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2008.12.11

映画『毛皮のエロス/ダイアン・アーバス 幻想のポートレイト』

奇妙な一日の記事に応援クリックしてくださった皆さん、どうもありがとうございます。m(__)m ガンモは、鳥取は寒いのではないかとずいぶん構えていたようですが、どうやら暖かいようです。会社の車で動き回っているようですが、普段、乗り慣れているカングーと車高が違うので、ずいぶん戸惑っているそうです。車高の高いカングーに乗り慣れてしまうと、他の車の車高が低いと感じてしまうようですね。

 この映画は確か、ホットヨガ神戸店のすぐ隣にある映画館で上映されていたはずなのだが、公開中に鑑賞することができず、DVDでの鑑賞となった。いやはや、タイトルにエロスなどという表現が含まれているので、どれほどエロティックな映像が含まれているのだろうと思いきや、そんな覚悟はまったく必要のない作品であることがわかった。もちろん、男女の裸は登場するのだが、あたかも裸であることが当たり前であるかのような形で登場し、裸であることがこの物語の本筋ではないことがわかった。おそらくだが、この映画が扱いたいテーマは、「精神的な脱皮」なのだろう。

 冒頭に近い部分でいきなり登場するのは、屋外であってもごく自然に、一糸まとわぬ姿で過ごしている人たちである。二コール・キッドマン演じるダイアンが彼らに写真撮影の許可を申し出たところ、あなたも裸になるのなら撮影してもかまわないと言われてしまう。最初のうち、ダイアンは、人前で裸になることに対して抵抗を覚えているように見えた。それは、ごく当たり前の感覚だろう。しかし、同じアパートに引っ越して来た多毛症の男性ライオネルとの出会いをきっかけにして、ダイアンは次第に自分自身を取り戻しながら、精神的な脱皮を果たして行く。だから、冒頭と同じような光景が物語の最後のほうに映し出されたときには、ダイアンは人前で裸で過ごすことに対し、もはや抵抗を覚えてはいなかった。

 面白いのは、写真家であるダイアンの夫が撮影を担当しているのが、毛皮の広告写真であるということだ。この映画の中における毛皮とは、人間の持つその人らしさを覆い隠してしまうものの象徴として扱われているのかもしれない。同じアパートに引っ越してきた多毛症のライオネルは、わざわざ毛皮などで身体を覆わなくても、身体中、自分自身の体毛で覆い尽くされていた。ダイアンは、そんなライオネルに興味を抱く。写真家である夫のアシスタントをしているダイアンは、ローライフレックスを首からぶら下げてライオネルを訪問し、写真を撮らせて欲しいと頼むのだ。つまり、この物語は、何もかもが覆われている状態がスタート地点であると言っていい。

 ダイアンは、ライオネルと出会ったことで、本当は自分が何者であるのかを徐々に見いだして行く。とは言うものの、ダイアンとライオネルはいきなり男女の関係にはならない。何枚も着込んでいた服を一枚一枚慎重に脱いで行くかのように、ダイアンはゆっくりと脱皮して行く。すなわちダイアンは、ライオネルとの出会いによって、自身の才能が開花されたと言っても過言ではない。のちにダイアンがフリークスに強く惹かれたということからしても、ダイアンの才能の開花は、大多数になびいて、敷かれたレールの上を確実に歩いて行くことよりも、少数派を受け入れるという自己の精神的な改革であったはずだ。

 出会うことで、自分自身を取り戻したという意味においては、映画『まぼろしの邪馬台国』に通じるものがあると言っていい。ただ、ダイアンの場合は、ライオネルと出会った時点で夫がいたという点で大きく異なっている。また、ダイアンが精神的な脱皮を果たしたのと同期して、ライオネルも身体中の体毛をダイアンに剃ってもらう。そして二人は・・・・・・。

 私は、ダイアン・アーバスという実在の女性写真家を知らない。しかし、彼女の作品を見なくても、彼女が精神的に解き放たれた作品を撮っていたであろうことが容易に想像される。インターネットで彼女の撮影した写真を何枚か鑑賞してみると、やはり衝撃的な作品が遺されていた。どういうわけか、彼女は最期に自殺してこの世を去ったそうだ。妥協できずに納得のいかないものを抱えていたのだろうか。

 あらゆる境界を解き放つということは、境界を解き放っていない人に対し、自ら体験することのできない特異な世界を見せてくれる。しかし、境界を解き放った人は、解き放ったなりの責任を自ら負う、ということなのかもしれない。

※皆さん、いつもたくさんの応援クリックをありがとうございます。m(__)m ニコール・キッドマンの美しさに惚れ惚れする作品であります。最近の彼女は、どこか冷たいイメージがありますが、この作品では、新しい世界に踏み込んで行こうとする好奇心に溢れた女性を演じています。ニコール・キッドマンといい、ナタリー・ポートマンといい、名前に○○マンと付く女優さんは、美しい人が多いですね。私もまるみマンに改名しようかしら。(笑)

さて、今回も記事の中にボタンを埋め込ませていただきますが、どうぞよろしくお願い申し上げます。

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