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2008.08.08

ガンまる、ユーロスターに乗る

クロード・モネの邸宅と庭園の記事に応援クリックしてくださった皆さん、どうもありがとうございます。m(__)m 以前、時間軸と空間軸の話を書いたと思いますが、モネの邸宅と庭園を訪れている人たちとモネ自身は、空間軸は一致しているけれど、それぞれ時間軸がずれているんですよね。そう考えると、とても不思議な気がします。時間軸を捻じ曲げて、モネの邸宅と庭園を訪れている私たちをモネが描いてくれたら面白いのに、なんて思ってしまいました。

 いよいよパリを離れる日がやって来た。朝五時に起床し、旅行アルバムに写真をアップしたあと、ガンモと一緒にパリで最後の朝食を取り、スーツケースに荷物をまとめ始めた。日本を出発したときと同じように、圧縮袋を有効活用しながら、てきぱきと衣類をスーツケースに詰めて行った。部屋にあるものをまとめさえすれば良いという点では、出発時に比べてとても楽ちんだった。

 荷物をまとめて部屋を出るとき、私にはいつも決まって行う儀式がある。それは、部屋に向かって、
「ありがとう。また来るからね」
とお礼を言うことだ。そうすることで、再びそのホテルに宿泊できるチャンスが巡って来ることが多いのだ。私は今回も、
「ありがとう。また来るからね」
と言って、ホテルの部屋を出た。

 ホテルをチェックアウトしたあと、私たちはホテルの最寄駅である北駅へと向かった。これからロンドンまでユーロスターで移動するのだ。宿泊先を北駅周辺に決めたのは、シャルル・ド・ゴール空港からの移動がRER B線で一本だったことと、ロンドンに向かうユーロスターの発着駅ともなっていたからだ。

 私たちは、ユーロスターが停車している一番奥のホームへと足を運んだ。しかし、ユーロスターから降車する人たちの姿はあっても、これから乗車しようとする人たちの姿が見えない。それに、ユーロスターは国際線の列車なので、乗車チェックは空港の国際線と同じくらい厳しいはずなのだ。ユーロスターの停車しているホームには、そのような厳しい審査を行っていそうな人たちは見当たらなかった。

 私は確認の意味を込めて、ひとまず駅の案内板を見に行った。ユーロスターの発車時刻まであと一時間近くもあったのだが、ヨーロッパの列車は、発車直前にならないとホームの番号が決まらないことになっているので、もしかするとそうした影響もあるかもしれないと思ったからだ。さすがにユーロスターの発着番線は固定されているとも思ったのだが、念のためである。

 駅の案内板を見ると、ユーロスターの発車番線を示すエリアに1st Floorと書かれていた。「一階? ここは一階じゃないの?」と思いながら、ユーロスターの停車しているホームの近くで待機していたガンモにそのことを報告した。するとガンモは、はたとひらめいたように、
「なるほど、そういうことだったのか」
と言って、上に向かうエスカレータを探し始めた。私が、
「ガンモ、どうしたの? 一階はここだよね?」
と言うと、ガンモは、
「いや、ヨーロッパ式で言うと、一階は日本の二階なんだよ」
と言った。そう言えば、ホテルもそのような造りだったことを、今更ながら思い出した。グランドフロアがフロントで、客室は二階からではなく、一階から始まっていた。つまり、グランドフロアは〇(ゼロ)階の扱いなのだ。今回、パリで宿泊したホテルの部屋も、日本式に言えば三階だったのに、部屋番号は日本式の二階に割り当てられたものだった。

 ガンモのひらめきにより、私たちは間もなく一階に向かうエスカレータに辿り着き、おそらく出入国審査待ちをしているであろう人たちの行列を見付けて列に加わった。ガンモが言うには、ユーロスターに乗車するには、三十分前にすべての手続きを済ませておかなければならないらしい。ああ、良かった。危うく乗り場がわからずにおろおろしてしまうところだった。

 私たちはユーロスターの切符のチェックとイギリスへの入国カードへの記入、それから、フランスからの出国の手続きと、イギリス国内への入国審査及び荷物チェックを受けた。イギリスへの入国審査については、イギリスからの担当者が出張して来ているようだった。去年、ヒースロー空港に降り立ったとき、入国審査待ちのために二時間も並んで待つことになったので、フランスからイギリスへの出入国審査を少し恐れていたのだが、実際は飛行機の国際線よりもずっとスピーディな審査だった。

 こうして私たちは、ようやくユーロスターに乗車できることになった。出入国審査を終えると、飛行機の国際線と同様、中には免税店もあり、買い物を楽しめるようになっていた。間もなくユーロスターに乗車可能な状態になり、エスカレータを使って一階からグランドフロアまで降りて行った。私たちの乗車する車両は十一号車である。

 重いスーツケースをよっこらしょと持ち上げて車内に乗り込み、荷物置き場にスーツケースを何とか収めた。それから自分の座席番号のシートを探し当て、ゆったりと腰を下ろした。パリからロンドンまでは、およそ二時間十五分の旅となるという。ユーロスターを新幹線に例えると、パリからロンドンは、東京-名古屋間よりも少し遠いくらいの距離なのだろうか。

 今回、利用するのはファーストクラスなので、走行中に昼食サービスを受けられるという。乗車して間もなく、飲みたい飲み物は何かと聞かれたので、オレンジジュースを注文した。入れてもらったオレンジジュースは、丸い透明なビニールのコップではなく、四角い透明なビニールのコップに入っていた。

 ほどなくして、今度は食事のメニューが配られた。どうやら、飛行機の国際線のように、食事を自分の席に運んでもらえるらしい。選択できるメインディッシュは、ビーフかリゾットだったので、私はリゾットを注文した。

 また、食事中の飲み物として、ワインを勧められたので、筋腫のために禁酒しているというのに、とうとうワインを注文してしまった。私がワインを注文したので、ガンモもどうかと声を掛けられたらしく、私につられてガンモもワインを注文していた。実に流されやすい私たちである。とは言うものの、下戸のガンモが例えミニサイズ(グラスワインくらいの量)とは言え、出て来たワインを全部飲めるはずもなく、私がほとんど全部飲むことになってしまった。おかげでちょっぴりご機嫌モードで食事が進んだ。

 ただ、今回の食事で感じたことがある。それは、口にすると喉が渇く食べ物や飲み物と、そうでない食べ物や飲み物があるということだ。久しぶりにワインを口にしたところ、ひどく喉が渇いてしまった。また、甘い、辛いも含めて味の濃いものはすべて喉が渇きやすい。そうした観点で食べ物や飲み物を観察すると、必然的に身体に良い食べ物かどうかがわかるような気がして来た。

 食事が終わった頃、ユーロスターの景色が暗くなった。どうやらドーバー海峡を渡っているようである。ドーバー海峡を渡ると、そこはもうイギリスだ。そう言えば、国内旅行では、これまでに青函トンネルや関門トンネルを渡っている。しかし、国をまたぐのは初めてである。およそ二十分ののち、外の景色が明るくなった。ドーバー海峡を越えてイギリスに入ったのだ。

 ユーロスターにはコンセントもテーブルも着いていたので、ノートパソコンを広げて「ガンまる日記」の下書きを書いておきたかったのだが、食事のあと、ノートパソコンを広げる時間もなく、あっという間にロンドンに着いてしまった。ユーロスターのロンドンの発着駅は、一年前まではウォータールーだったが、今ではセント・パンクロスに変わっている。確か去年、ロンドンを訪れたとき、ウォータールーに停まっていたユーロスターを伸び上がって見ていたことを思い出す。そのユーロスターにようやく乗車することができたのである。私たちは、長いようで短かったユーロスターの旅を終え、一年ぶりにロンドンへと降り立った。

 今回の宿泊場所も、去年と同じパディントンである。しかし、去年、宿泊したホテルはグレードアップしたらしく、私たちにとっては少々高い価格になってしまっていた。もともとロンドンは物価が高いので、できるだけ節約を心掛けたい。そこで、ガンモがもっとリーズナブルな価格の新たな宿泊先を開拓したのだ。ホテルはすぐにわかり、無事にチェックインを済ませた。ロンドンには三泊する予定である。こうして私たちの、ロンドンでの短いステイが始まったのである。

※撮影した写真のスライドショーを貼り付けておきます。なお、スライドショーが表示されない場合や、写真へのコメントをご覧になる場合は、ガンまる、ユーロスターに乗るをご覧ください。

※皆さん、いつもたくさんの応援クリックをありがとうございます。m(__)m ようやくパリに慣れ始めた頃、パリとお別れしてしまいました。ちょっぴり寂しいものですね。パリへの滞在の後半は、パリも大いに気温が上がり、とても暑くなりましたが、ロンドンは半袖で歩くには少し肌寒いほどであります。この温度差は何でしょうか。また、パリとロンドンでは時差が一時間だけあります。ロンドのほうが一時間遅いのですね。私の使用している携帯電話はユーロスターがイギリスに入ったとき、時差が自動修正されたのですが、腕時計は自分で回して時間を合わせなければなりませんでした。(苦笑)

さて、今回も記事の中にボタンを埋め込ませていただきますが、どうぞよろしくお願い申し上げます。

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