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2009.10.05

映画『ノーボーイズ,ノークライ』

戦利品はアンティーク素材のペンダントの記事に応援クリックしてくださった皆さん、どうもありがとうございます。m(__)m 実は、戦利品は他にもあるのです。写真は掲載しませんでしたが、三百円で買ったポシェットといくつかの財布です。財布は、海外旅行に行くときに、日本で使っている財布をよりコンパクトにして持ち歩くために購入しました。ちなみに、私が普段、使っている財布は、診察券やポイントカードなども一緒に入っているため、パンパンに脹らんでいます。海外旅行に出掛けるときは、それらが必要ないので置いて行くのですが、海外旅行から帰って来ても財布を元に戻さずにそのまま過ごしてしまうので、思いがけないところで忘れ物をしたりします。(苦笑)

 私の映画鑑賞ノートによれば、本作を鑑賞したのは八月二十九日のことである。映画を観ようと思い立ち、携帯電話の映画サイトから、ピックアップしたいくつかの作品の簡単な紹介文を読んでいると、男性が、お金持ちの女性を連れて逃げ回るという説明のなされた本作に出会った。恋愛映画を期待していた私は、きっとこの二人が恋愛関係に陥るに違いないと思い込み、本作を鑑賞することにしたのである。

 ところが、実際に鑑賞してみると、私が期待したような甘く切ないラブストーリーではなかった。ラブストーリーというよりもむしろ、家族というテーマを背景に、男同士の友情が描かれた作品だったのである。ラブストーリーではなかったことで、すっかり当てが外れてしまったものの、まるで家族同然のように行動を共にすることで、男同士の友情がじわじわと築かれて行くプロセスは実にいい。

 本作は、日本と韓国の合作映画である。監督は韓国人、脚本家は日本人である。出演者も、日本人と韓国人の両方の俳優さんたちで構成されている。韓国から簡単な船でせっせと荷物を運ぶヒョングの役を演じているのはハ・ジョンウである。それに対し、ヒョングの荷物を毎回、引き取る亨の役を演じているのは妻夫木聡くんである。韓国語があまり得意でない亨は、電話で使う「もしもし?」に相当する「ヨボセヨ」を、ヒョングと対面したときに使っている。ヒョングにしてみれば、こういうときは「ヨボセヨ」ではなく、「こんにちは」を意味する「アンニョンハセヨ」を使うべきだと主張するのだが、ちゃんと亨に通じているのかどうかわからない。二人は、ヒョングが「おじさん」と慕う韓国人のボギョンのもとで働いている。ボギョンは、いわばヤクザで、ヒョングを使って韓国から密輸品を次々に運ばせているのだった。

 あるときヒョングは密輸品ではなく、人間を運ぶことになり、事態は一変して行く。ヒョングが運んだ人間とは、ボギョンを裏切った男性の娘だったのだ。娘は、ヒョングと亨に、「お父さんを見つけてくれたら、二人にそれぞれ五千万円あげる」と言う。その頃から、これまで口数の少なかった亨が急にしゃんとし始め、大金を得て幸せになるために、ボギョンを敵に回し、娘の父親探しを手伝うことになる。

 本作の中には、家族というテーマがチラチラと見え隠れしている。小さい頃に、母が弟を連れて家を出て行ってしまったヒョング。母が自分ではなく弟を選んだということで、ヒョングは自分が母に愛されなかったと思い込んでいる。一方、祖母や妹、妹の子供たちといった大勢の家族たちと一緒に生活している亨は、家族に対する不満を募らせていた。何故なら、祖母はアルツハイマーで手が掛かり、妹は結婚しているものの、ボギョンの手下である夫はほとんど家には寄り付かず、もちろん、子供の面倒もみない。しかも、三人の子供のうちの一人は難病を抱えている。そんな夫だからなのか、妹には貞操観念というものがない。例えどんな家族であっても、自分の側に居てくれさえすればいいと思っているであろうヒョングと、家族の存在がうっとおしいと感じている亨は対照的である。そんな大家族を抱える亨のもとへ、ボギョンに追われている娘とヒョングが転がり込むのだから、にぎやかにもなる。

 ヤクザのボギョンから逃れるため、彼らはこれまで住んでいた家を離れ、別の町で生活するようになるのだが、アルツハイマーの祖母は家に帰りたいと言い、子供たちはおもちゃを部屋の窓から投げて落としたりする。それらの負担がすべて亨にかかり、亨はまさしく噴火寸前の火山のような状態だった。

 そんなとき、町内でカラオケ大会が行われ、亨は日頃のうっぷんを晴らすためにカラオケ大会に飛び入り参加する。その様子を見ていた買い物帰りのヒョングがカラオケに加わり、ヒョングと亨の二人で『アジアの純真』を熱唱する。何とも言えないシーンである。

 ヒョングと亨が心を通い合わせるようになったのは、二人がカラオケという究極的な感情を体験したからではないだろうか。二人にとってのカラオケは、憂さ晴らしのためでもあると同時に、二人の真の友情をゼロからスタートさせるための大切な起点であったとも言える。

 カラオケのあとに二人の間に育つ絆は実にいい。もともとダーティな世界で出会った二人ではあるものの、互いに相手を気遣う気持ちが出て来る。そして、ついには、相手を守るために自分自身を犠牲にすることすら可能になる。人との密な結び付きを知らずに、いつまでもダーティな世界に生き続けるボギョン。亨をかばい、自分だけがボギョンの元へと向かって行くヒョング。そして、ボギョンに殺されかけたヒョングを必死で助けようとする亨。最後のほうは、ちょっと出来過ぎではないかと思われるシーンもあったのだが、対面したときに、電話で使う「もしもし?」に相当する言葉を投げかけられるがために、ヒョングに見下されていた亨とは明らかに別人になっていた。

 本作の定義では、ヒョングと亨は「ソウルメイトになった」ということになっているのだそうだ。同性のソウルメイトに関しては、私自身、出会ったことがないので良くわからないが、もしも彼らを「ソウルメイト」と呼ぶならば、あのカラオケ大会は、二人が「ソウルメイトになるための儀式」だったのかもしれない。

※皆さん、いつもたくさんの応援クリックをありがとうございます。m(__)m ヒョングを演じていたハ・ジョンウも、亨を演じていた妻夫木聡くんも、実力のある俳優さんだと思いました。ハ・ジョンウの、まったく計算されていないように見える演技は、天然のものなのでしょうか。また、妻夫木聡くんも、自らの人気に甘んじることなく実力で体当たりしていましたね。二人とも、それぞれの役になり切っていたので、役柄にまったく違和感がありませんでした。

さて、今回も記事の中にボタンを埋め込ませていただきますが、どうぞよろしくお願い申し上げます。

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