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2008.10.20

映画『プロヴァンスの贈りもの』

ヘナを求めて三千里の記事に応援クリックしてくださった皆さん、どうもありがとうございます。m(__)m 実際は三千里も旅をしていませんし、まだヘナを見付けてもいません。(苦笑)ひとまず、二回分使用できる買い置きが一つあり、ヘナが本当に必要になるときまでまだ時間はたっぷりありますので、根気強く探し続けることにします。

 職場近くのレンタルDVDショップでは、ときどき旧作DVDレンタル百円セールなるものが開催されている。セールが開催されるときは、携帯電話とパソコンのメールアドレスに案内が届くように設定しているので、セールを見逃すことはほとんどない。映画館に足を運び、毎月およそ十本のペースで映画を鑑賞し続けていたとしても、公開中に足を運べないまま公開が終了して、ひどく後悔してしまう作品も数多くある。最近は、旧作DVDレンタル二百円セールがあちらこちらで開催されてはいるが、旧作DVDレンタル百円セールというのは滅多とないチャンスである。普段は出掛けることが多く、ほとんど自宅で過ごす時間を確保できない私だが、三連休という条件も重なって、これを機会に久し振りにレンタルDVDショップに足を向けて、いくつかの旧作DVDをまとめてレンタルすることにした。今回ご紹介する作品は、その中の一つである。

 ロンドンでトレーダーとして金融業界を揺り動かしているマックスを、映画『シンデレラマン』のラッセル・クロウが演じている。多忙な仕事人間という印象を受けるだけに、どことなくクールなイメージを抱いてしまう。彼には子供の頃、南フランスのプロヴァンスで、同じ英国人のヘンリーおじさんとともに夏休みを過ごした良き思い出がある。ある日、マックスの元に、十年間疎遠になっていたヘンリーおじさんの訃報が飛び込んで来た。間もなくマックスは、ヘンリーおじさんの遺してくれたシャトーとぶどう園を相続することになる。

 この映画を観ると、イギリス人とフランス人が互いにどのような感情を抱き合っているかを何となく察することができる。大きな感情としては現れないのだが、深層心理として、互いに相手国の人々に対し、敬意を払っていないのが伝わって来る。そう言えば、私たちは子供の頃から、イギリス人とフランス人の対立を見守って来た。その代表的なものが、シャーロック・ホームズ対アルセーヌ・ルパンである。私の偏見に過ぎないのかもしれないが、積極的にフランス語を学ぼうとはしないイギリス人に比べて、英語を学ぼうとしているフランス人のほうが、相手国への歩み寄り度は高いように思う。とは言え、フランス人はイギリス人に対し、多少の歩み寄りの姿勢を見せてはいるものの、心の中ではイギリス人のことをどこか見下しているようにも思える。同じように、相手をどこか見下す気持ちは、イギリス人の態度からも垣間見ることができる。

 さて、ロンドンで忙しく働いていたマックスが、ヘンリーおじさんの訃報を受けて、十年振りにプロヴァンスを訪れる。そこは田舎で景色も美しく、マックスがいつも慌しく過ごしているロンドンとは時間の流れ方も大きく異なっていた。相続したシャトーとぶどう園をさっさと売りさばいてしまおうと計画するマックスだったが、あたかもプロヴァンスの魅力を満喫する時間を与えられたかのように、マックスは降って沸いたような休暇を得ることになり、しばらくプロヴァンスで過ごすことになる。

 ヘンリーおじさんのアメリカ人の隠し子(つまりは、マックスの従妹)が突然訪ねて来たり、地元で人気レストランを経営するファニーに敵対心をむき出しにされながらもやがては恋に落ちたりと、マックスが休暇を過ごしている間に、次々にいろいろなことが起こって行く。そう、まるで休暇を終えたマックスが、プロヴァンスを去り難くなってしまうことを目的としているかのように、それらの出来事は、マックスにプロヴァンスという場所を強く印象付ける。

 それにしても、この映画の最大の驚きは、映画『エディット・ピアフ~愛の讃歌~』でエディット・ピアフを演じていたマリオン・コティヤールが、地元の人気レストランを経営するファニーを演じているということだろう。私には、二人が同一人物であるとは、とてもとても思えない。この映画を鑑賞してみて初めて、女優マリオン・コティヤールの偉大さに気付く。

 プロヴァンスでしばしの休暇を過ごすだけで、まるで人格まで変わってしまったかのように見えるマックス。仕事人間の険しい顔つきから一変して、彼の表情にはファニーと離れ離れになりたくない苦悩までうかがえる。つまりは、マックスおじさんが遺してくれたものは、単に物質的なシャトーやぶどう園だけではなかったということだ。マックスは、そんな環境もひっくるめて相続したのだろう。

 ファニーのもとで、フランス語を話しているマックスの姿がいい。イギリス人がフランス語を話しているのだ。運命の恋は、仕事人間でさえもこうしてふにゃふにゃにしてしまう。それは、ファニーにとっても同じだったかもしれない。赤ワインの香りが漂って来そうな二人の恋に乾杯!

※皆さん、いつもたくさんの応援クリックをありがとうございます。m(__)m ミニシアターで公開されている映画は、上映期間が短いので、見逃すことも多いのです。そんな映画をわずか百円でじっくり鑑賞できるのはいいですね。ロンドンに住むマックスの仕事仲間や友人たちと、プロヴァンスに住むフランス人が対照的に描かれていました。きっと、イギリス人とフランス人のささやかな戦いは、これからもずっと続いて行くのでしょうね。(笑)

さて、今回も記事の中にボタンを埋め込ませていただきますが、どうぞよろしくお願い申し上げます。

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