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2009.02.23

映画『dot the i ドット・ジ・アイ』

和幸 LIVE 2009 ひっぴいえんど in 大阪の記事に応援クリックしてくださった皆さん、どうもありがとうございます。m(__)m MCで加藤さんが、「幸ちゃん(坂崎さん)は、僕の引き出しを次々に開けてくれる」とおっしゃっていました。引き出しというのは、加藤さんの隠し持っている才能やアイディアの詰まった箱のようなイメージでしょうか。坂崎さんと組むことで、加藤さんの持つ才能やアイディアが次々に引き出されて行ったとのことです。相対的な相性がいいと、普段は引き出してもらえない自分がうまく引き出されて、新たな自分を発見することになるのでしょうね。そうなると、先輩であるとか、後輩であるということに関係なく、お互いの可能性を見出せるような交流が成り立つのでしょう。こうして和幸は、自分たちが楽しいと思っていることを実践することで、他の人をも楽しませてくれるユニットになったのです。

 年末年始にDVDをまとめて鑑賞したときに、既に鑑賞したこの作品のDVDをトレーに入れて再生することになった。このDVDは、既に鑑賞したDVDとして分類されていたのだが、タイトルに見覚えがなかったので、中身を確認するつもりでほんの少し再生してみることにしたのである。再生が始まった途端、その内容をすぐに思い出したのだが、「確かこの映画は面白かったはずだ」という記憶が蘇り、もう一度鑑賞したい衝動に駆られ、再び最後まで鑑賞することになった。

 あたかも三角関係を描いたように思われるこの作品は、ちょっと風変わりな構成になっている。物語は、ロンドンに住む結婚を控えたスペイン人女性が、女友達とともに独身最後のパーティ(ヘン・ナイト・パーティ)を開き、風習により、店に居合わせた好みの男性とキスを交わすところから始まる。こうした光景は、他の映画でも何度か目にしたことがあるので、ヨーロッパにおける風習なのかもしれない。通常、こうしたキスは軽く済まされるものだが、どうしたことか、唇と唇を重ね合わせた瞬間、二人の間に特別な時間が流れ始める。二人は立場を忘れ、キスに没頭する。このとき、二人の間に何かが生まれたのは間違いない。

 その後、二人は再会を果たし、戸惑いを感じながらも恋に進むといった展開なのだが、見た目は三角関係に映って見えても、更にその先には何かがあるというのが、この映画の見どころである。

 美しいスペイン人女性カルメンを演じているのはナタリア・ベルベケである。カルメンは、普段は穏やかだが、いざというときに見せる気性の激しさを奥に秘めている。一方、カルメンの婚約者バーナビーを演じているのはジェームズ・ダーシーである。役柄通り、いかにもお金持ちのおぼっちゃまといった雰囲気が漂っている。そして、ヘン・ナイト・パーティのキスの相手キットを演じているのは、私の好きな ガエル・ガルシア・ベルナルくんである。キットは英国人の父を持つブラジル人という設定だ。

 そもそもカルメンとバーナビーの婚約は、カルメンがお金持ちのバーナビーからの求婚を受け入れる形で成立し、カルメンは完全に受け身だった。家の中で使う食器にしても、すべてバーナビーの好みで選ばれ、受け身のカルメンは、いつもバーナビーの好みを押し付けられている。一方、カルメンにとって、ヘン・ナイト・パーティのキスの相手であるキットとは、自然な自分を表現することができる上に、対等に付き合うことのできる相手だった。それは、セックスシーンを見ても明らかである。バーナビーとのセックスで、カルメンはマグロのようにじっとして動かないが、キットとのセックスは、彼女の持つ奥に秘めた情熱が引き出される積極的な愛情行為として描かれている。

 バーナビーと出会う前のカルメンは、スペインで元恋人に塩酸をかけられたばかりでなく、執拗に追い回されたため、ロンドンまで逃げて来た。そのような状況下でバーナビーとの恋が始まったわけだが、彼女がバーナビーのことを心から愛していなかったのだとすると、新しい恋を始めるにはあまり良い状態ではなかったのかもしれない。おそらくカルメンには、恋人と対等な関係が築ける準備が整っていなかったのだろう。そんなカルメンの状態にバーナビーが気付いていたのかどうか・・・・・・。

 やがて、カルメンとキットの関係をバーナビーが知ることにより、後半は一気に展開する。しかも、「ええっ? こんなカラクリがあったの?」と思いきや、更にもう一度、驚かされる。そう、この映画は、キットがビデオカメラを持っていたというところがミソなのだ。彼は何故、ビデオカメラを持っていたのか・・・・・・。

 この映画で印象に残ったのは、カルメンとキットがマグカップでワインを飲むシーンである。スペイン生まれのカルメンにとって、それが最も落ち着くワインの飲み方だった。お金持ちのバーナビーは、わざわざ高いグラスを揃えたのだから、それを使えと言う。しかし、カルメンは高いグラスでワインを飲むことに慣れない。お金持ちのバーナビーと結婚したのだから、何不自由なく暮らして行けると思いがちだが、カルメンの心は満たされてはいないのだ。だから、自分と等身大のキットに惹かれて行ったのかもしれない。

 途中までは作られたストーリーであるとは言え、人間の気持ちはお金では買えないということをまざまざと実感させられる。だから、恋の始まりは少々かっこ悪くても、それぞれが自分の真実を見つけられたならば、そこを新たな始まりにすればいいのではないか。映画として鑑賞している私には、そう思えるのだった。

※皆さん、いつもたくさんの応援クリックをありがとうございます。m(__)m 最初から壮大なカラクリが仕組まれていたわけですが、もしもカルメンがヘン・ナイト・パーティのキスの相手にキットを選ばなかったら、成り立たなかったストーリーだとも言えますね。しかし、時には予想外のことも起こってしまうものですよね。人の気持ちはお金で操ることはできないという物語の典型ではないでしょうか。付き合う相手によって、カルメンの輝きがこれほど違って見えるのも見どころです。

さて、今回も記事の中にボタンを埋め込ませていただきますが、どうぞよろしくお願い申し上げます。

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