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2009.05.28

映画『ミルク』

上海から届いた千枚のマスクの記事に応援クリックしてくださった皆さん、どうもありがとうございます。m(__)m たくさんの方たちから応援クリックを賜り、心より御礼申し上げます。新型インフルエンザに対し、神戸市長が「ひとまず安全宣言」を出しましたね。「ええっ? 私の手元に残った大量のマスクは一体どうなるの?」と思ってしまった私であります。(苦笑)

 この映画もやはり、一ヶ月ほど前に鑑賞したのだが、こうして一ヶ月遅れのレビューを書かせていただいている今もなお、劇場公開中であるのは光栄なことである。ミルクのことを、思わずミルコを呼んでしまいそうになるのは、おそらく過去に映画『ミルコのひかり』を鑑賞しているからだろう。このレビューも、ミルクをミルコと誤記してしまわないように気をつけなければならない。

 一九七二年、ハーヴィー・ミルクは四十歳の誕生日を目前にして、自分より二十歳も年下の青年スコットと出会い、恋に落ちる。そう、ミルクはゲイだったのだ。ミルクとスコットが出会った当時、ゲイが一般的だったかどうかはわからないが、映画の中で、二人はただ、地下道ですれ違おうとしただけのようにも見て取れる。それでも二人は、瞬時のうちに互いに相手が何者であるかを見抜き、運命的とも言えるような出会いを果たしたのだ。

 間もなく二人は同棲し始めるのだが、やがてサンフランシスコに住居を移し、小さなカメラショップを経営し始める。実はそのカメラショップが、のちにゲイの社交場的な役割を果たすようになる。もちろん、自由なサンフランシスコといえども、同性愛者を快く思わない人たちもいる。そしてミルクは、あたかも同性愛者が世の中の弱者ではないことを証明するかのように、サンフランシスコ市政執行委員選挙に立候補するのだ。

 ミルクを演じているのは、私生活で妻と別居し、ナタリー・ポートマンとの恋の噂が立っていたショーン・ペンである。のちに、妻との別居は解除されたようなので、ナタリー・ポートマンとは破局してしまったのかもしれない。そんなショーン・ペンは、本作の中でも既成概念にとらわれることのないミルクの役を好演していた。

 本作の中で、私が特に気になったのは、ミルクの恋人役のスコットを演じていたジェームズ・フランコである。彼はこれまで、映画『スパイダーマン』シリーズに出演したりしている。また、映画『トリスタンとイゾルデ』では、トリスタン役を演じていた。

 ミルクが政治活動を始めた頃から、ミルクとスコットの関係はぎくしゃくしてしまうのだが、やがてスコットがミルクとの同棲生活を解消したことから、二人はもともと対等な関係にあったのだろうと推測される。何故なら、スコットと別れたあとのミルクの新しい恋のお相手は、ミルクと依存の関係にあったからだ。

 とは言え、例え別れてしまったとしても、本当の絆は見えないところでまだしっかりと結ばれている。だから、以前のように特別親しい間柄ではなかったとしても、ミルクの側には当たり前のようにスコットが寄り添っていた。そのことを思うと、目頭がふっと熱くなる。私には、二人の間に通っていたものが、真の愛情であったような気がしてならないのだ。

 ミルクを取り囲む人たちは、ミルクの魅力に惹かれ、どこからともなく集まって来た人たちだ。あるとき、道行く青年にミルクが半ば強引に声を掛けるものの、最初のうち、青年はあまりミルクの政治活動には興味を示さない。しかし、のちにその彼がミルクの政治活動に積極的に加わるようになり、ついには中心的存在となるのだ。おそらく、政治活動に消極的だった人の心を動かすほどの魅力が、ミルクにはあったのだろう。

 やがてミルクは、ある人物に暗殺されてしまう。その暗殺は、ミルクの生い立ちを知らない私にとって、衝撃的な結末だった。ミルクには、同性愛を反対する有識者など、もっとたくさんの敵がいたはずではなかったのか。それなのに何故、その人物がミルクに銃を向けたのか? そんなやりきれない気持ちでいっぱいだった。そして、エンドロールでは、本作に登場した人たちの実際の顔写真が流れる。もちろん、その中にはスコットもいた。

 私には、同性愛に対する偏見はない。しかし、自由な国アメリカでさえ、ミルクが政治活動を繰り広げていた当時は、同性愛主義者が肩身の狭い思いを抱かなければならない状況にあったようだ。そういう時代に地下道で出会い、紆余曲折を繰り返しながらも長い間、一緒に寄り添いながらともに生きて来たミルクとスコット。本作は、二人の愛の物語と言っても過言ではない。

※皆さん、いつもたくさんの応援クリックをありがとうございます。m(__)m ハーヴィー・ミルクの生涯は、過去にドキュメンタリー映画にもなっているようです。こちらもあわせて鑑賞しておきたいものです。それにしても、アメリカには本当にこのような政治家が存在したのですね。心に残るものが大きい映画でした。

さて、今回も記事の中にボタンを埋め込ませていただきますが、どうぞよろしくお願い申し上げます。

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