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2008.06.23

映画『パリ、恋人たちの2日間』

交換で好感度アップ!の記事に応援クリックしてくださった皆さん、どうもありがとうございます。m(__)m たくさんの応援クリックに感謝申し上げます。どのような出来事にも、山場がもう一つ用意されているとしたらどうでしょう。一つの山場だけを体験して、これで完結したと判断してしまうのは、何だかもったいない気がしますね。ところで、現在、週末の出来事を綴っている最中ではありますが、今月は映画をたくさん鑑賞していますので、途中で流れるCMのごとく、映画のレビューを書かせていただくことにします。

 映画鑑賞には、まずはその作品を鑑賞したいという前向きな気持ちと、上映スケジュール、そして自分自身のスケジュール、それから自分自身の居場所という、いくつもの要素が同時に必要である。少々大袈裟かもしれないが、それらの要素が重なり合って初めて、一つの映画を鑑賞することができるのである。この映画は、予告編を観たときから気になってはいたのだが、なかなかそれらの要素が重なり合わず、公開されてもしばらく鑑賞できずにいた。しかし、いよいよ公開が打ち切られてしまうという段階になって、これはいかんと奮い立ち、何とか要素を重なり合わせて、ようやく鑑賞することができたのである。

 この映画を上映している三宮の映画館に足を運び、受付でチケットを購入するついでに、先月末で切れてしまっていたこの映画館のシネマポイントカードの更新手続きをした。手続きが終わり、後ろを振り返ると、チケット購入待ちの列の中に、ホットヨガ神戸店のすぐ隣にある映画館の男性スタッフの姿を見付けた。やはり、映画館のスタッフというだけあって、映画がお好きなのだろう。私は、彼の働いている映画館に最も頻繁に足を運んではいるが、こうして別の映画館にも足を運んでいることを彼に知られたことが少し恥ずかしかった。また、彼のほうも、いつもは仕事の顔なのに、現在は完全にプライベートな時間である。そうしたことが、私には何となく気まずく感じられたので、軽くあいさつだけ交わしてその場を離れた。どうか、彼がこれから鑑賞する映画が私と同じではありませんようにと願いながら。その後、彼は私と同じスクリーンには入場して来なかったので、どうやら彼は、別の作品を鑑賞したようだ。

 すっかり前置きが長くなってしまったが、ここで簡単に、この映画のあらすじをご紹介しておこう。イタリアを旅行したアメリカ人男性とパリ生まれのフランス人女性のカップルが、ニューヨークに戻る前に、寝台列車を使ってフランス人女性の故郷であるパリに立ち寄る。そこで二日間を過ごすのだが、アメリカ人男性から見ると、パリでの生活は、はっきり言って驚きの連続だった。言葉の壁や、価値観の大きな違いが、アメリカ人男性を著しく困惑させる。

 私はつい先日、価値観の異なるカップルを描いた作品として、映画『痛いほどきみが好きなのに』を鑑賞したばかりである。あの映画は、常に冷静な女性に対し、男性のほうが体当たりでぶつかって行く映画だった。そして、今回鑑賞した映画『パリ、恋人たちの2日間』は、国際的な価値観の違いを材料に、涙と笑いありのラブコメディに仕立てられている。しかも、ラブコメディでありながらも、台詞がどこか哲学的で奥深い。思わず、台詞を書き留めたくなる衝動に駆られてしまうほどだった。それにしても、価値観の異なる者同士の会話を、客観的に観察できるのは面白い。おそらく、自分自身がその渦中にいるわけではなく、他人ごととして観察できるからこそ、ここまで楽しめるのだろう。

 アメリカ人男性ジャックを演じているのは、俳優アダム・ゴールドバーグである。最近、鑑賞した彼の出演作は、映画『ゾディアック』と映画『デジャヴ』だった。彼は私から見ても、いかにもアメリカ人らしいアメリカ人である。彼の、アメリカとフランスの価値観の違いに対する驚きを表現する演技が実に良かった。

 一方、パリ生まれの女性マリオンを演じているのは、この映画の監督、脚本、音楽、編集、そして主演を手がけた女優ジュリー・デルピーである。彼女は、大人の落ち着きを感じさせる女優さんである。見たところ、私は彼女の過去の出演作を拝見してはいないようだ。私は、実際にパリ生まれである彼女が流暢な英語をしゃべっていることに驚いた。TOEICの結果が返って来る度にしょげ返っている私としては、実にうらやましい限りである。

 不思議なことに、パリ生まれの彼女がこの映画の製作を手掛けているというのに、この映画は、彼女の恋人として登場しているアメリカ人男性ジャックの視点で描かれている。つまり、パリ生まれの彼女は、アメリカ人男性の視点を借りて、パリという都市の見方を主観から客観へと変換させたわけである。むしろそうした変換が行われたからこそ、この映画はユーモアたっぷりの作品に仕上がっているのだ。

 映画の中では、マリオンの過去の男性遍歴が次々に明るみになって行く。現在の恋人であるジャックからすれば、マリオンの過去が気になって仕方がない。知らなければ単に通り過ぎて行くだけの出来事も、彼女が実際に付き合っていた男性と今でも交流を持っているとわかってしまえば、気が気ではないのだ。アメリカでは、過去の恋人と交流を持ち続けるようなことは当たり前ではないらしい。そうしたいくつもの不可解な出来事の延長線上に、ついにはマリオンへの信頼を失ってしまうほどの出来事も起こる。価値観の違いを乗り越えることができず、信頼を失ったまま、二人は二年間の交際に終止符を打つのだろうか。

 私は、ラストの展開に泣けた。ラストを観れば、これまでクローズアップされ続けて来たパリ独特とも思える、いくつものはちゃめちゃな価値観の描写が、単なるプロローグに過ぎなかったことがわかる。男女間だけでなく、あらゆる人間関係にも通じる哲学的な選択に対し、そうした選択がベストであることを知っている観客は、涙せずにはいられないだろう。

※皆さん、いつもたくさんの応援クリックをありがとうございます。m(__)m 主観を客観に置き換えると、驚きが加わりますよね。そうした驚きが新鮮かつ面白おかしく表現された映画でありました。特に、アメリカ人男性を演じていた俳優アダム・ゴールドバーグは、そうした驚きを的確かつ新鮮に表現していたと思います。そういう意味では、この映画は、客観性の重要性が強調された作品と言えるのかもしれません。主観で表現すると盲目的になりがちですが、客観的に表現しながら、第三者的な驚きを加えることによって、面白さが加わって行くのでしょう。パリの有名な観光地ではなく、ガイドブックにも載っていない下町を見せてもらったような、貴重な感覚の味わえる映画でありました。果たして私たちは、夏休みにこの地を踏むことになるのでしょうか。(笑)

さて、今回も記事の中にボタンを埋め込ませていただきますが、どうぞよろしくお願い申し上げます。

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