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2008.08.27

自分の物語を創造する

旅行の友の記事に応援クリックしてくださった皆さん、どうもありがとうございます。m(__)m 百円ショップや三百円ショップには、旅行の友として連れて行きたいものがたくさんありますね。記事の中でもちょこっと触れましたが、ボトルガムのケースもなかなか重宝しています。洗剤の他にも、オフィスや旅行に持参するために、愛飲しているハーブティーを小分けして入れたりしています。

 楽しかった夏休みが終わり、私は帰国した次の日から仕事に出掛けた。ほとんどの人たちが夏休みに入っていたが、私と同じように前半のAパターンで夏休みを取得された人たちが後半のBパターンの夏休みの時期に出勤されていた。その数、わずか数名ほどである。その中には、派遣社員である私のために、同じプロジェクトメンバとわざわざ夏休みをずらして出勤してくださった上司のまた上司の姿もあった。ほとんどの人たちが夏休みに入っていたため、電話も鳴らず、メールの数も少ない静かで落ち着いた環境で、私はいつもよりも気楽でありながらも、仕事に集中できる喜びを感じていた。

 夏休み明けの仕事を終えた週末は、お盆ということで、ガンモの実家に帰省することになっていた。最初は土曜日にガンモの実家に一泊して日曜日にこちらに帰る予定だったのだが、ガンモの仕事の都合で土曜日に日帰りすることになってしまった。いつもならば、自家用車でフェリーを利用するところだが、三十四度という暑い盛りにクーラーの効かない自家用車に乗ることはできない。おまけに運転手のガンモは、まだ時差ボケが直らず、ずっと寝不足が続いていた。とりわけ、金曜日の夜はほとんど一睡もできない状態で、土曜日の朝に家を出ることになってしまった。日帰りするために、私たちは行きは姫路から新幹線に乗り、帰りは高松からいつものフェリーを利用することにした。

 さて、ガンモの実家で数時間を過ごしたあと、できれば高松を二十時に出航するフェリーに乗りたいと思っていたのだが、予定がすっかり長引いてしまい、二十時のフェリーには乗船することができなかった。しかし、ガンモには翌日の日曜日に仕事が入っていたため、何としてでも帰らなければならない。そこで、私がゴールデンウィークに一人で帰省したときに利用した深夜〇時半発の夜行便のフェリーを利用することにしたのである。

 お盆の時期に夜行便のフェリーを利用するとなると、いつもはそれほど利用客の多くないのんびりしたフェリーも、おそらく私がゴールデンウィークに利用したときとほぼ同じように混雑した状況に陥るだろうと予測していた。また、フェリーの中はひどく寒いことを知っていたので、私は出掛ける前に自家用車の中から、いつもフェリーの中で使用している毛布を取り出して持参した。しかしガンモは、
「この毛布、持って行くの? いつもまるみが持ち歩いているショールで十分なんじゃないの?」
と言った。私は映画館で映画を鑑賞するときに寒くないように、リュックの中にショールを二枚、忍ばせている。今回は自家用車を利用しての帰省ではないため、ガンモはできるだけ荷物を減らしたくてそう言ったのである。私は、
「お盆の夜行便を甘く見ちゃいけないよ」
とガンモに釘をさした。

 私たちは、ガンモの実家からタクシーを呼んで坂出駅まで運んでもらい、列車に乗って高松駅まで出た。そこから、フェリー乗り場まで運んでくれる無料連絡バス乗り場へと徒歩で向かったのだが、まだ比較的早い時間であるにもかかわらず、既に何人かの人たちが無料連絡バスを待っていた。結局、無料連絡バスの発車時刻が近づくにつれて、無料連絡バスの乗り場には次々に人が集まって来て、最終的には二十人以上の人たちが集まった。その状況を見た私は、ゴールデンウィークのときとまったく同じ状況だと思った。

 無料連絡バスは予定よりも大幅に遅れて乗り場に到着した。無料連絡バスに乗り込むと、中に乗船券の申し込み用紙があったので、私は筆記用具を取り出して、さっさとそれに記入した。乗船券の申し込み用紙は、乗船券を購入するときに必ず必要である。フェリー乗り場に着いてから窓口で書いていると、乗船が遅れると思ったので、書きにくいながらも、無料連絡バスの中で記入を済ませたわけである。

 私たちの手元には、フェリーの回数券が一枚だけ残っていたのでそれを利用することにしたのだが、残りの一枚の乗船券を、私が窓口で購入している間にガンモが先に降りて和室のスペースを確保することになった。回数券を購入したときの情報が残っているのか、前もって回数券を購入している人は、乗船名簿に記入することなく、そのまま乗船することができるのである。

 無料連絡バスがフェリー乗り場に着くや否や、私は荷物を持って窓口まで走った。運良く、窓口では二番目に並ぶことができた。回数券を握り締めていたガンモも、和室のスペースを確保すべく走った。乗船券はすぐに購入できたので、私はガンモの後を追って間もなく乗船したが、見ると、ガンモが諦めた様子で船内の階段を降りている。「ああ、駄目だったか」と思い、
「ガンモ!」
と声を掛けた。ガンモは、諦めたような顔をしながら、首を横に振った。

 念のため、いつも利用している和室に足を運んでみると、そこにはびっしりと人が座っていた。既に横になっている人もいる。もはや一人の人間さえも足を踏み込めないくらい狭い。無理して踏み込もうものなら、そのエリアにいる人たちから反感を買いそうだ。諦めて、シート席のある船室も見てみたが、こちらも既にいっぱいである。ちなみに、レディースルームものぞいてみたが、やはり、いっぱいだった。私たちが無料乗った連絡バスが到着するよりも早く、自家用車でフェリーを利用する人たちがたくさん乗り込んでいたのだ。

 私は、「これはいかん」と思った。見ると、客室以外の場所にあるロビーのじゅうたんの上に敷物を敷いて、既に横になっている人たちもいる。和室やシート席を利用できないとわかった人たちが、せめてロビーのじゅうたんの上で横になろうと、必死で場所を確保しているのだ。このような状況のときは、できるだけ早いうちにじゅうたんのある場所を確保しなければならない。しかし、どうやら遅かったようである。私たちの目のつくところにあるじゅうたんは、もはや隙間がないほど埋まりかけていた。

 私たちはじゅうたんのあるロビーを諦めて、さきほど乗船して来た入口付近のテーブルと椅子のあるところまで降りて行った。そこは、スペースは広いが、下がじゅうたんではなく、冷たい床だった。私たちは仕方なく、そこに荷物を置いて椅子に座った。いつものようにコンセントもなければ、和室のじゅうたんもない。ああ、じゅうたんが恋しい。私たちは、このままここで三時間半余りを過ごすことになるのだろうか。

 ガンモは、
「こんな話は聞いていない」
と言った。私は、予想した通りの展開だったので、
「だから私が言ったじゃん。ゴールデンウィークもこんな感じだったって」
と言った。私はゴールデンウィークに体験した、予想をはるかに超える混雑と睡眠中に襲う過剰な冷房を思い出していた。ようやく状況を受け入れたガンモは、しばらくの間、テーブルの上にノートパソコンを広げていじっていたが、前日の夜、ほとんど寝ていなかったためか、やがて冷たい床の上に座って毛布にくるまって目を閉じた。私は、床の上に座るのは冷たいだろうと思い、自家用車の中から取り出した薄い毛布を床に敷き、ガンモの隣に座った。そうこうしているうちに、私たちが陣取ったスペースの近くにも、次々と人が流れ込んで来て横になった。そのほとんどが男性の一人客だった。

 床の上に薄い毛布を敷いたとは言え、出入口近くだったためか、座っていると、冷房の風がスースーと腰の辺りに入り込んで来た。私は、別の毛布を下半身に巻き付けて冷房から自分の身体を守った。そのうち、ガンモが本格的に眠くなったらしく、眼鏡を外してとうとう横になった。私は、ガンモが翌日仕事なので、できるだけガンモに優先的にスペースを譲ろうと思っていた。何故なら、床に敷いた薄い毛布は、二人で横になって寝られるほどスペースがなかったからだ。そう思っていると、いつもは夜が苦手なはずの私なのに、不思議と目が冴えて、私は長い間、ノートパソコンを広げて操作していた。

 結局、三時間半余りの運航中、私はずっと起きていた。一方、前日の夜、ほとんど睡眠を取っていなかったガンモは、床の上に薄い毛布を敷いただけという悪条件であるにもかかわらず、ぐっすりと眠ったようだ。目を覚ましたガンモに、私は意地悪っぽく言った。
「ガンモは、私が普段持ち歩いているショールだけで過ごそうと思ってたみたいだけど、実際はどうだった?」
それに対し、ガンモは、
「この毛布がなかったら寝られなかった。まるみ、ありがと」

 ゴールデンウィークに私が凍えた経験は、ここに来て、ようやく役に立った。少々大げさかもしれないが、多少荷物になったとしても、いつも利用している毛布を持ち込んだことで、翌日、仕事が入っていたガンモを冷えから守ることができた。数ヶ月経って、ようやく失敗を生かすことができたのである。そして、失敗を生かすことができて初めて、あの寒くて眠れない状況を自分の味方につけることができたような気がする。だから、ゴールデンウィークに乗船した直後は、もう二度と乗船するものかと腹が立って仕方がなかったのに、今はこうして受け入れているのだ。どうやら私は、繁忙期の〇時半のフェリーを克服できたようである。苦手科目にも攻略法があるように、混雑した夜行便のフェリーにも攻略法があったのだ。混雑した寒い夜行便のフェリーよ、どんと来い。

※皆さん、いつもたくさんの応援クリックをありがとうございます。m(__)m 凶で終わらせるか、吉の続きを作るかは、いつも自分次第なのではないでしょうか。自分でポジティヴな続きを作らなければ、思い出はいつまで経ってもネガティヴのままかもしれません。自分の物語は自分で作り上げるという意気込みで、これからも自分の物語を紡いで行きたいと思います。

さて、今回も記事の中にボタンを埋め込ませていただきますが、どうぞよろしくお願い申し上げます。

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