« 二〇〇八年コンサート納め | トップページ | ナチュラルオレンジ初体験 »

2008.12.31

映画『ミルコのひかり』

二〇〇八年コンサート納めの記事に応援クリックしてくださった皆さん、どうもありがとうございます。m(__)m もうすぐ二〇〇八年が幕を閉じようとしていますが、皆さんはどのような年末をお過ごしでしょうか。私は、年末年始の九連休にやりたいことを手帳にリストアップして、少しずつ消化しているところです。二〇〇八年最後の記事ですので、今年一年を振り返ってみようかとも思ったのですが、今年もたくさんの映画を鑑賞しましたので、映画のレビューで締めくくらせていただこうと思います。二〇〇八年も「ガンまる日記」をご愛顧くださいまして、誠にありがとうございました。皆さんのご支援があったからこそ、この一年間、書き続けることができました。皆さんもどうか良いお年をお迎えください。それでは、来年もよろしくお願い致します。

 イタリア映画であるこの映画は、ホットヨガ神戸店のすぐ隣にあった私のお気に入りの映画館で上映されていた。しかし、上映期間中に足を運ぶことができなかったため、DVDで鑑賞することにしたのである。鑑賞してみると、「ああ、やはり大きなスクリーンで鑑賞したかった」と後悔することになったものの、例えDVDであっても、このような素晴らしい映画を見逃すことなく鑑賞できたことを光栄に思った。私は声を大にして言いたい。私はこういう映画が大好きだ。このような心温まるニューマンドラマこそが、私が常に求めて止まない映画である。大袈裟な戦闘シーンや派手なカーチェイスなど、大掛かりな仕掛けがメインで人間描写が大雑把な作品よりも、一人の人間の生き方が丁寧に描き出された作品が大好きだ。

 イタリアのトスカーナ地方に住むミルコは、不慮の事故で両目の視力を失ってしまう。当時のイタリアの規則に従い、ミルコは親元を離れ、自宅から遠く離れた盲学校の宿舎に入る。しかし、生まれつき盲目ではなかったせいか、ミルコには盲学校の教育がなかなか肌に合わない。そんなとき、ミルコはテープレコーダにいろいろな音を録音することで自己を表現して行く方法を思い付く。やがてミルコの録音活動は、盲学校の他の生徒たちをも巻き込み、いろいろな音を収集しながら一つの物語を作り上げて行く創作活動へと発展して行く。

 目が見えなくなると、他の感覚が研ぎ澄まされるという話は聞いたことがある。ミルコの場合は、特に聴力と想像力が発達したようだ。音に物語を添えて、他の生徒たちに聞かせる楽しみは、私にも良くわかる。というのも、私は中学生の頃から演劇に興味を持ち、自分で台本を書いて一人で自作自演して多重録音したカセットテープを友達にプレゼントしていたからだ。人が歩くときの音を録るのに、カセットテープのプラスティックケースを手に取って、爪でカツカツと音を立てて足音らしきものを生み出したり、海の音を録るのに、FMラジオのつまみを放送のない周波数に合わせて音量を上げたり下げたりしていた。ミルコが収集した音はもっと本格的で、聴くだけで想像力が掻き立てられるようなものだった。録音したテープを編集のために繋いで行く作業も本格的で素晴らしい。

 頭の固い盲学校の校長先生と、ミルコの才能を認めてくれた担任の先生はとても対照的である。校長先生は、自らが盲目であるためか、盲学校の生徒たちに対する態度がとても保守的である。しかし担任の先生は、ミルコの可能性を信じてミルコの才能をぐんぐん伸ばすためのチャンスを与えてくれた。ミルコが担任の先生に出会えたことは、「ひかり」にも相当する大きなプレゼントだったと思う。

 担任の先生に出会えたこと以外にも、ミルコは、録音した音に物語を付加して行くという大掛かりな作業を手伝ってくれたたくさんの仲間たちにも恵まれていた。その中でも際立っているのが、盲学校に住み込みで働いている女性の娘である。彼女はミルコよりも明らかに年上だが、ミルコの恋人的な存在として登場し、ミルコと一緒に積極的に創作活動に加わっていた。

 盲学校の生徒たちが、いろいろな音を録音するために金物を手に持って音を立てるシーンは圧巻である。これまでそれほど密ではなかった生徒たちが、ミルコの創作活動に加わることで互いの心を一つにして行く。その姿に、素晴らしい一体感を感じずにはいられない。

 私たちは、一体感を感じたいがために、複数の人たちと組んで一つのことに挑戦しているのかもしれない。ある集団が一体感を感じていると、その一体感は、その集団の外にいる人たちにも広がって行く。おそらく、スポーツやコンサートなども、内(当事者)と外(観客)で一体感を共有するための役割を果たしているのだろう。

 のちにミルコは、イタリアの映画界の第一線で活躍するサウンド・デザイナーになったそうだ。この映画は、彼の子供の頃の経験にスポットが当てられた作品なのだが、サウンド・デザイナーになったミルコの才能を開花させるための手助けをした人たちもまた、ミルコとともに生き生きと輝く存在として描かれている。人はこの世に生まれて来て、己の人生で何を成すべきかをちゃんと知っているのではないだろうか。だから、途中で何度も壁にぶつかっても、信念を持って突き進むことができるのだと思う。

※皆さん、いつもたくさんの応援クリックをありがとうございます。m(__)m お気に入りの映画館が閉館してしまったことを思うと、このような素晴らしい作品が上映される映画館がひっそりと運営されていることが残念でなりません。決して、大多数の人向けの映画ではないかもしれませんが、鑑賞した人の心にいつまでも深く残って行くのは、このような作品だと思っています。このような映画の世界に引き込まれてしまうと、大掛かりな映画からは次第に遠ざかってしまいますね。(苦笑)

さて、今回も記事の中にボタンを埋め込ませていただきますが、どうぞよろしくお願い申し上げます。

哲学・思想[人気blogランキング]に

上記ボタンをクリックしてくださいますと、一日に一回、ランキングのポイントに加算されます。もしも毎日のように「ガンまる日記」を読んでくださっているならば、記事に共感したとき、あるいは応援してもいいと思ったとき、ポチッと押してくださると、大変うれしく思います。

|

« 二〇〇八年コンサート納め | トップページ | ナチュラルオレンジ初体験 »

トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/18521/43595447

この記事へのトラックバック一覧です: 映画『ミルコのひかり』:

« 二〇〇八年コンサート納め | トップページ | ナチュラルオレンジ初体験 »