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2008.08.22

難しいトイレ(4)

難しいトイレ(3)の記事に応援クリックしてくださった皆さん、どうもありがとうございます。m(__)m 便座を洗浄するのは、使い捨てではなく、再利用の発想からでしょうか。そう言えば、二年前にハワイに行ったときは、公衆トイレにおいても、便座シートやペーパータオルが贅沢に使用されていたことを思い出します。国をあげての省エネルギー、省資源が実現されているかどうかは、意外にも身近なところで判断できてしまうものなのですね。果たして、日本はどうでしょうか。それでは、難しいトイレシリーズの最終回をお届けしたいと思います。

 難しいトイレの話もいよいよ最終回を迎え、舞台をフランスからイギリスへと移すことになる。大英博物館でミイラとご対面した日のことである。大英博物館近くの公園の前にある有料公衆トイレを利用するために、タクシーの運転手さんらしき男性がコインを投入した。私は、有料公衆トイレの扉がコインにどのように反応して開くのか、すぐ近くで見守っていた。ところが、待てど暮らせど、有料公衆トイレの扉は開きそうになかった。有料公衆トイレにコインを投入した男性は、「あれ、おかしいなあ」といった素振りを見せてはいたものの、さすが英国紳士である。取り立てて慌てる様子もなく、とても落ち着いた様子でその場に立ち尽くしていた。男性は、私が側で見守っているのを知ると、私に苦笑いしたので、私も苦笑いを返してその場を立ち去った。

 その翌日、私たちはリバーボートでグリニッジへまで出掛けた。あいにくの雨の中、Greenwich Peirで降りて傘をさして歩き始めると、間もなく観覧車のある公園が見えて来た。公園の近くには有料公衆トイレがあり、三人組のおじさんたちがその有料公衆トイレを操作中だったらしく、有料公衆トイレの扉が開いていた。私は、おじさんたちの誰かがこれから有料公衆トイレを利用するのだと思い、有料公衆トイレの扉がどのように閉まるのかを見届けたいと思った。すると、三人のうち、二人のおじさんが仲良く一緒に公衆トイレに入って行ったのだ。しかも、入ったあと、有料公衆トイレの扉を閉めるのかと思いきや、二人のおじさんたちは扉を閉めようとはしなかった。おそらくおじさんたちは、男性用のトイレを利用したのだろう。扉を閉めてしまえば、再び扉を開けるのに料金が掛かる。となると、このあと残ったおじさんは、男性用のトイレではなく、便座付きのトイレを利用されるのだろうか。

 扉を開けたまま、男性用のトイレを利用した二人のおじさんは、間もなく有料公衆トイレから出て来た。その後、私が予想した通り、残ったおじさんが一人で有料公衆トイレに入って行った。そして、今度は扉を閉めてしまった。先に出て来たおじさんたちの一人が、私が有料公衆トイレの様子に見入っていることに気付くと、
「このトイレは難しい。最初はお金を入れてもなかなか扉が開かなかった」
と言った。なるほど、それで、しばらく三人で悪戦苦闘したあと、ようやく機嫌を直して開いた有料公衆トイレを三人で代わる代わる利用することにしたのだろう。私は、有料公衆トイレが当たり前のように存在しているイギリスでも、そこに住む人たちは、このようにしてトイレ料金を節約する工夫をしていたのだと感心した。

 私は、その後もしばらく有料公衆トイレの様子を見守っていた。もしも、先ほど有料公衆トイレに入って行ったおじさんが有料公衆トイレから出て行くときに扉を閉めなかったとしたら、有料公衆トイレの扉は開いたままである。となると、そのあと私たちが利用させてもらってもいいのではないだろうか。私はまたしても、そんなよからぬことを考えていた。

 やがて、有料公衆トイレの扉が静かに開いた。しかし、最後に有料公衆トイレに入ったおじさんはなかなか出て来なかった。扉が開いた範囲で有料公衆トイレの中の様子に目をやってみると、何と、最後に入ったおじさんがまだ便座に座っているではないか。ということは、有料公衆トイレの扉は、おじさんがまったく意図しないときに勝手に開いてしまったのだ。確かに別のおじさんが言っていた通り、難しいトイレである。

 私はガンモに、
「どう? おじさんが開けてくれたトイレに私たちも一緒に入ってみる?」
と提案した。するとガンモは、
「扉が勝手に開いたら嫌だ」
と言って、嫌がった。確かにガンモの言う通りである。便器に座っていたおじさんが出て行ったあとも、扉が開いたままの状態であれば、私たちもコインを投入することなく有料公衆トイレを利用することができるかもしれないが、いったん扉を閉めて、まさしく用を足しているときに扉が開いてしまったとしたら恥ずかしい。私たちはよからぬ計画を諦めて、別のトイレを探すことにしたのだった。すると、そこからわずか数分歩いたところに、無料公衆トイレがあったのだ。私たちは、迷わず無料公衆トイレを利用することにした。扉がいつ開くかわからない有料公衆トイレよりも、自分で扉を開け閉めできる無料公衆トイレのほうが安心して利用することができたのは言うまでもない。

※皆さん、いつもたくさんの応援クリックをありがとうございます。m(__)m 二日間連続で、扉の調子が良くない有料公衆トイレに出くわしました。やはり、少しでもトイレ料金を節約しようとして、少々無理な運用が強いられるために、扉の調子が良くないのかもしれませんね。それにしても、有料公衆トイレが当たり前のように設置されている国には、利用者の間でそれなりの工夫があるものですね。扉を開けたまま二人で一緒にトイレに入るなんて、思い付きもしませんでした。ちなみに、今回の記事でご紹介した有料公衆トイレを、先日の記事でご紹介したスライドショーに収めています。深緑色の有料公衆トイレの前に、肩を落として立っている男性が、お金を入れたのに扉が開かなかった男性です。グリニッジで見掛けた有料公衆トイレもまた、これと同じタイプの有料公衆トイレだったと思います。皆さんも、イギリスを旅行されたときは、開かないこともあれば、まったく意図しないときに開くこともある有料公衆トイレの扉には十分ご注意ください。(笑)

さて、今回も記事の中にボタンを埋め込ませていただきますが、どうぞよろしくお願い申し上げます。

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