春の城崎温泉(1)
※映画『ファニーゲーム U.S.A.』の記事に応援クリックしてくださった皆さん、どうもありがとうございます。m(__)m 神経が逆撫でされる感覚を体験されたい方は、是非DVDでご鑑賞くださいませ。(笑)おそらく鑑賞したあとは、単なる不快感だけでは終わらずに、これほどの台本を作り上げた脚本家や、台本を完璧に演じた出演者たちに拍手を贈りたくなるだろうと思います。さて、上海での出来事もまだご紹介し切れていないのですが、季節的なこともあるので、もうしばらくの間、リアルタイムの出来事を優先させて書かせていただくことにします。
上海で上品な上海蟹を食べたものの、私たちの中から、「カニをたらふく食べたい!」という欲求がなくなったわけではなかった。折しも、普段は週末も仕事の予定が入ってしまうガンモの週末がぽっかり空いた。ガンモは、
「城崎温泉にカニを食べに行くか」
と言った。
実は、いつもお世話になっている城崎温泉の旅館から、カニシーズン中の宿泊割引プランの案内葉書が届いていたのだ。何と、その割引プランは四月四日土曜日の宿泊が最終日だった。ガンモの週末がぽっかり空いたことと言い、その空いた週末が割引プランの最終日だったことと言い、「これは絶対に城崎温泉に呼ばれている!」と思ったものだ。その割引プランは、旅館に電話を掛けて申し込むことになっていたのだが、思い立ったときが既に深夜だったので、翌日、ガンモが旅館に電話を掛けてみることになった。
さて、ガンモが旅館に電話を掛けてみると、狭い部屋なら空いていると言われたそうだ。私たちは二人だけなので狭い部屋で十分だと思い、ガンモは二つ返事で宿泊を申し込んだ。
当日になると、私たちは一泊分の着替えを用意して家を出た。導かれているとは言え、お天気はあまり良くなかった。いつもは特急はまかぜに乗って城崎温泉まで出掛けて行くのだが、今回は、高速道路の料金が値下がりしていることもあって、愛車カングーで出掛けることになった。私たちが上海行きを決める以前に、いつも宿泊している旅館からカニシーズンの宿泊割引プランの案内葉書をいただいたとき、ガンモはできればカングーで出掛けて行きたいと思っていたらしい。しかし、同じ兵庫県でも日本海側に位置する城崎温泉は積雪が多いことから、冬場は道路凍結などの心配があった。冬場に食べるカニは確かにおいしいのだが、カングーで出掛けられないのは残念だとガンモは思っていたらしい。冬場のカニを見送ったおかげで、さすがに今の時期になると雪の心配はない。おまけに高速道路の料金も格安となれば、お天気はともかく、三拍子も四拍子も揃って城崎温泉に呼ばれていることになる。
自宅を出たあと高速道路に乗り、途中で何度か休息を取り、およそ四時間ほどで城崎温泉に到着した。いつもは城崎温泉駅から徒歩で向かう旅館の駐車場にカングーを停める。割引プランの最終日とあって、旅館はかなり混雑している様子だった。
チェックインを済ませ、ひとまず部屋でくつろいだあと、私たちは浴衣に着替え、着替えとお風呂道具を持って温泉街に繰り出した。四月上旬とは言え、まだまだ肌寒いので、浴衣の上には丹前と、その上から更に茶羽織(ちゃばおり)を羽織った。
城崎温泉には七つの外湯があり、旅館で無料配布されている入浴券を使用すれば、七つの外湯に自由に入ることができる。ただし、入浴券だけが一人歩きしないように、外湯のスタッフは、入浴券を使用する人が旅館の浴衣を着用しているか、もしくは旅館の湯かごを持参しているかをこまめにチェックしている。それだけではない。外湯のスタッフは、利用客が着用している浴衣がどの旅館の浴衣なのか、正確に記憶している。それは、外湯を利用したあと、スタッフが利用客の履いて来た旅館の下駄を間違えることなく用意してくださることからわかる。城崎温泉にはいくつもの旅館があり、旅館の浴衣も様々だ。それでも、外湯のスタッフは旅館の浴衣と下駄の組み合わせを正確に記憶しているのである。
私たちは、旅館の浴衣を着ていたので入浴券を利用できるはずだったが、雰囲気を出すために下駄を履いた。そして、今にも雨が降り出しそうだったので、旅館の傘を借りた。
ところが、旅館から一歩踏み出してみると、靴下を履いたまま下駄を履いたせいか、靴下で下駄が滑ってひどく歩きにくかった。とは言え、わざわざ冷え取り健康法を実践して靴下を重ね履きしているくらいなので、できればお風呂に入るとき以外は靴下を脱ぎたくはなかった。そんな意地から、靴で歩けば数分で着く温泉街まで、十数分も掛けて必死に歩いた。
実は、これまでにも何度か城崎温泉を訪れてはいるものの、七つの外湯のうち、私たちにはまだ馴染みの薄い外湯があった。柳湯である。柳湯の定休日は金曜日なのだが、私たちが城崎温泉に宿泊するときは、混雑を避けて、仕事を休んで金曜日に一泊していた。しかし、私たちが仕事を休んだ金曜日に柳湯も定休日だったので、柳湯とはなかなかご縁がなかった。旅館で配布されている外湯の入浴券は、旅館をチェックアウトするまで有効だったのだが、柳湯の営業時間は十五時からだったため、金曜日に宿泊した場合、チェックアウト後の十五時以降に自腹を切って入浴しない限り、利用することはできなかったのである。
私たちは、迷うことなくまっすぐ柳湯へと向かった。城崎温泉の温泉街には、私たちと同じように浴衣を来た人たちが行き来している。旅館の浴衣を着用することで、旅館で配布されている入浴券を利用できるという特典は、温泉街を浴衣を着た人たちで溢れさせる効果があるようだ。そのため、温泉街は大変風情のある光景になっている。下駄は歩きにくいが、温泉街の風情を守るためにも、無理して下駄を履いて来て良かったと思い始めていた。
※撮影した写真のスライドショーを貼り付けておきます。なお、スライドショーが表示されない場合や、写真へのコメントをご覧になる場合は、春の城崎温泉をご覧ください。
※皆さん、いつもたくさんの応援クリックをありがとうございます。m(__)m やはり私たちの中では、身の赤いカニをたっぷり食べないと春を迎えられない気持ちがくすぶっていたようです。そして、導かれるように城崎温泉へと向かったのでありました。カニシーズンもいよいよ終盤を迎えましたが、土曜日ということもあってひどく混雑していました。お届けする写真ですが、今回の旅ではデジタル一眼レフを自宅に忘れてしまったため、携帯電話で撮影したものになります。特に、夜に撮影した写真は光の量が少なくてあまり良い写真ではありませんが、雰囲気をお伝えするために敢えて掲載させていただいています。
さて、今回も記事の中にボタンを埋め込ませていただきますが、どうぞよろしくお願い申し上げます。
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