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2009.09.21

おじやで回復したおやじ(前編)

映画『走れ自転車』の記事に応援クリックしてくださった皆さん、どうもありがとうございます。m(__)m たくさんの方たちから応援クリックを賜り、心より御礼申し上げます。飛行機の中で鑑賞したときには、日本語の字幕が付いていたので、そのままDVDに焼き込んで、日本で販売されても良さそうなものですが、そうではないところが不思議ですね。また、日本では販売されていない韓国のDVDを鑑賞している方がいらっしゃるというのも驚きでした。

 すずらんの湯の帰り、私たちはお腹が空いていたので、ガンモの提案により、しゃぶしゃぶを食べることになった。私は肉類を積極的に食べたくはないのだが、以前、ガンモが利用してなかなか良いお店だったというので、私も一緒に入ることになった。そこは、九十分間、しゃぶしゃぶを食べ放題のお店で、お肉の他にも野菜やフルーツ、アイスクリームなどのデザートも揃っていた。お腹が空いていた私たちは、お腹いっぱいしゃぶしゃぶや野菜を食べて、デザートも口にした。

 その後、そのお店と同じ敷地内にある大型ショッピングセンターで買い物をしていたところ、ガンモがトイレに行きたいと言った。さきほどのしゃぶしゃぶのお店でもトイレを利用したらしいのだが、どうやらガンモはお腹が痛く、下痢をしているらしかった。大型ショッピングセンターでトイレを利用したあと買い物をして、カングーに乗り、ようやく帰路についたのだが、運転中もときどき小さな波が押し寄せて来たようで、ガンモは踏ん張りながら何とかカングーを運転して帰宅した。

 その日はいつも通り就寝したのだが、朝、私が仕事に出掛けるために五時に起きてみると、ガンモも私と一緒に起きて来た。
「早起きしてどうしたの?」
と尋ねると、
「トイレ。これで四回目だから」
と言う。寝ている間、私はまったく気付かなかったのだが、ガンモは下痢のために何度か目を覚まし、トイレに立っていたのだという。シングルベッドに寄り添って寝ているというのに、ガンモがトイレに立ったことにまったく気付かないなんて、私は鈍感としか言いようがない。とは言え、ガンモは私が目覚めないように気を遣ってくれたに違いなかった。

 「ちょっと熱もあるみたいだから、今日、病院に行って、点滴してもらうよ」
とガンモは言った。その言葉に安心した私は、仕事に出掛けて行った。

 午後になって、ガンモに電話を掛けてみたところ、ガンモは電話に出なかった。病院に行って、どのように診断されたのかを確認しておきたかったのだが、電話に出ないということは、まさか新型インフルエンザに感染していて隔離されているのだろうかとも思った。心配ではあったものの、電話が通じないのでどうすることもできない。そのまま仕事に戻り、しばらくして携帯電話の着信履歴を見てみると、ガンモからの着信履歴が残っていたので、私は慌ててガンモに電話を掛けてみた。

 蚊の泣くような声でガンモが電話に出た。仕事を休んで家で寝ているのだという。病院で検温したところ、何と、三十八.八度も熱があったそうだ。その後、点滴をしてもらったが、いつもはすぐに良くなるのになかなか良くならず、結局、仕事を休んで帰宅したのだそうだ。自宅の最寄駅に着いたときも、駅の駐輪場に自転車を預けてあるのに、タクシーに乗って帰宅したいほど体力がなかったそうだ。それでも、ガンモは何とか力を振り絞って自転車に乗って帰宅したという。まさか、ガンモは新型インフルエンザに感染してしまったのだろうか? 私は恐る恐るガンモに尋ねた。
「まさか、新型インフルエンザなの?」
するとガンモは、
「いや、違う。検査はしてないけど、医者には、何か悪いもの食べたからだろうと言われた。整腸剤と抗生物質を処方してもらった」
と言う。この時期、医師の診察を受けたならば、新型インフルエンザであるかどうかはちゃんと判断してもらえるのだろう。医師の口から、新型インフルエンザについて語られなかったのならば、ガンモは新型インフルエンザではないはずだ。

 私は、ガンモの症状が気になって仕方がなかったが、折しも仕事が九月半ばの納品を控え、とても大切な時期にあった。その日も残業になるかもしれなかったが、夫が熱を出したので帰宅しますとはなかなか言い出しにくかった。

 しかも、その日、勤務先のアドレスに届いたメールには、新型インフルエンザの感染拡大をを警戒して、家族も含めて三十八度以上の高熱を出した人がいる場合は、出勤してはいけないというルールが定められたことが記載されていた。医師の診察により、その家族が新型インフルエンザではないとわかった時点で自宅待機が解かれ、ようやく出勤できることになるという。もしも家族が新型インフルエンザに感染していた場合は、新型インフルエンザの潜伏期間を考慮して最大で二週間、自宅待機しなければならないという。更に、一緒に仕事をしている人たちも、最大で一週間、自宅待機を命じられることになるそうだ。

 私は、ガンモが医師の診察を受けて新型インフルエンザと診断されたわけではなかったにしても、ガンモが高熱を出したということを職場に報告したくなかった。大切な納品を控えた微妙な時期に一緒に仕事をしている人たちを混乱させたくなかったのと、無責任な警戒心から逃れたかったからだ。

 ありがたいことに、その日、私は残業することなく、帰宅することができた。私は、自宅近くの薬局で氷枕に替わるものとゼリータイプの栄養ドリンク、それから、水分が失われている人に効率良く水分を補給するためのドリンク、頭に貼って熱を冷ます冷却シートなどを買い込んだ。更に、自宅近くのスーパーで卵と菜っ葉を買って帰宅した。恐る恐る寝室に足を運んでみると、ガンモがベッドの上で布団にくるまって横になっていた。

 「ただいま。ガンモ、大丈夫?」
と声を掛けると、病院で処方してもらった薬が効いているのか、少しは楽になっているようだった。ガンモが、
「お腹が空いた。おじやが食べたい」
と言うので、おじやを作ることにした。お昼ご飯にバナナを食べただけだと言うガンモは、ひどくお腹を空かせていた。

 かつて、ガンモがこうして熱を出したときも、おじやを作ったところ、おいしい、おいしいと言いながら食べてくれた。私の作るおじやは、まず、お鍋にお水を入れてその中にご飯をパラパラと入れる。その上に、「温かいご飯に混ぜるだけ」というタイプの塩味の効いたわかめをまぶして、スーパーで買って来た菜っ葉を包丁で切って入れたあと、生卵を落として掻き混ぜて出来上がりだ。

 ガンモは、お替わりをするくらい、おじやをたくさん食べた。これだけ食欲があるのだから、きっと大丈夫だろう。そう思いながら熱を測ってみると、ガンモの熱はまだ三十八.一度もあった。それでも、病院で測ったときに三十八.八度だったというので、少しは下がっていることになる。病院で処方された薬を信じて、しばらく療養するしかないだろう。

 ところで、氷枕に替わるものは、わざわざ薬局で買わなくても我が家にあった。とは言え、冷凍庫に入れて冷やして使うものなので、いったん解けてしまうと替わりがない。おまけに、冷凍庫で六時間程度冷やしてから使うことになっていたので、私は慌ててそれらを冷凍庫に入れて冷やした。

 寝る前に再びガンモの体温を測ってみたところ、三十七.七度まで下がっていた。熱が下がって来たおかげで、次第に体力も回復して来たようである。その頃には、冷凍庫で冷やしておいた氷枕に替わるものも固まっていたので、布で包んでガンモの頭の下に敷いた。私自身は、熱が出たときには冷やさずに、むしろ厚着をして熱を身体から追い出してしまう。しかし、ガンモは冷やすのがいいらしい。おでこの上にも、薬局で買った冷却シートをペタっと貼った。

 幸い、ガンモは翌日はもともと休みの予定だという。ただ、熱は下がって来たものの、下痢はまだ収まっていないようだった。医師は、何か悪いものを食べたのだろうと言ったそうだが、そうだとすると、身体とはうまく出来ているものである。口の中から悪いものを出したいときは痰を出すために咳をして、排便により、悪いものを出したいときは、下痢をするのだ。だから医師たちは、人間が本来持っている力を活かすような処方をしなければ、人間が本来持っている機能がどんどん衰えてしまうのではないだろうか。

 翌朝、ガンモの体温を測ってみると、熱は三十六.八度まで下がっていた。順調に熱が下がって来ていたので、私は安心して仕事に出掛けて行った。

※皆さん、いつもたくさんの応援クリックをありがとうございます。m(__)m 何が原因で、ガンモが高熱と下痢に見舞われたのかは、未だに謎であります。ガンモは、「酵素浴で心臓がキューんとなって、免疫力が低下した途端、ウィルスに攻撃された」などと言っていますが、酵素浴に悪いウィルスがいたとしても、六十度の高熱では死滅してしまうのではないでしょうか。となると、食べ物が怪しいわけですが、私たちはほとんど同じものを食べていたので、私がガンモと同じ症状にならなかったことが不思議であります。

さて、今回も記事の中にボタンを埋め込ませていただきますが、どうぞよろしくお願い申し上げます。

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