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2009.04.10

映画『ホノカアボーイ』

春の城崎温泉(2)の記事に応援クリックしてくださった皆さん、どうもありがとうございます。m(__)m 急に本格的な春がやって来ましたね。温泉とお花見がセットになっているなんて、ちょっぴり贅沢ではないでしょうか。ただ、城崎温泉の桜は、桜の木の下にござを敷いて、みんなで座って楽しむという雰囲気ではありませんでした。この時期、露天風呂から桜が見えれば最高なのでしょうが、なかなかそういうわけにも行きませんね。(笑)

 この映画を鑑賞したのは、ほんの軽い気持ちからだった。劇場で、この映画の予告編を何度か観てはいたものの、特別惹かれるような作品には思えなかった。予告編の記憶が頭の片隅に残っていて、「そう言えば、そろそろあの映画が公開されているはずだから、観てみようか」くらいの軽い気持ちから鑑賞に至ったのだ。ところが、実際に鑑賞してみると、思いのほか感動し、早くこの映画のレビューを書いて、「ガンまる日記」を読んでくださったいる皆さんにこの映画の素晴らしさをご紹介したくてたまらなかった。とは言え、既に鑑賞している他の作品のレビューも書いておきたかったし、上海の出来事も綴りたかった。プールの中を歩くような気持ちで毎日を過ごしながら、ようやくこの作品のレビューを綴ることができる喜びを感じている。

 ハワイ島のホノカアという町に大学を休学してやって来た青年レオは、ホノカアの小さな映画館で映写技師として住み込みの仕事を始める。レオを演じているのは、映画『ハルフウェイ』で早稲田大学を目指していた岡田将生くんである。ということは、彼は早稲田大学に受かり、早稲田大学を休学してホノカアにやって来たのだろうか。もともとレオがホノカアにやって来たのは、恋人と一緒に「伝説の虹」を探してこの町に迷い込んだことがきっかけだった。その恋人との引力は弱かったのだろう。恋人には振られ、レオはたった一人でホノカアにやって来た。

 レオがホノカアで出会う日系人は、個性に溢れている人たちばかりだった。口数の少ない映画館の映写技師トム、松坂慶子さん演じるエデリ、喜味こいしさん演じる、日本人女性の裸の写真でなければ欲情しないコイチ、正司照枝さん演じる床屋の女主人みずえ、そして、倍賞千恵子さん演じる、レオが働く映画館の売店に手作りのお菓子を卸しているビーさんである。レオと日系人の彼らとの交流が、実にほのぼのと描かれていてとても気持ちがいい。大きな映画館で上映されている作品の多くは、ダイナミックなストーリー性に細かな人間描写が潰されてしまいがちだが、この作品は大きな映画館で上映されているにもかかわらず、ミニシアター系映画館で上映されている作品のように繊細な人間描写が実現されていた。そのため、鑑賞中、とても静かに時間が流れ、私たちの胸に映画を鑑賞した証を刻み込んでくれるのだ。

 物語の中でスポットが当たるのは、レオとビーさんである。ビーさんの年の頃は六十歳くらいだろうか。大学生のレオとは四十歳くらいの年齢差があるかもしれない。ビーさんは、若い頃に夫を亡くし、手作りのお菓子を作ることで生計を立てている。レオがビーさんのお菓子作りに必要な材料をビーさんの自宅に届けたことをきっかけに、二人は親しくなって行く。食生活が充実していないレオは、毎晩、ビーさんの家でビーさんの手料理をごちそうになるのだ。

 私は、ビーさんの手料理に釘付けになった。作業しやすいようにきれいに片付けられている台所は、物で溢れ返っている我が家とは大違いである。日々使い込んで生活感溢れる台所にビーさんが立ち、てきぱきと温かい手料理を作って行く。やがてビーさんは、レオに対してほのかな恋心を感じるようになる。ズボンを好んで履いていたビーさんが、かわいらしいワンピースを買ってレオの前でさりげなく披露するシーンは印象的だ。ビーさんのそんな女心に鈍感なレオは、ビーさんのワンピース姿に一言もコメントしない。「ああ、どうしてビーさんの気持ちに気づいてあげられないの?」と思うのだが、良く考えてみると、それが飾らないレオの魅力だったりもする。

 そんなビーさんとレオの交流は、あることをきっかけにして変化して行く。そしてラストは・・・・・・。私は、レオとビーさんが糸電話で話すシーンで泣いた。もともと、レオとビーさんは通りを挟んだご近所さん。ビーさんの買い物の荷物を届けていたレオは、必要なものを知らせるためにビーさんがわざわざ電話を掛けなくていいように、二人の家に糸電話を張ったのだ。その糸電話がラストで私を嗚咽へと導いてしまいそうになったのだが、周りが誰も泣かないので必死に堪えた。あのシーンでは、他の人たちにも泣いて欲しかった。そうすれば、私も一緒に泣けたのに。

 ああ、どうしたらこんな静かで感動的な映画を製作することができるのだろう。個性溢れるいろいろな人たちが互いに関わり合って生きている。そんな町にで暮らす人たちの日常を描いたとも言えるこの作品は、決してダイナミックなストーリー性に溢れているような作品ではない。それでも、レオがこの町の人たちと結んだ絆が、糸電話の糸のようにくっきりと浮かび上がる、実にほのぼのとした良い作品だった。

※皆さん、いつもたくさんの応援クリックをありがとうございます。m(__)m 昔々、『愛の水中花』という歌を歌いながらセクシーな雰囲気を漂わせていた松坂慶子さんが、この映画では食いしん坊さんに扮していらっしゃいます。以前よりもずっとふくよかになられて、キャラクターが変わってしまいましたね。食いしん坊のエデリの役がぴったりはまっていました。

さて、今回も記事の中にボタンを埋め込ませていただきますが、どうぞよろしくお願い申し上げます。

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