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2009.07.07

映画『ぼくの大切なともだち』

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 劇場で予告編を見て気になっていたにもかかわらず、劇場公開中に見逃してしまったので、DVDで本作を鑑賞した。やはり、予告編で気になっていただけあって、実に見応えのある作品だった。一体誰の監督作品なのだろうと思い、調べてみると、何と何と、パトリス・ルコントだった。とは言え、私はパトリス・ルコントの監督作品をそれほどたくさん鑑賞しているわけではない。せいぜい、映画『髪結いの亭主』と映画『サン・ピエールの未亡人』、映画『親密すぎるうちあけ話』くらいである。しかも、映画『髪結いの亭主』を鑑賞したとき、多くの映画ファンたちが絶賛しているというのに、妻の意外な選択に、私は一人で置いてけぼりにされたような気持ちになったものだった。当時の私は、映画と現実の世界を同列に見てしまい、肩の力を抜いて、映画を映画として鑑賞することができなかったのだ。そんな私も、場数を踏むことにより、おかげさまで少しずつ余裕で映画を楽しめるようになって来た。

 本作は、映画を映画として鑑賞しなくても良い作品である。中年の美術商フランソワが、自分の誕生パーティの席で、自分の葬儀に参列してくれそうな友人が一人もいないことに気付く。みんな、一見友達のようでいて、利害関係のある知人たちばかりだったのである。ショックを受けたフランソワは、その席で美術商の女性パートナーの提案に同意し、十日以内に親友を探し出すという賭けをする。やがてフランソワは、人当たりのいいタクシー運転手ブリュノに出会う。オープンな性格で、友達の多そうなブリュノに、フランソワは友達の作り方を教わることになる。

 いわば本作は、「親友探しの旅」と言っても過言ではないだろう。恋人や配偶者というと、告白などといった宣言から始まるので、ある程度、関係性を見出しやすい。しかし、友達はどうだろう。「友達だよね」と互いに確認し合ったり、「私たち、親友よね」などという会話を交わさないだけに、相手も自分と同じ気持ちでいてくれるかどうかを確かめるのは、少々怖い気がする。また、友達の場合、最初から多対多の関係を結んで行くので、「親友」という言葉で相手を縛りたくないという気持ちもあるだろう。

 高校生のとき、何かの授業中に、
「親友がいる人、手を挙げて」
と先生に聞かれ、ひどく戸惑ったのを覚えている。私が親友だと思っている友人は、同じように私のことを親友だと思ってくれているのかどうか、とても不安だったのだ。気持ちを確かめ合う男女の場合は、このような不安はないだろう。もちろん、友人から入った恋愛でなければの話だが・・・・・・。

 そんな経験から、自分の誕生日に多くの人たちの目の前で、
「親友はいるか?」
と尋ねられたフランソワの戸惑う気持ちが良くわかる。

 タクシー運転手のブリュノに力を借りながら、親友探しを続けて行くフランソワだったが、やがてフランソワとブリュノの間にただならぬ友情が芽生えて行く。しかし、その先には、せっかく築き上げた友情に対する裏切りも・・・・・・。真の友情とは何かと問われたときに、裏切りに対する絶望感を乗り越えることができるかという追試まで用意されているのだ。そして、その追試を乗り越えてこそ、初めて親友と認識することができる。

 確かに、私自身の経験からもそうだ。まだ一度も喧嘩をしたことのない友人を、友人と呼ぶには少々くすぐったい。また、友人たちの多くは私のことを「まるみちゃん」とか「まるみさん」、「まるみ」、あるいは「まるみん」と呼んでくれているが、中には仕事を通じて知り合った仲間たちのように、苗字で呼んでくださっている人たちもいる。そういう人たちとの間には喧嘩は成立せず、故に、まだまだ乗り越えていないものがたくさんあるように思う。だからこそ、大喧嘩をしても仲直りをして交流を深めて来た友人たちの存在は貴重である。

 映画『サン・ピエールの未亡人』を鑑賞したとき、ルコントの作品は実に繊細だと思った。本作もまた、男同士の友情が繊細に描写されている。一見、たくさんの友人たちに恵まれていそうなブリュノにさえ、心の中に闇があった。社会の中で生きて行くということは、そうした心の闇を上手に隠しながらやり過ごすことなのかもしれない。しかし、心の闇を隠したままでは親友に出会うことはできない。オープンな入口を作り、勇気を振り絞って相手に向かって行ったり、考え方の異なる相手を受け入れたりする姿勢が必要だ。美術商という、ビジネスも成功し、利害関係で結ばれた知人ならたくさんいるはずのフランソワが、利害関係のない親友に出会うプロセスを見届けると、「ああ、いい映画を鑑賞したなあ」という満足感でいっぱいになるのである。

※皆さん、いつもたくさんの応援クリックをありがとうございます。m(__)m 映画『サン・ピエールの未亡人』もそうでしたが、ルコントの作品は深いですね。「友達」という身近なテーマを深く掘り下げた作品だと思います。同性の友人に好意を示すことがちょっぴりくすぐったい私には、「友達とは何か?」、「親友とは?」ということについて、改めて考える良い機会になりました。

さて、今回も記事の中にボタンを埋め込ませていただきますが、どうぞよろしくお願い申し上げます。

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