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2009.01.04

始末書を書いたはなし

映画『ブロークン・イングリッシュ』の記事に応援クリックしてくださった皆さん、どうもありがとうございます。m(__)m どこかの映画サイトに、「フランス人があんなに英語をしゃべれるはずがない」などというコメントがありましたが、それはひと昔前までのフランス事情だと思います。最近のフランス人は、ちゃんと英語をしゃべってくれます。(笑)

 昨年末あたりから、景気が急に冷え込んで来て、派遣労働者の大量解雇などの問題が取り上げられている。かくいう私も、社員ではなく、派遣社員としてオフィスで働いている。

 もともと私が派遣会社に登録しようと思ったのは、東京のソフトウェア会社で社員として働いていた頃にバブルが崩壊し、営業職の補助のような仕事に回されたことがきっかけだった。私は退職願を出して、コンピュータ業界から足を洗おうとしたのだが、結局、これまでの業務経験を完全には捨てられず、派遣会社を通してソフトウェア会社で働き始めた。バブルが崩壊したため、社員として働いていたとしても、ボーナスはほとんど支給されないような時代だった。そのため、社員として働いても、派遣社員として働いても、年収はそれほど変わらず、むしろ社員として働いてもボーナスが支給されないならば、毎月の給料の高い派遣社員のほうがありがたいくらいだった。

 その後、私は派遣会社を通して働くことをやめて、ある企業とフリーで契約した。金額交渉も自分で行い、その企業から定期的に仕事をもらっていた。その頃にガンモと出会い、やがてその企業で働くのを辞めて、結婚のために関西に移住したというわけである。関西に移住してからは、やはりこれまでの業務経験を活かすために、現在の派遣会社に登録して仕事を始めた。途中、仕事があまりにも忙しくなってしまったために、一年ほど現役を退いていたのだが、派遣会社の営業担当に推されて仕事復帰して現在に至る。

 それはさておき、実は私にも、契約が打ち切りになってしまったという経験がある。と言っても、契約途中で打ち切られたわけではなく、契約が満了したときに、引き続き更新されなかったという経験である。ソフトウェア開発の派遣社員の場合、派遣先企業との契約はたいてい三ヶ月単位か半年単位で行われている。ソフトウェア業界には仕事がたくさんあるため、特定の企業に派遣されて、プロジェクトがいったん落ち着いたとしても、同じ企業の別プロジェクトに投入されることも多い。しかし、企業に気に入られなければ次の更新はなく、派遣会社の営業担当に別の派遣先を紹介してもらうことになる。これから書くのは、契約が更新されなかった理由として、私の中に強烈に焼き付いている出来事だ。ただ、景気のよしあしとはまったく関係のない話である。

 あれは、今から八年ほど前のことである。私は大阪にあるA社に派遣され、A社から更に、A社に仕事を発注しているB社に出向して仕事をすることになった。A社からB社への契約は、派遣ではなく請負という形だったので、私はA社の社員の人たちと机を並べて仕事をしていた。

 B社では、常にインターネットにアクセス可能な状態だったので、私はしばしばWebメールのページを開いて、プライベートアカウントに届いた電子メールをチェックしていた。今では考えられないことだが、その当時は、職場のインターネット環境からWebメールにアクセスすることが可能だったのである。

 あるとき、いつものようにWebメールにアクセスして、プライベートアカウントに届いた知り合いからのメールを何気なくプレビューした。すると、仕事で使っていたパソコンのウィルス検知ソフトが反応し、「このコンピュータはウィルスに感染しました!」という警告メッセージが表示されてしまった。どうやら、私がさきほどプレビューを行った電子メールがウィルスに感染してしまっていたらしい。

 これは大事だと思いながら青ざめていると、B社の社員の方が血相を変えて私のところに飛んで来て、
「今、そのパソコンがウィルスに感染しましたよね? すぐにパソコンをネットワークから切り離してください!」
と言った。言われた通り、私はすぐにパソコンからLANケーブルを引き抜いた。B社で使用していたウィルス検知ソフトは、ネットワーク上のどのパソコンがウィルスに感染したか、使用しているIPアドレスによって管理されているため、すぐにわかるようになっていたのだ。実際、社内のネットワークに繋がったままの状態でパソコンがウィルスに感染すると、ウィルスに感染したパソコンから、ネットワークを介して次々にウィルスが他のパソコンに感染してしまう。

 ウィルスに感染した経緯について説明を求められた私は、プライベートアカウントに届いたメールをチェックしていたことを正直に述べた。その後、実際にパソコンがウィルスに感染しているかどうかを調べるために、パソコンをスキャンしてみたのだが、結局のところ、ウィルスに感染していたわけではなく、単に警告が表示されていただけであることがわかった。しかし、それだけの騒ぎでは済まされず、私は後日、B社のお偉いさん宛に始末書を提出することになってしまったのである。

 それから間もなくして、私の契約更新の時期がやって来たのだが、B社はA社に対し、B社で作業をするのはA社の社員のみに限定して欲しいという条件を提示して来た。つまり、派遣社員である私はB社で作業することができなくなってしまったのである。

 時を同じくして、A社の社員は業務用PHSを持ち歩くようになり、業務用PHSを使用してノートパソコンからA社のネットワークに接続し、A社で使用しているメールアカウントを使って電子メールの送受信を行うようになった。というのも、もともとB社で使用していた仕事用のメールアカウントは、B社の社内だけにしか電子メールを発信できる権限がなく、外部に向けて発信することができなかったからだ。私のような立場では、派遣会社へも、A社へも電子メールで連絡を取る必要があったというのに。B社の社内でしか使えないメールアカウントからは、A社にも派遣会社にも電子メールを発信することができないので、A社の社員の人たちは業務用PHSを経由してA社のネットワークに接続して、電子メールのやりとりを行うようになったというわけである。しかし、もともとA社の社員ではない私にはその特権が与えられず、とても不自由な思いをすることになってしまった上に、これ以上、B社に常駐して働くことはできなくなってしまったのである。

 そのため、A社は私との派遣契約を継続させるために、B社以外の他の仕事を紹介してくださったりと、いろいろ手を尽くしてくださった。しかし、タイミングが悪かったのか、私は自分のスキルに合った仕事に出会うことができず、とうとうA社との派遣契約も終了してしまった。

 今になって思えば、私がA社の社員ではないために契約を更新してもらえなかったのではなく、私がWebメールを使ってウィルス感染騒ぎを起こしたために、A社の社員であればそのようなこともなかっただろうということで、B社に受け入れてもらえなかったのだろうと思っている。

 それにしても、Webメールをプレビューさせただけでウィルスに感染したという告知がネットワークを介して上げられたのは、とても恐ろしい経験だった。あれで本当にウィルスに感染していて、他の人にも被害を及ぼしてしまったのだとすると、始末書くらいでは済まなかったかもしれない。私の長い社会生活において、あとにも先にも、始末書なるものを書いたのはあれが初めてのことだった。

 このようなことも多いため、現在、ほとんどの企業ではWebメールのアクセスは禁止になっていることと思う。Webメールは、私たちが使用する側においても、また、企業から見ても、大変危険なツールなのである。

※皆さん、いつもたくさんの応援クリックをありがとうございます。m(__)m 後日、ウィルスメールを送付して来た知人からは詫び状が届いていました。(苦笑)どうやら他の人たちにも影響を及ぼしてしまったようで、過去にメールをやりとりした方や、アドレス帳にメールアドレスを登録している方たちにお詫びのメールを送付していたようです。最近では、ウィルス検知ソフトを導入している方も多いので、このようなことは少なくなりましたが、少し前までは、知人や友人がウィルスに感染して、奇妙な電子メールが届くことが多かったですね。皆さんもどうかお気を付けください。

さて、今回も記事の中にボタンを埋め込ませていただきますが、どうぞよろしくお願い申し上げます。

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