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2009.08.07

コリニヨンの八百屋とカフェ・ド・ムーラン

パリの地下墓地カタコンブの記事に応援クリックしてくださった皆さん、どうもありがとうございます。m(__)m 肉はどんどん腐敗して行くのに、骨だけは三百年経っても残っているというのが、あるい意味、神秘ですね。ただ、積み上げられている人骨の中には、あばら骨はありませんでした。七百万体もの人骨を収納すると、場所を取ってしまうために、どこかで処分されたのかもしれません。

 いよいよパリ滞在の最終日がやって来た。「ガンまる日記」を書き上げたあと、大急ぎで荷物をまとめ、二日間お世話になったホテルを、チェックアウト時間の十二時ギリギリにチェックアウトした。十九時過ぎにシャルル・ド・ゴール空港を飛び立つ飛行機で日本に帰国することになっていたため、ホテルでスーツケースを預かってもらい、私たちは去年のやり残しを実践すべく、今回の旅における最後の目的地へと向かった。去年のやり残しとは、映画『アメリ』の舞台となったモンマルトルで、コリニヨンの八百屋で買い物をすることと、アメリの働いていたカフェ・ド・ムーランを確認することだ。

 私たちが宿泊していたGare du Nord周辺からモンマルトルまでは距離が近かったので、ホテル近くのヴェリブステーションで去年と同じようにヴェリブ(パリの貸自転車)を借りて、モンマルトルに向けて出発した。ご存知のように、フランスの自動車は右側通行なので、自転車も道路の右側を走る。しかも、歩道の上に自転車用の通路が設けられていることもあるが、ほとんどの場合は自動車と一緒に車道を走ることになるため、歩行者と一緒に歩道を走るのが一般的な日本とは違い、恐怖心が芽生える。それでも、メトロを何度も乗り継いで行くよりは、ヴェリブに乗って出掛けたほうがいいだろうということで、再びヴェリブに乗ってパリの街をスイスイ走ったのである。

 去年の記事にも書いたが、ヴェリブは三十分以内にヴェリブステーションに返却することが原則となっている。その繰り返しにより、一日わずか一ユーロ(日本円でおよそ百三十七円)で自転車を借りることができるのである。すなわち、三十分以内に返却し続けるならば、一日のうち何度借りても一ユーロしか掛からない。

 ガンモが地図を確認しながら私を誘導し、二人でモンマルトル周辺までやって来た。とは言え、モンマルトル周辺は坂道が多いので、ヴェリブで移動するよりも歩いたほうがいい。そこで、ヴェリブをヴェリブステーションに返却すべくヴェリブステーションをあちこち探し回ったのだが、なかなか見付からなかった。結局私たちは、ようやく見付けた目的地よりも少し先のところにあったヴェリブステーションにヴェリブを返却し、坂道の多いモンマルトルをてくてく歩き始めた。

 去年、モンマルトルを訪れたときに、コリニヨンの八百屋さんの場所を確認することはできたものの、夕方だったので、既にお店は閉まっていた。そのことが残念でならなかったので、今年、再びパリを訪れたのであれば、もう一度、コリニヨンの八百屋さんに足を運ぼうと思ったのだ。

 ガンモの案内でずんずん歩き、階段を昇ると、そこはコリニヨンの八百屋だった。店先には映画『アメリ』のポストカードや八百屋のポストカードが並べられている。ポストカードは、お土産にはちょうどいいと思ったのだが、ガンモが、
「お店のポストカードをプレゼントするなら、自分が撮影した写真をプリントしてプレゼントすればいいんじゃないの?」
と言ったので、なるほどと思い、伸ばした手を引っ込めた。

 そうなると、コリニヨンのお店に確かにやって来たという証が何か欲しい。そう思っていたところ、ゼリービーンズのようなお菓子が店頭に並べられていたので、それをいくつか求めた。そのお菓子のすぐ側には、コリニヨンのお店のイラストが描かれた小さな紙袋があった。日本では、お土産を複数買えば、購入した数分の小分け袋を入れてくれることもある。私はそれを期待して、いくつかのゼリービーンズもどきを手に持ち、中のレジへと進んだ。

 コリニヨンのお店のご主人なのか、それとも店員さんなのかはわからないが、あいさつをしてお会計を済ませると、お店の方は私が求めたいくつかのゼリービーンズもどきを、オレンジ色のナイロン袋にまとめて入れてくださった。「ええっ? コリニヨンのお店のイラストが描かれた小さな紙袋に入れてくれるんじゃないの?」と思ったが、フランス語で何と言えばいいかわからなかった。それに、買った数だけ、小さな紙袋をくださいと申し出るのも何だか図々しい気がして、私はコリニヨンのお店のイラスト入りの紙袋をもらえなかったことに肩を落としながらも店を出た。ガンモに、
「あの紙袋はもらなかった」
と言うと、ガンモもがっかりしていた。

 さて、あまり時間もないので気を取り直して、私たちはアメリが働いていたカフェ・ド・ムーランを目指した。ガンモが地図を見ながら歩き、間もなくお店の前に着いたのだが、そこは観光客を積極的に勧誘するようなお店ではなかった。確かに、映画『アメリ』を観た観光客が世界各地から訪れてはいるものの、観光客が店の前で立ち止まり、記念撮影をしていたとしても、お店の人に中に入らないかと勧誘されたりはしない。きっと、観光客よりも、地元のお客さんを大事にしているお店なのだろう。

 それでも私はお腹が空いていたので、ガンモに、
「ここでお昼ご飯を食べよう」
と提案した。しかしガンモは、お店の外の看板に書かれていたメニューがフランス語のみであることを理由に、
「メニューが良くわからないから嫌だ」
と言った。私は、せっかくここまで来たのに、お茶の一杯も飲まずにカフェ・ド・ムーランを去ってしまうことが心残りで仕方なかったので、何とかガンモを説得し、一緒に中に入った。

 ところが、お店の人は私たちが中に入ったことに気付いているはずなのに、メニューも持って来てくださらないばかりか、目も合わせてはくださらなかった。カメラを首からぶら下げているために、アメリ目的の冷やかしの客だと思われたのかもしれない。店内を見渡すと、アメリのポスターが貼られていたり、アメリが給仕をしている写真も額に入れられ、掲げられていた。ここがアメリの働いていた店だということをさりげなく主張はされているようである。

 私はそれにもめげず、何とかウェイターさんを捕まえて料理を注文した。注文したのは、良くわからなかったが、メインディッシュとパン、それからデザートが付いている、一人十四ユーロ九十セントのアメリセットだ。料理を注文してからは、ウェイターさんやウェイトレスさんも私たちの存在を認めてくださった。テーブルには、ランチョンマット代わりにアメリのイラスト入りシートが敷かれた。このシートは、一枚三ユーロで販売されているようだ。

 店内を見渡すと、常連さんと思える人たちが何人かいらっしゃった。マスターと親しそうに話しながら、カウンターでコーヒーを飲んでいる男性もいれば、机の上にパソコンや資料をいっぱいに広げて、パソコンに向かって何かしきりに打ち込んでいる人もいた。もちろん、観光客も次々にやって来る。カメラを持った観光客は、うれしそうに店内を撮影していた。

 映画『アメリ』の中で、激しいセックスシーンとして登場するトイレにも行ってみた。トイレには、映画『アメリ』の中で手紙を運んだドワーフとともにアメリのグッズが展示されていた。

 私たちが注文した料理は、ゆっくりと運ばれて来た。私たちはメインディッシュとともにパンをいただき、デザートを食べた。そして、席でお会計を済ませ、ほんの少しのチップをテーブルに残してカフェ・ド・ムーランを出た。ああ、これでもう、モンマルトルに思い残すことはない。

 時計を見ると、十五時半過ぎだった。これからヴェリブに乗って、地図を見ながらホテルまで戻る時間はない。そこで私たちは、カフェ・ド・ムーランの最寄駅Blancheからメトロに乗り、メトロを乗り継いで、再びGare du Nordまで出た。ホテルに戻って、預けておいたスーツケースを受け取り、今度はGare du NordからRER線に乗り、シャルル・ド・ゴール空港まで出た。去年のやり残しを完了させた達成感があるとは言え、パリを去るのは名残惜しい。私たちは、まだまだパリでやり残したことがあるように思えた。しかし、もう日本に帰らなければ。

 私たちは免税店で買い物をし、成田行きの飛行機に乗り込んだ。関西国際空港行きではなく、成田行きの飛行機を選んだのは、日本を立ったときに成田から出発したからではなく、夏休み最後のイベントが横浜で控えていたからだ。というわけで、帰国しても、私たちの夏休みはもう少し続くのである。

※撮影した写真のスライドショーを貼り付けておきます。なお、スライドショーが表示されない場合や、写真へのコメントをご覧になる場合は、コリニヨンの八百屋とカフェ・ド・ムーランをご覧ください。

※皆さん、いつもたくさんの応援クリックをありがとうございます。m(__)m 今回は、パリに二泊しかしなかったので、去年のやり残しは完了させたものの、パリを立つときは、やはり後ろ髪を引かれる思いでしたね。景気もあまり良くないので、来年の夏休みの旅行は実現させられるかどうかわかりませんが、もしもまたパリを訪れることがあるならば、今度はもう少しフランス語を勉強して行かないと、パリの人たちに失礼な気もします。英語を話してくださったパリの皆さんに感謝です。(苦笑)

さて、今回も記事の中にボタンを埋め込ませていただきますが、どうぞよろしくお願い申し上げます。

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