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2008.11.21

映画『ブタがいた教室』

「きせかえツール」が欲しかっただけ(3)の記事に応援クリックしてくださった皆さん、どうもありがとうございます。m(__)m こんなことでもなければ、出会い系サイトに登録するチャンスもなかったので、貴重な体験をしたと言えるのかもしれません。(苦笑)もしもまた、ポイント稼ぎのために同じサイトに登録するようなことがあったとき、今回、メッセージをくださった方たちが再び同じメッセージを送って来たらおかしいですよね。そのときは、サクラだったと確定するでしょう。(笑)それにしても、良い社会勉強になりました。(苦笑)

 この映画は、劇場で何度となく予告編を目にする機会があり、食肉に関するテーマを扱った作品ということで興味を持った。聞くところによると、実際に大阪の小学校で起こった出来事を映画化したものだそうだ。

 妻夫木聡くん演じる新米教師の星先生が、担任を務めている小学校六年生の児童たちに命の大切さを教えるために、ある試みを決意する。それは、最終的には食べる目的で、学校でブタを飼い始めるということだった。学校にブタがやって来た途端、児童たちは生き生きと輝き始める。ブタの飼育という共通の目的を持つようになるため、クラスは一つにまとまり始めていた。児童たちは校庭にブタのための小屋を作り、交代でブタに給食の残飯を与えたり、糞まみれのブタ小屋を掃除したりしている。ブタはPちゃんと名づけられ、時には児童たちと一緒に校庭を走り回る。

 学校でブタを飼いたいという星先生の申し出を受け入れた、原田美枝子さん演じる校長先生が実にいい。鶏やうさぎならまだしも、学校でブタを飼育するなどという星先生の突拍子な申し入れに対して頭ごなしに否定するのではなく、星先生の話にきちんと耳を傾けた上で、星先生からブタを飼うことへの熱意と意図をしっかりと聞き出そうとする。人間の器の大きさというものは、相手を許容できるかどうかにかかっている。特に自分が責任を負わなければならないような立場のときには、新しい価値観を受け入れることに対し、保守的な立場を取ってしまいがちだ。しかし、校長先生は保守的な立場を取ることなく、学校でブタを飼育することに対し、星先生を信頼し、すべてを任せる勇気を持てたことが実に素晴らしい。

 最終的には食べる目的でPちゃんを飼い始めたものの、児童たちは、Pちゃんと一緒に過ごす時間が長くなれば長くなるほど、Pちゃんに対する愛着が沸いて来る。当然のことながら、これまで一緒に歩んで来たPちゃんを食べるなんて、とてもできないと主張する児童も出て来た。それに対し、Pちゃんも他のブタと一緒なのだから、区別することなく食べるべきだという意見も出て来た。はてさて、Pちゃんを食べるか食べないか。その結論を下すタイムリミットは児童たちの卒業式である。卒業式を迎えるまでの間に、みんなで飼い始めたPちゃんをどうすべきか、児童たち自身で決めなければならない。

 星先生を交えて、Pちゃんをどうするか、何度も何度も話し合いが行われる。この実話の素晴らしいところは、星先生が自分の意見を児童たちに押し付けることなく、児童たち自身によって、最終的な結論を導き出そうとしているところだ。多くの授業が、最終的には先生たちの手によって「正しい」方向へと導かれて行くのに対し、Pちゃんをどうするかという問題は、児童たちの判断に委ねられているのだ。

 何度にも及ぶ話し合いの中で、
「動物を殺すことと食べることは違うと思います。殺すことは、命を絶ってしまうことだけど、食べることは、その動物の命を引き継ぐことだと思います」
と発言した子がいた。これはなるほど、と思ったものだ。しかし、傍観者であるはずの私としても、納得の行く結論は出せない。おそらく、私がこの小学校の児童なら、食べないと主張する側に回るだろう。しかし、食べたいという児童を説得できるだけの理由がない。Pちゃんを食べると主張する児童たちは、Pちゃんを他のブタと区別しないようにするために食べると言っている。だから、例えPちゃんを食べなくても、他のブタなら食べるというのでは、説得力がないのだ。

 実は私は、ある時期まで、私は動物の肉を食べずに過ごしたことがあった。理由は、動物愛護の精神からである。動物たちが私たちのために犠牲になる瞬間を思うと、彼らの肉を食べることはできないと思っていた。それでも、完全なベジタリアンになることはできず、魚貝類は食べていた。そのとき、肉を食べることに対して抵抗のない人たちに、
「魚介類は食べていいの?」
という疑問をぶつけられた。私はその疑問に対し、的確に答えることができなかった。更に、現代において、完全なベジタリアンに徹することは難しいということも実感した。何故なら、目に見える食材以外にも、動物たちの肉は使われているからだ。徹底的な自給自足を始めない限り、完全なベジタリアンに徹することはできないだろう。やがて私は、再び動物たちの肉を食べることを受け入れた。

 そのときの経験からすると、現代社会においては、中途半端な動物愛護の精神しか育めないということだった。徹底的に動物愛護の精神を育むならば、食肉だけでなく、身に着けている革製品や毛皮なども除外対象に含めなければならないだろう。しかし、そうしたものを既に生活の中に取り入れている以上、動物愛護のためにお肉は食べませんなどとは公言できない立場にあると気づいたのだ。

 映画の中でも、Pちゃんをどうするか、児童たちは最後まで大いに悩む。最終的に、意見は大きく二つに分かれた。一つは、Pちゃんを食べたくないという児童たちが提案した、他の学年にPちゃんの飼育を任せるというものだ。そしてもう一つは、Pちゃんを食べるという児童たちが提案した、Pちゃんを食肉センターに引き取ってもらうというものだ。児童たちの間で多数決が取られるのだが、投票を行っても、真っ二つに分かれた意見はどちらも同点で決着が付かない。そこで、ついには星先生の意見が求められることになるのだが・・・・・・。

 何ごとも、「正しい」、「正しくない」という判断ではなく、自分がどうしたいかに従うことが大切なのだと思う。それは、自分の欲望を満たすという意味ではなく、欲望を除外した魂の想いに気づくということだ。自分の魂がどうしたいのかが見えて来たならば、もはや自分と違う意見の人たちを説得するための理由など必要ないのかもしれない。ただ、命に関することだけに、児童たちは大いに悩んだのだ。この映画の中で何度も出て来た児童たちの話し合いのシーンは、何を選ぶかよりも、命に関することで結論を導き出すまでのプロセスが大切ということをひしひしと感じさせてくれた。

 児童たちにPちゃんの未来を議論させた星先生は、最初からこの問題に答えがないことを知っていたのかもしれない。そして、児童たちに命の大切さを知ってもらうためにブタを飼い始めるという星先生の狙いは、これまで、食卓に並べられたブタの肉を当たり前のように口にしていた児童たちの心にダイレクトに響いたに違いない。食卓に並べられたブタの肉を前にして、食べられなくなってしまう児童もいるだろう。また、「いただきます」という言葉に、これまでよりも心をこめるようになる児童もいるだろう。誰に対しても納得の行く答えは出せない。しかし、みんなで真剣に話し合った時間こそが宝物。そんな映画だったと思う。

 映画を鑑賞したあと、私もアンケートに答えておいた。

私の答えは、「食べない」

映画館に設置されたアンケートの投票箱

後日、その映画館を訪れてみると、集まったアンケートが展示されていた

※皆さん、いつもたくさんの応援クリックをありがとうございます。m(__)m 教科書通りの教育を行うのではなく、児童たちに、一つの体験を通して命の大切さを学ばせたという新米教師の物語でありました。この映画を鑑賞して、このような先生がいらっしゃるということが、とてもうれしくなりましたね。そして、新米教師である星先生の能力を摘み取らずに、星先生の申し出を快く受け入れてくださった校長先生の器も大きいと思います。もしも、校長先生がブタの飼育を許可しなければ、この物語は成立しなかったわけですから。卒業式が近づくにつれ、児童たちは大いに悩みました。悩んで悩んで悩み抜いたからこそ、自分たちが卒業したあと、三年生にPちゃんを託すという話が浮上したときに、彼らが卒業するときもまた自分たちと同じように悩んでしまうのではないかという優しい言葉が出て来たのだと思います。三年生にPちゃんを託すことに関して、自分たちの抱えて来た問題を他の児童に押し付けているだけだという意見もありました。映画サイトの情報によると、児童たちが討論する台詞は、台本には書かれていなかったそうです。児童たちは、Pちゃんの今後について、映画の撮影ということも忘れて、真剣に討論したのかもしれませんね。

さて、今回も記事の中にボタンを埋め込ませていただきますが、どうぞよろしくお願い申し上げます。

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