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2008.07.14

映画『奇跡のシンフォニー』

区切りのプロジェクトの記事に応援クリックしてくださった皆さん、どうもありがとうございます。m(__)m 感情は別にして、目標にしていた課題を一つ乗り越えることができました。これからは、自分自身の身体の課題と、八月末の納品に向けた大仕事の課題に取り組んで行きたいと思います。いろいろなことをいっぺんに消化することはできないので、目の前に現れた課題に優先順位を付けて、少しずつクリアして行くしかないのですよね。最近遅れがちなブログの更新も、日々の課題の一つであります。さて、今回もまた、二週間ほど前に鑑賞した映画のレビューを書かせていただきますね。

 この映画もまた、派遣会社の福利厚生サービスを利用して前売券を購入し、公開を心待ちにしていた作品である。映画『ネバーランド』や映画『チャーリーとチョコレート工場』、映画『スパイダーウィックの謎』の名子役フレディ・ハイモア君が主役の孤児エヴァンを演じている。

 私にとってこの映画は、過去に観た映画の様々なシーンを思い出させてくれる構成になっていた。例えば、孤児院の様子が映し出され、実の両親に想いを馳せているエヴァンの姿を見ると、実の母を探して長い旅をした映画『この道は母へと続く』を思い出した。また、子供のストリート・ミュージシャンの面倒を見ながらも、やけにピンハネの多いエージェント役のロビン・ウィリアムズが登場すると、ブラジル映画『フランシスコの2人の息子』を思い出した。そして、エヴァンにとって、自然の音が音階に変換されて聞こえているシーンを目にすると、映画『パフューム ある人殺しの物語』で、私たちが通り過ぎてしまいがちな日常生活の様々な匂いが、映画の主人公にとってはそれぞれ識別可能な個別の匂いだったことを思い出した。

 孤児院で育ったエヴァンは、自分が本当は両親の意志によって捨てられたのではないことを感じ取っている。そして、いつか両親と再会できる日が来ることを強く願いながら生きている。分野は違っても、本格的に音楽を志していた両親の元に生まれたエヴァンもまた、音楽的な才能に恵まれていた。孤児院を抜け出したエヴァンは、導かれるままマンハッタンへと向かう。そこで、彼よりほんの少し年上のストリート・ミュージシャンに出会い、彼自身もストリート・ミュージシャンを目指すようになる。最初から音楽的な才能に恵まれていた彼は、ギターをつまびき始めると、そこから生まれ出る音に感動し、すぐにギターを自由自在にかき鳴らすようになる。かき鳴らすと言っても、単にじゃかじゃかと無秩序にかき鳴らすわけではない。誰からもギターを習っていないはずなのに、基礎をすっかり通り越して、いきなり応用を利かせたギター奏法で周りの人たちを虜にする。確かチューニングも変則チューニングだったと思う。音を奏でるギターの前で、彼の音楽魂が反応し、指が勝手に動き始めたように見えた。彼の才能が開花した瞬間だった。

 エヴァンの音楽に対する天才的な才能は、ギター奏法だけではなかった。楽譜を書くという点においても、人並み外れた能力を発揮したのである。彼と同い年くらいの女の子が彼に、ほんの少し音階の理論を教えただけで、彼は短時間のうちにたちまち大作を作曲し、楽譜に収めてしまう。

 この映画は、離れ離れになった家族を音楽が再び巡り合わせるというストーリーに仕上がっている。現実的には有り得ないような奇跡がいくつも展開されて行くのだが、『奇跡のシンフォニー』というタイトルの通り、まさしく奇跡を描きたかったのだろう。

 これまでまったく絵を描くことに興味のなかった人が、何かをきっかけに、急に芸術的な才能に溢れ始め、次々に素晴らしい絵を描き始めるという話は、以前、本で読んだことがある。そうした現象の仮説として、その本は、著名な画家の魂が乗り移ったか、著名な画家の生まれ変わりだったといったようなことが述べられていた。まさしく、音楽の基礎を軽く通り越していきなりプロの大人以上のレベルに成長したエヴァンの活躍ぶりは、音楽的著名人の魂が乗り移ったか、音楽的著名人の生まれ変わりであるとしか思えないような状況だった。

 実は、こうした「奇跡」に対する突っ込みどころは至るところに転がっている。例えば、それぞれの想いの矢印を考えると、エヴァンは両親を均等に探そうとしているが、エヴァンの母ライラは、エヴァンの父ルイスよりもエヴァンの行方を追っている。一方、エヴァンの父ルイスは、エヴァンの存在さえ知らずに、ただひたすらエヴァンの母ライラの行方を追っている。三人の想いの矢印を図式化してみると、エヴァンとライラ以外の想いの矢印は一方通行であることがわかる。それなのに、エヴァンの作曲したシンフォニーに導かれ、離れ離れになってしまった家族(と言っていいのか)が一同に会すというのは、なかなかすんなりと受け入れられるような展開ではない。

 それでも、この映画で表現したかったのは、何の手がかりもないまま離散してしまった家族となるべき存在を、彼らの持っていた音楽的な才能が遺伝子レベルで反応し合って、見えない糸を手繰り寄せたということなのだろう。生まれながらにして備わっていたとされるエヴァンの音楽的才能が、彼の両親を引き寄せたという奇跡の物語である。

※皆さん、いつもたくさんの応援クリックをありがとうございます。m(__)m 楽器の練習を重ねて来た人がこの映画を鑑賞すると、こんなにはうまく行かないだろうと思うかもしれませんね。もちろん、私もそれは感じました。途中で外的な邪魔者が入ったりもしますが、この映画ではとにかく、エヴァンの音楽的な才能に関してはとことん挫折を感じさせないのです。私は、どんなに才能のある人でも、いつかは壁にぶち当たると思っていますので、そのあたりも突っ込みどころに加えておきました。(苦笑)でも、本当に音楽的な才能に恵まれた人が家の外に出ると、いろいろな音が音階になって聞こえるという描写は新鮮でしたね。そう言えば、電話の音や救急車の音も、楽器で弾こうと思えば弾けますもんね。

さて、今回も記事の中にボタンを埋め込ませていただきますが、どうぞよろしくお願い申し上げます。

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ハナレグミ−家族の風景聞いっちゃいます。 [続きを読む]

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