« ホットヨガ(一二六回目) | トップページ | 「きせかえツール」が欲しかっただけ(1) »

2008.11.17

映画『めがね』

ホットヨガ(一二六回目)の記事に応援クリックしてくださった皆さん、どうもありがとうございます。m(__)m ゆったりとしたペースで展開されたレッスンだったので、脂肪燃焼コースといえども、あまり汗はかきませんでした。それでも私は、汗をたくさんかくことよりも、このゆったりとしたペースがとても心地いいと感じました。そのせいでしょうか。普段は挫折して休んでしまう板のポーズも頑張って取ることができました。ゆったりとしたペースのレッスンで、疲労感が少なかったために、チャレンジできたのだと思います。そのため、いつもよりもレッスン後の達成感が大きかったように感じました。

 登場人物が全員めがねを掛けているというこの映画が劇場公開されているとき、私は観たい観たいと思いながらも、映画館に足を運ぶことができなかった。だから、レンタルDVDショップの旧作DVDレンタル百円セール開催中にこのDVDをわずか百円でレンタルできたのは、とてもラッキーだったと言える。鑑賞してみると、久し振りに余韻の残る素晴らしい映画に巡り合えたことをうれしく思った。何だろう、この余韻は。押し付けのない作品だったからだろうか。鑑賞してしばらく経っても、映画の不思議な余韻が頭から離れない。

 ある海辺の町の空港にプロペラ機が着くと、二人の女性が一人ずつ空港に降り立つ。一人は、もたいまさこさん演じるサクラ、もう一人は、小林聡美さん演じるタエコである。サクラは、毎年春になると、この海辺にかき氷の店を構えるためにどこからともなくやって来る。一方、タエコは、この海辺の宿、ハマダを目指してやって来た宿泊客だ。都会からやって来たタエコには、この海辺の雰囲気がどことなく合わない。一人で静かに過ごしたいタエコだったが、光石研さん演じる宿の主人ユージをはじめ、かき氷の店のほか、ユージの経営する宿の手伝いも兼ねているサクラまでが、タエコに対し、一緒にご飯を食べるように誘ったりと、家族的に接して来る。

 最初のうちは、都会の個人主義をこの海辺の町に持ち込んだタエコの拒絶感が緊張感として伝わって来る。タエコはマイペースでいたいのに、その家族的な雰囲気からマイペースでいることができず、出鼻をくじかれたような気持ちになっているに違いないのだ。

 海辺の町の人たちは、何かをはっきりと決めて行動しているわけではない。誰かがただ何となく始めたことに対し、他の人も何となく自然になびいて行く。サクラさんが考案したという、海辺で早朝に行われているメルシー体操も然りだ。マイペースを貫きたいであろうタエコに、一緒にご飯を食べることを勧め続けたり、早朝のメルシー体操に誘ったりと、ユージの態度は一貫して変わらない。マイペースなのはむしろ、海辺の町の人たちなのかもしれない。しかし、拒絶されてもなお、変わらないでいることは、やがて相手に変化をもたらすものだ。最初は拒絶感むき出しのタエコの態度も、少しずつ柔らかくなって行く。その変化は、ほとんど気づかないくらいのスピードだ。

 タエコが何故、この海辺の町にやって来たのかは、最後まではっきりとは明かされない。いつの間にか、宿で一緒に食卓を囲むようになった市川実日子さん演じる高校教師のハルナが、何故、ここにやって来たのかと、何度となくタエコに尋ねる。それに対し、タエコは、携帯電話の通じないところに来たかったと答える。いかにも現代的な答えである。最後まで、タエコの職業は明かされないが、おそらく仕事かプライベートで携帯電話の対応に追われ続け、携帯電話に応答しないと咎められるような毎日だったのだろう。だから、居留守を使うのではなく、携帯電話の通じない地域に来てしまえば、携帯電話には応答できないと胸を張って主張できるわけだ。

 どういうわけか、加瀬亮くん演じるタエコの後輩と思しき男性ヨモギがタエコの滞在している宿を訪ねて来る。携帯電話も通じないのに、何故、タエコの居場所がわかったのかもわからない。ヨモギは、タエコのことを「先生」と呼んでいる。ヨモギはいつの間にか、この海辺に馴染んで行く。もしかすると、タエコよりもたとがれる(何もしないでボーっと過ごすこと)が得意かもしれない。

 毎年、春になるとやって来るサクラさんが、一体どこからやって来るのかもみんな知らない。サクラさんとユージの関係も、何かありそうではあるが、最後まではっきりとは明かされない。こうして何もかもはっきりと明かされないことにより、お互いの中の自由意思が尊重されているのがわかる。鑑賞する人も、その自由意思を受け継いで、海の上に浮かぶボートのようにゆらゆらとこの映画に自分自身を預けることができる。

 やがて、たそがれることが苦手だったタエコも、この海辺の町に馴染んで行く。押し付けがなく、ゆったりとしたペースが実に心地いい。宿の食卓に並べられる手作りの料理も、心がこもっていてとても温かい。とにかくそんなほっこりとした映画である。

※皆さん、いつもたくさんの応援クリックをありがとうございます。m(__)m 久し振りに余韻の残る映画を鑑賞しました。私もこの海辺の町に滞在したい気もしますが、携帯電話の電波も届かない場所となると、「ガンまる日記」の更新ができないですよね。それはかなり困ります。(苦笑)この監督の前作である『かもめ食堂』は鑑賞していないのですが、この作品は、『かもめ食堂』とほぼ同じスタッフ、キャストで構成されているのだそうです。『かもめ食堂』もまた、DVDで借りる作品のリストに加えておくことにします。(笑)

さて、今回も記事の中にボタンを埋め込ませていただきますが、どうぞよろしくお願い申し上げます。

哲学・思想[人気blogランキング]に

上記ボタンをクリックしてくださいますと、一日に一回、ランキングのポイントに加算されます。もしも毎日のように「ガンまる日記」を読んでくださっているならば、記事に共感したとき、あるいは応援してもいいと思ったとき、ポチッと押してくださると、大変うれしく思います。

|

« ホットヨガ(一二六回目) | トップページ | 「きせかえツール」が欲しかっただけ(1) »

トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/18521/43150970

この記事へのトラックバック一覧です: 映画『めがね』:

« ホットヨガ(一二六回目) | トップページ | 「きせかえツール」が欲しかっただけ(1) »