映画『ファニーゲーム U.S.A.』
※物事を限定しない、宙に浮いたふわふわした言葉の記事に応援クリックしてくださった皆さん、どうもありがとうございます。m(__)m たくさんの方たちから応援クリックを賜り、心より御礼申し上げます。物事を限定しない、宙に浮いたふわふわした言葉を発しているときは、脳の働き方がいつもとは違っているように思います。思考が深くなっているのに、言葉は自由意思を持ってふわふわと浮かんでいるといった感じですね。

この映画が日本で最初に公開されたのは、去年の十二月二十日のことであったらしい。私が劇場で鑑賞したのは、二月の終わりのことだった。劇場で何度か予告編を観てはいたものの、この映画がミヒャエル・ハネケ監督自身の手でセルフリメイクされた作品であることは、映画を鑑賞したあとに知った。
夏のバカンスを過ごすため、ある家族が別荘にやって来る。ティム・ロス演じる夫のジョージとナオミ・ワッツ演じる妻のアン、それから二人の息子の三人である。彼らが別荘で過ごすのは、毎年恒例のことなのだろう。別荘へ向かう途中、彼らは近くの別荘で過ごしている人たちとあいさつを交わす。しかし、近くの別荘に住む人たちは、どこか様子が変である。
別荘に着き、荷物を降ろして夕食の準備を整えていると、さきほど近くの別荘で過ごしている人たちと一緒にいたピーターと名乗る若い男性が彼らの別荘にやって来る。ピーターは、夫妻があいさつを交わした近くの別荘の住人が卵を切らせてしまったので、卵を分けて欲しいと言っていると、近くの別荘の住人の遣いでやって来たのだ。
ところがこのピーターがひどい曲者で、一見、礼儀正しく見えるのだが、アンがせっかく冷蔵庫から出して渡した卵をうっかり落として割ってしまったり、また、アンの携帯電話を台所の流しの中に水没させてしまったりする。更には、アンが替わりの卵を用意して渡しても、再び割ってしまうという始末である。とにかく、見ているだけでもイライラして来るのだ。
さすがのアンも怒りを感じてピーターを追い返すと、ピーターは仲間のポールという若者を連れて戻って来た。アンが二人の若者に対して怒りをむき出しにしているところへ、別荘近くの湖でヨットを操作していた夫のジョージと息子が帰って来た。ジョージとしては、アンが一方的に怒っているかのように見えたので、ひとまず二人の若者たちの肩を持つのだが、やがてアンが何故、若者たちに対して厳しい態度を取っているのかを理解することになる。しかし、「時既に遅し」といったところだろうか。間もなくゲームが始まった。そのゲームとは、翌朝までにこの家族が全員生き延びていられるかどうかという殺人ゲームである。
二人の若者は白いシャツを着て、手には手袋をしている。何故手袋をしていたのだろう。今になって思えば、指紋を残さないようにするためだったのかもしれない。とにかくこの二人が曲者で、彼らの話を聞いているだけでもイライラして来る。相手がどんな態度に出ようとも、相手の失点を執拗に追求し、そこに付け入って来るのだ。こうした展開は、映画を冷静に鑑賞しているうちに、反撃するチャンスを見出せるものだが、脚本が完璧なのか、イライラが絶頂に達するにもかかわらず、三人家族と同じように彼らにすっかりペースを奪われてしまう。だから、イライラしながらも、三人家族が彼らの言いなりになっているのを黙って見守るしかなかった。
その後も二人の若者は、一見、礼儀他正しく見えるものの、常に自分たちのペースでことを進め、三人家族の自由意思を執拗に奪い続ける。最初にジョージが彼らにゴルフクラブで足を強打されたことは、のちの展開に大きな影響をもたらす。ジョージの傷は思いのほか深く、それ以来、ジョージは身体の自由を失ってしまうのだ。もしもジョージが足を怪我していなかったら、家族が若者二人の言いなりになることもなかったのかもしれない。
便利なはずの携帯電話も、ピーターに水没されてしまって使えない。近所の別荘に住む人も、事情があって、助けてはくれない。とにかく最初からさいこまでイライラさせられっぱなしだが、鑑賞する側としては、何とかして三人家族に助かって欲しいと願う。そしてその結末は、あたかも物語の冒頭を思い起こさせるような終わり方だった。何故、近くの別荘で過ごしている人たちとあいさつを交わしたとき、近くの別荘で過ごしている人たちの様子が変だったのか・・・・・・。つまり、若者たちはターゲットを変えて、同じことを繰り返していたわけだ。
全体を通して残酷なシーンが淡々と繰り広げられるのだか、この映画を通して監督が表現したかったのは、人間の持つ残酷さではないように思える。おそらくだが、監督が表現したかったのは、付け入ることのできないほど完璧な台詞が観客にもたらすイライラ感なのだろう。
※皆さん、いつもたくさんの応援クリックをありがとうございます。m(__)m 神経を逆撫でされるような作品でしたが、完璧とも言える展開にうなりました。ピーターとポールは、家族に付け入る隙を与えないばかりか、私たち観客に対しても付け入る隙を与えなかったのですから。ここまで不快で完璧なキャラクターを良くも生み出したものだと感心してしまいました。
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