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2008.12.15

映画『松ヶ根乱射事件』と山下敦弘監督トークショー、そして山下ガンモの帰宅(後編)

映画『松ヶ根乱射事件』と山下敦弘監督トークショー、そして山下ガンモの帰宅(前編)の記事に応援クリックしてくださった皆さん、どうもありがとうございます。m(__)m 通い詰めたお気に入りの映画館がとうとう閉館してしまいます。最後の日に足を運べないので、一足お先にお別れして来ました。ああ、私の感覚に最も近い映画を上映してくれていた映画館だったのに、本当に残念でなりません。神戸市内にある足を運び易いミニシアター系の映画館は、あと一館だけとなってしまいました。しかし、系列が違うので、これまでこの映画館で鑑賞して来たような作品は、大阪まで出掛けて行かなければ鑑賞できなくなってしまうようです。その映画館は、ホットヨガ梅田店のすぐ近くにあるので、これからは、ホットヨガ梅田店のレッスンと抱き合わせでの鑑賞が多くなるかもしれません。(苦笑)

 『松ヶ根乱射事件』と聞いて勝手に想像していたのは、津山三十人殺しのような残忍な事件である。しかし鑑賞してみると、まったく異なっていた。一見、シリアスなドラマのように見受けられる内容も、蓋を開けてみればブラックコメディの部類に入るようだ。

 雪の多いある小さな町で起こったひき逃げ事件をきっかけに、ひき逃げ事件の加害者である光の人生が崩壊して行く。光は、ひき逃げ事件の被害者とその恋人から脅迫されてしまうのだ。しかも、光は彼らのために住む場所まで提供することになってしまう。次第に追いつめられていく光。光には、町で警察官をしている双子の弟、光太郎がいるというのに、被害者の恋人に圧力をかけられ、なかなか相談することができない。やっとのことで光太郎に相談することができたものの、どうにもこうにも光太郎の手には負えず、警察に相談しようとするのを光が必死に止めてしまう。いよいよ追いつめられ、題名の『松ヶ根乱射事件』に至るのかと思いきや、「あれ? あれれ?」そんな結末の映画だった。そう、この映画は最後までブラックコメディだったのだ。わざわざブラックコメディとしてのこの結末を導くためにすべてが起こっていたのかと思うと、逆に感動さえ覚える。

 上映後、この映画の監督である山下敦弘監督のトークショーが行われた。私と同じ苗字なので、何となく親しみが沸いた。サングラスを掛けた難しい顔のおじさま監督が登場するのかと思っていたが、意外にも若い小柄な監督が登場したので驚いた。あとから知ったことだが、山下監督はまだ三十二歳だそうだ。そして、今回のトークショーはノーギャラであるにもかかわらず、わざわざ神戸まで足を運んでくださったとのことである。

 山下監督がこの映画を撮影していた頃は、この映画は必ず大ヒットすると思っていたようだ。この手のブラックコメディに対し、関西の人は許してくれるが、関東の人は許してくれないらしい。この映画の最初に、「これは、実話に基づいた話である」といった説明がなされるのだが、実際は実話などではなく、九十九パーセントが作り話なのだそうだ。実話が含まれているとすれば、ひき逃げされて運ばれた人が、糸くずを使って息をしていることが確認されたという部分のみらしい。つまりこの映画は、最初から最後まで、山下監督の遊び心いっぱいの気持ちで作られているというわけだ。だからだろうか。どの登場人物もどこかクセのある人たちばかりである。最もクセのなさそうな警察官の光太郎でさえ、派出所のネズミ捕りに命を燃やしている。他の警察官には、もともとネズミの音など聞こえていないというのに。

 山下監督の代表作品としては、『松ヶ根乱射事件』よりも、ブルーハーツのコピーバンドを目指す女子高生を描いた『リンダ リンダ リンダ』のほうが有名らしいが、残念ながら、私はその作品を鑑賞していない。ブルーハーツと言えば、以前、下北沢に住んでいたときに、甲本ヒロトさんと街でばったり会ったことを思い出す。私よりも、一緒にいた友人のほうが彼に話し掛けたのだが、まだブルーハーツが『夜のヒットスタジオ』に取り上げられたばかりの頃で、甲本さんは、コンビニだかラーメン屋さん(眠亭だったか?)だかでアルバイトもしているとおっしゃっていた。現在、甲本さんは、ブルーハーツに関しては一切語らないというスタンスを取っていらっしゃるそうだ。そのため、山下監督の『リンダ リンダ リンダ』を甲本さんご自身がご覧になっているかどうかは公式には聞かされていないと山下監督はおっしゃっていた。

 山下監督は現在、心霊もののDVDの製作に取り組まれているそうだ。その仕事に取り掛かって初めて気が付いたことは、自分は意外にも心霊ものには興味がないということだったという。怪奇現象そのものよりも、撮影に出掛けた先で耳にする、幽霊騒ぎに至るまでのいきさつを地元の人たちから聞くことのほうが興味があるらしい。何故ならそこには、人間関係のどろどろしたものが浮かび上がって来るからだ。

 映画の基本はスクリーンで観ることであり、映画は是非とも映画館で観て欲しいと山下監督はおっしゃっていた。場内はいつの間にか立ち見まで出ていた。山下監督のお母様の同級生とおっしゃる女性から山下監督に花束が贈呈された。こうして山下敦弘監督のトークショーが終わり、トイレを済ませて映画館を出て行こうとすると、いつもあいさつをしてくださった劇場スタッフが、私を見付けて、
「ありがとうございました」
と声を掛けてくださった。「ああ、本当に終わってしまうのだな」と思ったが、私は敢えて何も言わず、一礼だけしてその場を立ち去った。

 時計を見ると、ガンモが乗った特急スーパーはくとが三ノ宮駅に到着するまであと五十分ばかりあった。これから三ノ宮駅まで移動するにはまだ早かったが、三ノ宮駅のホームで時間を潰すのも悪くないと思い、ひとまず神戸駅へと向かうことにした。

 私がエレベータに乗り込むと、さきほどのトークショーで司会を務めていた方ともう一人の劇場スタッフの方、そして山下敦弘監督が私と同じエレベータに乗り込んで来た。うわっと思ったが、何も言えず、ただ静観していた。考えてみれば、同じエレベータに少なくとも二人の「山下」が乗っていたことになる。

 山下監督ご一行も私も、そのまま同じエレベータで地下二階まで降りて、同じように神戸駅へと向かった。山下監督は、映画館のスタッフの案内のもとで神戸駅の券売機で切符を買っていたようだ。今回のトークショーはノーギャラと言われていたが、せめて交通費くらいは支給されるのだろうか。そんなことを思いながら改札をくぐると、私の携帯電話が鳴った。男友達からだった。先日、彼のところに私があるものを送ったので、わざわざ電話を掛けて来てくれたのだ。積もる話もあり、そのまま三十分ほど話をして電話を切ったのだが、時計を見ると、ガンモを出迎えるのにちょうどいい時間になっていた。

 神戸駅から三ノ宮駅までは、電車でわずか三、四分の距離である。ガンモから、
「先頭車両だから」
というメールが届いたので、三ノ宮に着いた私は、先頭車両で待っているということと、さきほどまで男友達と電話で話をしていたことをメールに書いて返信した。予定通り、特急スーパーはくとが三ノ宮駅に着いて、中から懐かしいガンモが降りて来た。ガンモは、決して焼きもちを妬いているわけではないのだが、私が男友達と電話で話していたということで、ちょっぴり複雑な表情をしていた。一方、私は男友達との電話の余韻を引きずって、ニヤニヤしていた。そして、二人揃って帰宅し、久し振りの抱擁を交わしたのだが、ちょっぴり複雑な思いも手伝ってか、その後のガンモは、以前の出張帰りのように大ハッスルしていた。それはもう、ここには書けないくらいに・・・・・・。

※皆さん、いつもたくさんの応援クリックをありがとうございます。m(__)m すべてがちょうど良いタイミングで進んだ一日でありました。特別なことがたくさん詰まった一日だったように思います。東京に出張に行くのに、涙の別れをしていた頃からすると、ずいぶん落ち着いて来ましたね。一日が過ぎて行くのが以前よりも速くなったせいもあるのかもしれません。また、I miss you.と言いながら後ろ向きの気持ちになるのではなく、一人の時間を自分の時間に充てることができるようになったのだと思います。それと、不思議なことですが、結婚当初から、私たちはお互いに焼きもちは妬きませんね。ガンモは仕事がらみで後輩の女性と一緒にご飯を食べに出掛けたり、客先に出掛けて行くときにカングーに乗せたりしているようですが、特に気になりません。むしろ、そういうことを包み隠さずに報告し合うことが大切であるように思います。

さて、今回も記事の中にボタンを埋め込ませていただきますが、どうぞよろしくお願い申し上げます。

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