係にある国へと出向いた又衛右門の業績から私たちが垣間見るのは、人は人と約束を交わすのであり、国と交わすのではないということである。国を一つの組織と考えると、対立関係にある国から城を支える大きな木を譲り受ける約束など、到底取り交わすことはできないはずだ。しかし、相手が組織ではなく一人の人間ならば、それも不可能ではないということだ。もちろん、約束を取り交わす人も、国という組織に属している以上、当時としては裏切り者扱いされるため、命の保証はない。それでもなお、城を支えるための大きな木が欲しいという熱意が相手に伝わる。つまりは、相手もまた、又衛右門と同じ夢を見たということなのだ。

 また、建築中に不具合の発生した城を、又衛右門の判断により、みんなで力を合わせて危機を乗り越えようとする姿も美しい。対立関係にある国から譲り受けた、城を支える大きな木を持ち上げ、少し削ってから元に戻すという大掛かりな作業を、女性たちまで自ら手伝い、みんなで力を合わせて実践するのだ。城造りを通しての一体感を感じた瞬間だった。

 しかし、このような苦労の末にようやく完成した安土城は、完成からわずか二年で焼失してしまったのだそうだ。何とももったいない話である。この仕事に情熱を注ぎ込んだ又衛右門の夢は叶ったものの、夢がそこで生き続けることはなかったということだ。

 城造りのプロセスを見守りながら、果たして、出来上がった城は誰のものなのだろうと私は思った。織田信長の命令で、番匠が図面を描く。そして、今度はその図面通りに城が構築される。城造りに情熱を燃やしたとしても、その城は自分のものにはならない。考えてみると、私が仕事で産み出しているソフトウェアも同じだ。時には残業を強いられながら、多くの時間を費やしてようやく作り上げたとしても、それは自分のものにはならない。その代わり、お金という代償を得る。仕事でものを造るということは、自分のためではなく、第三者のために動くということなのだろう。第三者のために動いた代償として、私たちはお金を得ているわけだ。それに対し、自分のために動くのは趣味だ。城造りという壮大なプロジェクトを通して、仕事とは何かについて、改めて考え直すきっかけになったように思う。

※皆さん、いつもたくさんの応援クリックをありがとうございます。m(__)m いつもの三枚目の西田敏行さんではなく、演技も真剣そのものでした。西田敏行さん演じる又衛右門は、優秀な宮大工でありながらも、多くの人たちに頭を下げ、安土城構築という壮大なプロジェクトを成し遂げました。現存している多くの歴史的な建物にも、きっとそれぞれのドラマがあるんでしょうね。これからは、歴史的な建物を鑑賞する視点が変わりそうです。(笑)

さて、今回も記事の中にボタンを埋め込ませていただきますが、どうぞよろしくお願い申し上げます。

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