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2009.08.02

「パトラッシュ、ボクはもう疲れたよ」

小便小僧と小便少女、そしてムール貝の記事に応援クリックしてくださった皆さん、どうもありがとうございます。m(__)m たくさんの方たちから応援クリックを賜り、心より御礼申し上げます。とても励みになっています。とあるサイトからの情報によりますと、小便小僧の顔抜きがあるのだそうです。(顔抜きがどのようなものであるかについては、顔抜きのはなしをご覧ください)しかも、小便小僧の顔抜きは、顔だけでなく、性器も出せるようになっているとか。むむむ、これは見逃してしまいました。(苦笑)

 前日の夜、二十時頃に就寝したためか、三時半に目が覚めてしまった。途中、起きて三十分くらいガサゴソしていたので、合計七時間くらいは眠ったことになる。いったん目覚めたときに、「ガンまる日記」を更新しておきたかったのだが、どうにもこうにも眠気と疲れに勝てず、再びベッドに倒れ込んだ。三時半に目覚めたあと、じっくりと「ガンまる日記」を書き上げ、ホテルのカフェで朝食バイキングを食べた。

 外はあいにくの雨だった。朝食のあと、準備を整えて私たちが向かったのは、アントワープである。アントワープは、ブリュッセルからベルギー国鉄に乗っておよそ四十分のところにある。アントワープはベルギーでブリュッセルの次に大きな都市で、私たちが利用した航空会社によって運行されているアムステルダムのスキポール空港からブリュッセルまでの無料バスを利用したときも、その無料バスがアントワープに停車したくらいだ。

 ベルギー国鉄に乗るために、私たちはホテルの最寄駅から地下鉄に乗り、ベルギー国鉄の乗り換え駅にやって来た。そこでベルギー国鉄の十回回数券を購入し、アムステルダム行きの列車に乗り込んだ。EUの加盟国同士は、パスポートの提示なしに自由に行き来できるため、運行されている列車も国をまたいでいる。もしも日本が韓国や中国と陸続きならば、パスポートの提示なしで韓国や中国に自由に行き来できるようなものだ。

 列車はヨーロッパには多いテーブル付きの席だった。私たちが乗り込んだ直後は利用者が少なかったのだが、発車直前になるとたくさんの人たちが乗り込んで来た。アムステルダム行きの列車ということで、スキポール空港に向かう人たちも多かったのかもしれない。大きな荷物を抱え、国際色豊かな乗客で溢れ返っていた。およそ四十分後に私たちがアントワープで降りると、やはり大きな荷物を抱えている人たちがたくさん、私たちの降りた列車に乗り込んで行った。

 アントワープの駅は、荘厳な感じのする大きな駅だった。ダイアモンドが名産品らしく、駅前にはダイアモンドを扱うたくさんのお店が立ち並んでいた。

 ちょうどお昼どきだったので、駅前にあるマクドナルドで昼食をとった。日本では見掛けないような四角いハンバーガーが販売されていたので、注文してみた。思ったよりもボリュームがあったので、朝食をたっぷり食べていた私は食べ切ることができず、捨ててしまうのももったいないので、ポテトと一緒に入れ物に入れて夕食のために持ち歩くことにした。

 マクドナルドを出たあと、大きな通りを歩き、ひとまずアントワープ出身の画家、ルーベンスの家を見学した。記事が長くなってしまうので、ルーベンスの家に関しては、帰国後にじっくり綴らせていただくことにしよう。

 ルーベンスの家でお土産を買い、ショップを出ると、外で待っていたガンモが血相を変えて、
「えらいこっちゃ、あと三十分で大聖堂が閉まってしまう! 大聖堂に行けなかったら、何のためにアントワープに来たかわからない」
と言うではないか。あまりにも慌てふためくガンモにつられて時計を見ると、十五時半だった。

 実は、私たちがアントワープまで足を伸ばしたのは、「フランダースの犬」のネロ少年がルーベンスの絵を見たい一心で辿り着いたものの、とうとう命尽きてしまったノートルダム大聖堂を訪れるためだった。まだまだ時間があるだろうと思い、ルーベンスの家でのんびりくつろいでいたところ、ガイドブックに記載されていたノートルダム大聖堂の閉場時間まであと三十分しかないという状況に陥ってしまったらしい。しかも、ルーベンスの家からノートルダム大聖堂までは、歩いて二十分ほど掛かるという。

 私たちは、早歩きで目的のノートルダム大聖堂へと急いだ。しかし、既にあちこち歩き回ってひどく疲れている上に、私は生理の二日目で、しかも大きな筋腫をかばいながら歩くことになるので、どんなに急いでもゆっくりしか歩くことができなかった。ガンモは途中で何度も振り返りながら私の先を歩いていた。ガンモが焦っている様子は私にも良くわかる。わざわざベルギーまでやって来て、しかもアントワープまで足を伸ばしたというのに、ノートルダム大聖堂の中に入れないなんて、そんな悔しいことはない。私は苦痛に顔を歪めながら歯を食い縛り、一生懸命歩いた。

 しばらく歩くと、目の前に大きな建物が見えて来た。あれがノートルダム大聖堂に違いない。私はガンモよりも遅れを取りながらも必死で歩き続け、ようやくノートルダム大聖堂の前まで辿り着いた。私が入口から入ろうとすると、先を歩いていたはずのガンモが慌てて私のいる入口付近までやって来た。どうやらガンモは、あまりにも慌て過ぎて、ノートルダム大聖堂の入口を通り過ぎてしまったようだ。私はガンモよりも冷静に入口を探していたので、途中に掲げられていた入口の場所を示す案内板を見逃さなかったのだ。

 大急ぎで移動したので、私たちはルーベンスの家からおよそ十分余りでノートルダム大聖堂に着いた。時計を見ると、閉場時間まであと十五分あまりあった。受付で入場料を支払うと、
「十七時までですが、よろしいですか?」
と言われ、閉場時間が十六時だと思い込んでいた私たちは拍子抜けした。ガイドブックに記載された情報が間違っているのか、それとも夏の間だけ特別に延長されているのか、ガイドブックに記載されている閉場時間よりも一時間延びて十七時閉場だという。私たちは、もちろん、
「了解しています」
と答えて入場した。

 ノートルダム大聖堂には、世界各地からたくさんの観光客が訪れていた。ネロが見たがっていたルーベンスの絵は、「キリスト昇架」と「キリスト降架」である。ネロはもともと同じくルーベンスの描いた「聖母被昇天」を見て、ルーベンスの作品に心惹かれていたらしい。この「聖母被昇天」は、ノートルダム大聖堂の祭壇中央に展示されていた。そして、「キリスト昇架」と「キリスト降架」は、中央の祭壇を挟んで左右にそれぞれ展示されていた。ネロはこれらの絵の前で命尽きてしまったようだが、実際、二つの絵には距離があったので、どちらの絵の前で命尽きてしまったのかは「フランダースの犬」を鑑賞し直してみないとわからない。

 ネロがルーベンスの絵の前で命尽きてしまったように、私自身もまた、歩き疲れてこれ以上は動けないという状況だった。今なら、「パトラッシュ、ボクはもう疲れたよ」とネロが言った気持ちも少しは想像できる。ネロがルーベンスの絵を見たい一心でノートルダム大聖堂に足を運んだように、私たちもまた、子供の頃に見ていた「フランダースの犬」の主人公であるネロが命尽きた場所を訪れたい一心でノートルダム大聖堂を目指した。そういう意味で、子供の頃に感動した作品に関わる場所を実際に訪れることができたのは、実に感慨深いものがあった。

 とは言え、「フランダースの犬」は、本国ではそれほど人気の高い漫画ではないらしい。もともとイギリス人の原作によるものらしく、現地の人からすれば、生活に困っている子供を決して放置したりしないという反感を抱く作品となっているようだ。

 日本人観光客向けなのか、ノートルダム大聖堂の前の広場には、日本のTOYOTAが寄贈したネロとパトラッシュの碑が設置されていた。碑といえども、ベンチとして使用されているようで、私が訪れたときも西洋人の女性が腰を降ろしていた。写真を撮りたいのでちょっとどいてくださいとも言えず、無言で撮影した写真の中には、その女性のお尻の一部が写り込んでしまった。

 ノートルダム大聖堂の中には、他にもいくつかの宗教画が展示されていた。これらの絵を鑑賞すると、昔と今の時間の進み方はまったく異なっていたのだと実感する。著名な画家たちは、こうした絵を何年も掛けて仕上げているようだ。時間を掛けてじっくりと描き上げられた作品の前に立つと、本当にため息しか出て来ない。だからだろうか。こうして時間を掛けてじっくりと描き上げられた作品は、二百年以上経った今でも、世界中の人々に鑑賞され続けている。

※撮影した写真のスライドショーを貼り付けておきます。なお、スライドショーが表示されない場合や、写真へのコメントをご覧になる場合は、「パトラッシュ、ボクはもう疲れたよ」をご覧ください。

※皆さん、いつもたくさんの応援クリックをありがとうございます。m(__)m またしても更新が遅くなり、申し訳ありません。日本とベルギーには七時間の時差があり、日本のほうが一足早く朝を迎えます。夜のうちに更新できると、皆さんにいち早い情報をお伝えできるのですが、毎日精力的に歩き回っているため、夜はホテルに帰ると沈み込むように眠ってしまいます。たっぷり睡眠をとったあと、ベルギーの早朝に起き出して、更新の準備を始めるのですが、こちらは早朝でも、日本では既にお昼過ぎだったりします。その日に撮影した写真の整理をしているうちに外が明るくなるので、ホテルで朝食をとり、出掛ける前に記事に仕上げを入れてアップすると、日本ではもう夕方になってしまっているというわけです。というわけで、毎日遅い更新になってしまいますが、根気強くお付き合いくだされば幸いです。

さて、今回も記事の中にボタンを埋め込ませていただきますが、どうぞよろしくお願い申し上げます。

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