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2009.03.07

映画『ヴィーナス』

さらば、隨縁(ずいえん)の湯の記事に応援クリックしてくださった皆さん、どうもありがとうございます。m(__)m 神戸市西区|天然温泉&岩盤浴の隨縁の湯(ずいえん ZUIEN)は、オープンしてからわずか二年余りの閉館となってしまうようです。しかし、こうした事業は、どこかの企業が行っているので、神戸市西区|天然温泉&岩盤浴の隨縁の湯(ずいえん ZUIEN)は閉館してしまったとしても、企業の本体としては生き残って行くのでしょうね。残念ではありますが、企業の本体を残すためには仕方のない選択だったのかもしれません。

 劇場で鑑賞した映画で、まだレビューを書いていない作品がたくさんあるのだが、今回は敢えてDVDで鑑賞した作品のレビューを書かせていただくことにする。

 どうも私は予告編に釣られ易い。この映画を鑑賞しようと思ったきっかけは、他のDVDを鑑賞した際に、同じDVD内に収められていたこの映画の予告編に惹かれたからだ。私はこの映画のタイトルを手帳にメモしておき、レンタルDVDショップで他に気になっていた作品とともにレンタルした。実際に鑑賞してみると、既に冒頭部分からこの作品の世界に強く引き込まれてしまった。

 ロンドンに住むモーリスとイアンという二人の老人は、気の合う俳優仲間だ。今は死体役などを演じて細々と生計を立てているが、若かりし頃のモーリスはいくつもの浮き名を流し、妻とはもう長いこと別居生活を送っている。ある日、イアンのもとへ、仕事を探すために田舎からやって来た姪の娘ジェシーが住み込むようになる。ジェシーが自分の身の回りの世話をしてくれるものと思い込んでいたイアンだったが、ジェシーはイアンの世話をするどころか、ひどくぶっきらぼうで無作法な娘だった。やがてイアンはジェシーを持て余すようになるが、女性の扱いに慣れているモーリスはジェシーを誘い出し、次第にジェシーとの距離を縮めて行く。

 この映画の見どころは、モーリスが老人であっても若い女性ジェシーを求め続けたところだろうか。例えばモーリスは、ヌードモデルとして仕事を始めたジェシーの裸体を一目見ようと覗き見を試みる。ところが、こっそり覗き見するはずが大きな物音を立ててしまい、覗き見していたことを人々に知られることになる。その場の悪さが、思わずクスッと笑ってしまうようなユーモアとして仕上がっている。最初は警戒していたジェシーも、次第にモーリスを受け入れて行く。ジェシーとの距離が縮まるにつれ、モーリスはジェシーの肌に触れることを望んだりもする。観ている側としては、「まったく、いい年してしょうがないわねえ」という感想を抱くのだが、モーリスの生き方に対しどこか憎めない。

 ただ、モーリスとジェシーの間に通うものは、愛というよりもむしろ、穏やかな性欲に近いものがある。別居中の妻とモーリスの間に芽生えているものが静かで永続的な愛ならば、モーリスとジェシーとの間に芽生えているのは、どこか刹那的な欲望だと言える。モーリスは若いジェシーの肉体に触れたいという欲望を持ち、ジェシーはモーリスからの金銭的な援助を期待している。実はモーリスは、死を意識しなければならないような病に侵されている。だからこそ、生きているうちに、自分の欲望に対して積極的に行動していたのかもしれない。やがてモーリスとジェシーは一緒に海辺を訪れる。そこでモーリスは・・・・・・。

 何とも印象に残る展開だった。二人の老人の生き様にブラックユーモアが添えられ、美しいヒューマンドラマに仕上がっている。暴れ馬だったジェシーがモーリスと危ない友情を結んで行く経過もいい。人と人は出会い、互いに関わり合うことによって、大きく変わることができる。例えそれが七十代男性と二十代女性であったとしても。

 モーリスの妻がジェシーに言った台詞がいい。妻はジェシーに「彼の瞳に映っていたのはあなたね」というようなことを言う。それは決してジェシーを責めるような台詞ではない。夫の浮気相手とも取れる若いジェシーに対し、モーリスの妻という立場でありながらも、むしろ年老いたモーリスを生き生きと輝かせてくれたお礼のように受け取ることができるのだ。

 この映画の監督は、映画『ノッティングヒルの恋人』のロジャー・ミッシェル監督だそうだ。そう言えば、ロンドンに出掛ける前に、ロンドンを舞台とした映画作品について調べた中に、映画『ノッティングヒルの恋人』も含まれていた。しかし私はこの有名な作品を観てはいない。このような静かなヒューマンドラマを見せてくれる監督作品なら、映画『ノッティングヒルの恋人』もまた、手帳にメモしておくことにしよう。

※皆さん、いつもたくさんの応援クリックをありがとうございます。m(__)m またしても朝の更新になってしまいました。やはり、夜は眠いですね。(苦笑)お金のために、最初はモーリスを利用しているかのように見えているジェシーが少しずつ変わって行く様子が見事に描かれていました。ジェシーは「求める」だけでなく、「与える」こともできるようになったのです。七十代になっても若い女性を求め続けたモーリスが、ジェシーをここまで変えたと言えます。

さて、今回も記事の中にボタンを埋め込ませていただきますが、どうぞよろしくお願い申し上げます。

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