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2009.02.20

映画『あなたになら言える秘密のこと』

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 年末にいくつかのDVDを鑑賞した。それらの中には、今回ご紹介する作品で、寡黙な異国人女性を演じているサラ・ポーリー主演の映画『死ぬまでにしたい10のこと』や、油田掘削所で大怪我をして目が見えなくなってしまった男性を演じているティム・ロビンス主演の映画『ショーシャンクの空に』も含まれていた。この映画は、映画『死ぬまでにしたい10のこと』のイサベル・コイシェ監督が、同じくサラ・ポーリーの主演で描いた二人の人間の再生ドラマである。

 始まり方と言い、途中の静かな展開と言い、実に私好みの作品である。自宅のパソコンでDVDを再生しているというのに、ミニシアター系の映画館に一人で入り、シートに腰を埋めて静かに映画を鑑賞しているかのようなリラックス感を味わうことができた。

 サラ・ポーリー演じるハンナは、工場で真面目に働いている。むしろ、もう少し手を抜いてもいいくらいの真面目さである。ある日ハンナは、真面目に働き過ぎることを理由に、工場長から一ヶ月もの休暇を取得するように言い渡される。休暇を利用してハンナは小旅行に出掛けるが、旅先で出会った男性が看護師を探していることを知り、二週間の看護師の仕事を引き受ける。ハンナが案内されたのは、ティム・ロビンス演じる海の油田掘削所で重傷を負った男ジョゼフの世話だった。

 ハンナにはどこか暗い影があり、他の誰かとのコミュニケーションを極力避けながら毎日を過ごしていた。それに対し、負傷して身動きが取れないはずのジョゼフは良くしゃべる。目が見えないことが余計に想像力を掻き立てるのか、自分の世話をしてくれるハンナの姿を想像する。最初のうち、ハンナはなかなか自分のことを語りたがらなかった。一体、ハンナがどのような過去を背負っているのかはわからないが、人との距離を保つことで固い殻を作り上げ、自分自身を守っているかのようだった。一見、身体は元気そうでも、心が深く傷ついているであろうハンナと、肉体にも精神的にも深い傷を負っているジョゼフ。二人が会話を交わすことで、次第にお互いの傷が癒されて行くようにも思えた。

 海上の油田掘削所に集まって来ている人たちの雰囲気も良く出ていた。私自身、派遣社員という立場から、これまでいろいろな会社に派遣され、派遣先で様々な会社の人たちと出会い、チームを組んだことが何度もあった。様々な会社の人たちが一つのプロジェクトに投入されると、バラバラの感覚と部分的な一体感を同時に味わうことになる。それぞれが個として存在し続けることが心地良い人たちにとっては、様々な会社から集められたチームの中で自分自身の個を活かすことができる。しかし、横に繋がることが好きな人は、思うように横の繋がりを強めることができなくて、少々物足りないと感じてしまうかもしれない。この映画の中では、油田掘削所に集められた様々な立場の人たちが無機質な関わり方をしている。その無機質な関わり方が、周りの人たちとの間に壁を作っているハンナの生き方にマッチしていたようだ。

 少々ネタバレになってしまうのだが、この映画に隠されたテーマは、「戦争の残した傷痕」であるように思える。表現方法は違うにしても、同じように「戦争の残した傷痕」を扱った映画は、これまでにもいくつか観て来た。つい最近、鑑賞したDVDの中にも、映画『サラエボの花』という考えさせられる作品があった。「戦争の残した傷痕」というテーマにおいては、映画『サラエボの花』とこの作品は、比較的近いものがある。ただ、どちらの作品も、「戦争の残した傷痕」は、彼女たちから奪うだけでは終わらなかった。考え方によっては、映画『サラエボの花』では娘を、この映画ではジョゼフとの出会いをプレゼントされたと考えられなくもないだろう。もちろん、「プレゼントされた」と表現するには、彼女たちはあまりにも過酷なプロセスを体験し過ぎてはいるのだが・・・・・・。

 例え、究極的な体験から、心が闇に閉ざされてしまったとしても、そこに光を送り込むきっかけを与えてくれる存在は必ずいる。映画『サラエボの花』では、娘の存在そのものが光であり、この映画では、やがてジョゼフの存在そのものが光になる。闇から這い上がって行くには、自分自身がその闇を受け入れ、そこから光を取り入れる入口を開けて光を受け入れることが大切である。そして、光の存在になるためには、相手を上から見下ろすのではなく、時には自分の中にある闇と相手の闇を繋ぎ合わせて相手と同列になる覚悟も必要なのだろう。

 特殊な環境で芽生えた感情は、環境が変わってしまうと持続しにくい。しかし、一度芽生えた感情を二人が絶やさなかったのは、それだけ二人が、あの特殊な環境の中でしっかりと心と心を結んだということなのだろう。

※皆さん、いつもたくさんの応援クリックをありがとうございます。m(__)m 静かに流れて行く、とても心地良いストーリーでありました。お互いに心に傷を持った者同士の恋の始まりを描いた作品でありますが、良く、友人関係においても、「どうぞご遠慮なく」などと言われても遠慮してしまうことってありませんか? でも、相手が自分に対して無遠慮に接してくれるなら、自分も無遠慮になれる、そんな感情に近いものをこの映画で感じ取りました。

さて、今回も記事の中にボタンを埋め込ませていただきますが、どうぞよろしくお願い申し上げます。

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