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2008.12.07

地図が読めないわけではない女(3)

地図が読めないわけではない女(2)の記事に応援クリックしてくださった皆さん、どうもありがとうございます。m(__)m 滑り込みセーフという言葉がありますが、まさしくこのときの私がその状態でありました。本当に間に合って良かったと思います。考えてみると、私は現在住んでいる市で生まれ育ったわけではないので、通勤路以外の地理には不案内なのであります。迷いながら自転車で走っているときは、自分の住んでいる市なのに、一体どこを走っているかわからないということが心細くて仕方ありませんでした。

 肝心のTOEICの公開テストは、やはり生理が始まったこともあって、普段よりもぐっと集中力が低下してしまい、惨敗だった。TOEICに目覚め、二ヶ月ごとに派遣会社のIPテストを受けるようになってからは、およそ百点ほどのスコアアップを果たしているはずなのだが、今回はリーディングの多くの問題に解答することができずに、またしても超能力を使ってしまった。集中力が極端に低下しているため、何度も何度も同じ文章を読み返すことになり、すっかり時間が足りなくなってしまったのである。これでは、IPテストを受けるようになる前のスコアに逆戻りしてしまいそうだ。

 試験が開始されておよそ二時間後の十五時一分に試験が終了すると、試験官が次々に解答用紙と問題用紙を集めた。そして、受験者全員の解答用紙と問題用紙が回収されていることが確認されると、晴れて解散となった。持ち歩いている荷物の多い私は、もたもたしながら帰り支度を整え、受験者としては一番最後に講義室を出た。ガンモも同じ頃、公開テストを終えているはずだったが、ガンモが受験した講義室は大きかったため、受験者全員の解答用紙と問題用紙の回収と確認に思いのほか時間が掛かっていたらしく、ガンモはまだ携帯電話の電源を入れていなかった。

 このあとガンモとは、先日オープンしたばかりの自宅近くの大型ショッピングセンターで落ち合って、映画を鑑賞することにしていたので、私は帰り道を急いだ。試験が始まる前に歩道橋のふもとに停めておいた自転車は、誰にも撤去されることなく静かに佇んでいた。

 私は、自転車にまたがり、来るときに行き止まりになってしまった国道の反対側車線をスイスイ走った。途中、野球部に所属する全国の高校生たちが出場を夢見る球場の前を通り過ぎて、私はひたすらまっすぐに走り続けた。そして、およそ二十分も走り続けると、良く見慣れた風景が目の前に広がって来たのである。そう、反対側車線の歩道には、行き止まりがなかったということだ。国道沿いの歩道の左側を走るか、右側を走るかで、運命は大きく分かれていたのだ。来るときも、行き止まりのないこちらの車線を選んでいれば、迷いに迷うこともなかったことだろう。しかし、左側と右側で運命の分かれ道があったことには気付かなかったかもしれない。

 良く見慣れた風景が広がっている場所から我が家までは、自転車で更に十数分の距離のはずなので、おそらく我が家からM女子大学までは、自転車で三十分以上掛かってしまうことになるのだろう。それを、ちょっと地図で確認しただけで、およそ十五分程度で着くだろうなどと考えていたことが恥ずかしくも思えた。ただ、一つだけ言えるのは、私は決して地図が読めなかったわけではなく、まっすぐに進めると思っていた歩道が行き止まりになってしまっていて、他の道を選ぶしかなかっただけのことである。

 良く見慣れた風景が広がっている場所から更に自転車をスイスイ走らせて、ようやくガンモとの待ち合わせ場所である大型ショッピングセンターに到着した。球場あとに建設されたその壮大な建物を目の前にしたとき、私は深い感動に包まれた。自宅から自転車でわずか十分程度のところに、これほど大きなショッピングセンターが建設されることになろうとは・・・・・・。

 十一月末までは無料と掲げられている駐輪場に自転車を停め、中に入ってみると、オープンしたばかりの大型ショッピングセンターは、たくさんの人たちでごった返していた。携帯電話でガンモと連絡を取り合い、合流すると、ガンモは、
「で、どうだった?」
と、私の公開テストの手応えを確認した。私は、
「お客さん(ガンまる用語で生理のこと)が来たから、いつもより集中力なくてダメだったよ。リーディングの問題をかなり余らせちゃった」
と答えた。するとガンモは、
「そうか。俺も今回はリーディングの時間が足りなかった」
と言った。

 果たして今回の対決は、正当な対決なのだろうか。ガンモは自宅から何度も通った男女共学の試験会場で楽々受験している。一方、私は迷いに迷って、一時間も掛けてようやくたどり着いた慣れないM女子大学で受験している。しかも、生理が始まり、集中力が極端に低下している状態での受験である。私のほうが絶対に不利ではないか。これでは、ガンモと同じ土俵に立ったとは言い切れないのではないだろうか。

 とは言うものの、公開テストは派遣会社の主催するIPテストよりも二千円も割高なので、IPテストを受けずに、割高な公開テストを何度も何度も受験するのは少々気が引ける。それに、この市内に住んでいる限り、公開テストは今後もM女子大学で受験し続けることになるのだろう。その度に私は、自転車を三十分も走らせてM女子大学に向かうのだろうか。雨が降っていなければ運動不足の解消には最適かもしれないが、ガンモが自宅近くの男女共学の大学で楽々受験するのはちょっぴり悔しいではないか。

 TOEICを受験していたため、お昼ご飯を食べていなかった私たちは、混雑している中でも比較的空いているお店を探し当て、遅いランチを食べた。私たちが到着したのは十六時前だったというのに、レストラン街はひどく混み合っていた。しかも、どのお店も少々割高で、一食千五百円程度を覚悟しなければならなかった。

 遅めのランチのあと、私たちはビルの中庭を見付けてくつろいだ。クリスマス用にライトアップされた中庭には、木製のテーブルや椅子などが並べられ、自動販売機も設置され、訪れた人たちがくつろげるスペースになっていた。お天気のいい、映画が千円の日に休暇を取り、何本もの映画を鑑賞しながらここで過ごせたらどんなに幸せだろう。


ビルの中庭

 こうして、夫婦揃ってのおよそ十年振りのTOEIC公開テストは幕を閉じた。ガンモは早速、次回の公開テストを申し込んだようだが、私は次回も公開テストを受験するかどうか、悩んでいる。できれば生理に当たらないときに受験したい。しかも、天候は晴れであって欲しい。しかし、そんな先のことを、一体誰が予測できようか。

※皆さん、いつもたくさんの応援クリックをありがとうございます。m(__)m 派遣会社の主催するIPテストは、午前十時から始まり、お昼過ぎには終わるので、一日を有効活用できるのですが、公開テストは十二時二十分までに会場に入り、試験終了は十五時過ぎなので、ほとんど一日潰れてしまいますね。ただ、今回のように、試験のあとにガンモと近所の大型ショッピングセンターで待ち合わせて映画を鑑賞するのも悪くないとは思いました。

さて、今回も記事の中にボタンを埋め込ませていただきますが、どうぞよろしくお願い申し上げます。

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