« 映画『アメリ』の舞台モンマルトル | トップページ | パリのコインランドリー初体験 »

2008.08.15

ヴェリブ・デビュー

映画『アメリ』の舞台モンマルトルの記事に応援クリックしてくださった皆さん、どうもありがとうございます。m(__)m パリでいろいろなところに足を運んだものの、どの場所も百パーセントの達成率ではないところが私たちらしい回り方かもしれません。モンマルトルに足を運んだのに、アメリの働いていたカフェ・ドゥ・ムーランに行くことができませんでしたし、コリニヨンの八百屋さんも閉まっていたのですから。きっと、パリが「またおいで」と言ってくれているのでしょう。(笑)さて今日は、そんなパリを貸自転車で走ったというお話です。

 パリに出掛ける前にパリの予習をしていたところ、ヴェリブという名前の貸自転車があることを知った。貸自転車と言うと、二年前に北京に出掛けたときに、貸自転車に乗りたくて、ホテルの人に頼んで調べていただいたというのに、結局利用しなかったという苦い想い出がある。パリの貸自転車ヴェリブは、価格も驚くほど安く、三十分以内に返却できるならば、一日わずか一ユーロ(日本円でおよそ百六十円くらい)で繰り返し利用できるという。街を歩いていると、ヴェリブに乗った人たちが私たちの前をスイスイ通り過ぎて行く。ヴェリブの存在を知ってからというもの、ヴェリブを見る度に、「いいなあ、いいなあ、私たちも乗りたいなあ」と思っていた。

 ヴェリブを借りたり、また、返却したりするところをヴェリブ・ステーションと呼んでいる。ヴェリブ・ステーションは、パリの至るところに設置されている。ありがたいことに、私たちの宿泊していたホテルのすぐ近くにもヴェリブ・ステーションがあった。ヴェリブを使った移動は、距離的には近いのに、公共の交通機関では乗り換えが何度も必要な場所に移動するのにとても便利だ。映画『アメリ』の舞台モンマルトルも、私たちの宿泊していたホテルから距離的には近い場所にあったので、メトロに乗るよりもヴェリブを利用したほうがフットワークが良かったのだ。しかし、モンマルトルに出掛けて行ったのが夜に近い時間帯だったので、初めてヴェリブを利用するにはちょっぴり不安だったのである。そこで、午前中から利用できるチャンスを狙っていたところ、クロード・モネの邸宅と庭園に足を運んだ日の朝に、パリの北駅から比較的近い、モネも描いたというサン・ラザール駅までヴェリブを利用することにしたのである。

 朝、ホテルを出ると、ホテル近くのヴェリブ・ステーションに、数台のヴェリブが停まっていた。ああ、これなら二人揃って借りられると思ったものの、近くまで行ってヴェリブの状況を確認してみると、パンクしてチューブがタイヤからはみ出していたり、サドルが付いていなかったりと、いわゆる状態の良くないヴェリブが何台かあった。しかも、初めてヴェリブを借りるためにもたもたしているうちに、よそから歩いて来た人がヴェリブの前で何かをピッとかざして、私たちが狙っていたヴェリブをさらって行った。何? 一体何が起こったのだろう? ヴェリブを借りるには、ヴェリブ・ステーションに設置された操作パネルで、これから利用するヴェリブの番号を指定しなければならないはずではなかったのだろうか?

 一体、何が起こったのかわからずに目をぱちくりさせていると、また別の人がやって来て、ヴェリブの前でピッと何かをかざして、またしてもヴェリブをさらって行った。どうやら、ヴェリブを何度も利用している人たちは、ヴェリブ用のICカードを持っているようである。そのICカードをかざせば、わざわざ操作パネルの前まで行って操作しなくても、利用したいヴェリブのロックが外れるらしいのだ。そんな便利なものがあるとは知らなかった。気が付けば、私たちのホテル近くのヴェリブ・ステーションには、あと一台のヴェリブしか残っていなかった。

 朝からいきなり競争率の高い戦いになりそうだと予感した私は、ガンモに、
「私だけでもここで一台借りておこうか」
と提案した。しかしガンモは、三十分以内に返却しなければ追加料金が発生することから、二人同時に同じヴェリブ・ステーションで借りたいと言った。そこで私たちは、ホテル近くのヴェリブ・ステーションでヴェリブを借りるのを諦めて、そこから近い別のヴェリブ・ステーションを探して歩き始めたのである。

 ヴェリブ・ステーションに示されていた地図通りに数分歩くと、次のヴェリブ・ステーションが見付かった。ヴェリブ・ステーションには、その周辺にあるヴェリブ・ステーションの地図が記載されているのだ。私たちはそれをデジタルカメラに写し、ガンモがその画像を確認しながら歩いた。しかし、新たに見付けたヴェリブ・ステーションにも、利用できるヴェリブの数が少なかった。そしてまたしてももたもたしているうちに、ヴェリブの熟練者がICカードをピッとかざし、貴重なヴェリブをさらって行った。私たちは、ヴェリブに乗るのはなかなか容易じゃないと思い始めていた。そこで、更に歩いて、別のヴェリブ・ステーションに足を運んだのだが、そこでもヴェリブの数が少なくて借りられなかった。そしてようやく、次のヴェリブ・ステーションでたくさん停車しているヴェリブに巡り合うことができたのである。

 私たちは操作パネルを操作してICチップ付きのクレジットカードを挿入し、まず初めにヴェリブを利用するための登録を行った。登録番号を発行してもらい、それに対して自分専用の暗証番号を登録することで、ヴェリブの利用が可能になるのだ。ヴェリブの借り方について、詳しくは、ふらんすノート26. Velib'に乗ってパリを走ろう!を参照させていただいた。

 さて、いよいよサン・ラザール駅に向けて出発である。地図を確認したガンモが、私の前を先導して走った。おや、実際に走ってみると、私が選んだヴェリブは、後ろのタイヤがグラグラしている。しかし、「サン・ラザール駅までだから、まあ、いいか」と思い、一生懸命、ガンモに着いて行った。

 朝のパリの街をヴェリブでスイスイ走る。とても気持ちがいい。しかし、しかしである。日本では、自転車は左側通行だが、パリでは車も自転車も右側通行である。しかもパリでは、自転車は自動車と同じ交通ルールで車道を走ることになっているらしい。厳密に言えば、日本でも、自転車は自動車と同じ交通ルールで車道を走ることになっているらしいが、自転車が歩道を走っていたとしても許される。しかし、パリでは注意されるらしい。そこで私たちは、歩道を走りたいときはヴェリブから降りて、ヴェリブを手で押して歩くという作戦に出ることにしたのである。

 ヴェリブに乗ってパリの街を走るのは、とても気持ちがいいことには違いないのだが、一方では緊張感が伴う。その緊張感とは、パリに不案内であることや、慣れ親しんだ左側通行ではなく右側通行であることや、自動車と同じ交通ルールで車道を走らなければならないことや、三十分以内にヴェリブ・ステーションに返却しなければ追加料金が発生するといったことである。逆に、そうした緊張感があるからこそヴェリブは楽しい。特に、三十分以内にヴェリブ・ステーションを見つけて返却するというスリルは、まるでゲームに参加しているみたいで面白い。

 私たちは、クロード・モネの邸宅と庭園からの帰りにもヴェリブを利用した。朝、北駅周辺からサン・ラザール駅まで難なく移動できたという安心感があったからだろうか。どういうわけか、道に迷ってしまったのだ。私たちは、まったく見覚えのない場所に迷い込み、三十分以内にヴェリブを返却できないかもしれない状況に陥ってしまい、あたふたした。正しい道を探し出すことよりも、まずはヴェリブ・ステーションを探し出すことに必死になり、ようやく見つけたヴェリブ・ステーションにヴェリブをいったん返却して、地図を確認した。どうやら、どこかで道を間違えてしまったらしい。私たちが道を間違えてオロオロしている間にも、車道を走っているので、すぐ側を自動車がびゅんびゅん通り過ぎて行く。パリで孤独を感じた瞬間だった。
 
 地図を見てようやく軌道修正して、私たちはいったん返却したヴェリブに再びまたがり、無事にホテル近くのヴェリブ・ステーションにたどり着いた。やれやれである。しかし、パリへの滞在も早くも五日目となり、洗濯物がかなり溜まっていたので、私たちはいったんホテルに戻ると、今度は洗濯物を持ってコインランドリーへと向かった。朝、サン・ラザール駅まで移動している間に、コインランドリーを見つけておいたのである。私たちは迷わずにコインランドリーにたどり着くことが出来た。

 私たちは、コインランドリーの前にヴェリブを停めた。ヴェリブをヴェリブ・ステーション以外の場所に停めるときは、付属のロック式ワイヤーを使って盗難からヴェリブを守る。しかし良く見ると、コインランドリーのすぐ側にヴェリブ・ステーションがあったので、私たちはいったんヴェリブ・ステーションにヴェリブを返却した。そして、洗濯を終えたあと、再びヴェリブに乗って、ホテル近くのヴェリブ・ステーションまで戻ったのである。

 ヴェリブは、自転車でパリを走ることのできる爽快感と様々な緊張感を同時に味わうことのできる楽しい乗り物である。ヴェリブにたくさん乗ってパリの地理に詳しくなれば、いくつかの緊張感も緩和され、ヴェリブを利用するのがもっともっと楽しくなることだろう。

※撮影した写真のスライドショーを貼り付けておきます。なお、スライドショーが表示されない場合や、写真へのコメントをご覧になる場合は、ヴェリブに乗ろう!をご覧ください。

※皆さん、いつもたくさんの応援クリックをありがとうございます。m(__)m ヴェリブは去年の夏から登場したばかりの比較的新しいサービスのようです。ご紹介したページにはいろいろと詳しく書かれていますが、実際にヴェリブを使い始めてみると、使い方はとても簡単でした。ヴェリブ・ステーションは、少し走ればいろいろなところにあるので、たいていの人は、三十分以内に返却できることになっているようです。また、ヴェリブ・ステーションに停められているヴェリブが飽和状態でヴェリブを返却できないときは、貸し出し時間をあと十五分延長できるなど、工夫がなされています。ヴェリブのサービスは、もともと自転車の路上駐車を緩和するために始まったサービスなのだとか。確かにこのサービスのおかげなのか、一般の自転車の路上駐車は日本ほど多くなかったように思います。一日百六十円程度なら、レンタルしたくなりますよね。

さて、今回も記事の中にボタンを埋め込ませていただきますが、どうぞよろしくお願い申し上げます。

哲学・思想[人気blogランキング]に

上記ボタンをクリックしてくださいますと、一日に一回、ランキングのポイントに加算されます。もしも毎日のように「ガンまる日記」を読んでくださっているならば、記事に共感したとき、あるいは応援してもいいと思ったとき、ポチッと押してくださると、大変うれしく思います。

|

« 映画『アメリ』の舞台モンマルトル | トップページ | パリのコインランドリー初体験 »

トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/18521/42179147

この記事へのトラックバック一覧です: ヴェリブ・デビュー:

« 映画『アメリ』の舞台モンマルトル | トップページ | パリのコインランドリー初体験 »