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2008.04.09

クラッシュ

大きなつづらの記事に応援クリックしてくださった皆さん、どうもありがとうございます。m(__)m 携帯電話に付属のGPS機能については、どうやら賛否両論あるようですね。本当に遭難したときにだけ役に立つならば、便利な機能だと言えるのでしょうが、一方ではプライバシーの侵害だなどという声も上がっているようです。でも、それは、携帯電話に限らず、何でもそうだと思います。何故なら、私たちは二元的な世界を生きているからです。

 派遣仲間たちとソフトウェア技術者の晩餐会を催すことになっていたため、いつもよりも早い時間にオフィスを出た。ビルの外に一歩足を踏み出した途端、すぐ近くで、
「ウーーーーー」
というパトカーの音が聞こえて来た。見ると、オフィスに面した道路がひどく混雑している。そのとき、私の中に、「ひょっとして・・・・・・」と、ある予感がよぎった。

 私が勤務しているオフィスのすぐ側にある交差点は、事故が多いことで有名だ。私自身も、横断歩道を渡ろうと信号待ちをしているときに、すぐ目の前で自動車同士が軽く接触する現場に出くわしたことがある。そのときは、幸い軽い接触事故で済んだものの、一歩間違えば、歩行者をも含んだ大きな事故にも繋がりかねない状況だった。

 パトカーの音と車の渋滞に直面した私は、例の交差点で事故が起こっていることをほぼ確信しながら、交差点までのわずかな距離を歩いた。すると、やはり、交差点の真ん中に派手に追突して車の前方が大きく変形した車が二台、停まっているのが見えた。交通整理のために、警察官が交差点に立ち、交差点を行き交う車に指示を与えている。そして、交差点の道路脇では、数人の人たちが誰かを取り囲み、その人の身体をしきりに撫でていた。恐る恐る見てみると、幼稚園くらいの男の子が道路脇に横たわっていた。不幸中の幸いと言っていいのだろうか。男の子は自分で身体を動かせる状態にあった。道路脇にいた人たちからは、
「救急車、来(け)えへんなあ」
などという声と、それに答える警察官の
「救急車はもうすぐ来ますから」
という声が聞こえて来た。

 事故は起こったばかりで、救急車もまだ到着していない状況だったようだ。救急車よりもパトカーの到着のほうが早く、私が横断歩道の信号待ちをしている間にも、次々にパトカーがやって来た。

 やがて、二人の警察官が事故の状況について聴取を始めた。双方の運転手は、見たところ、怪我をしている様子もなくしっかりしていた。おそらく、シートベルトを着用していた大人は事故の衝撃から身を守ることができたが、道路脇に横たわっていた男の子は後部座席に座っていたか何かでシートベルトを着用していなかったのではないだろうか。

 信号が変わったので、私が横断歩道を渡ろうとしていると、渋滞している車の間を掻き分けて救急車がやって来て、男の子が横たわっている道路脇に着けた。そこから先のことはわからない。私は、男の子が救急車に運ばれて行くのを見送らずに、事故のあった交差点の横断歩道を渡り切った。単なる傍観者という立場においては、これ以上の傍観は失礼に当たると思ったからだ。

 事故車両がそのまま残された横断歩道を渡っている間中、私の中から激しく込み上げて来る感情があり、私は顔を歪めながら、半泣きの状態で横断歩道を渡っていた。

 救急車がまだ到着していなかったことからすると、事故が起こってからまだ数分しか経っていなかったと思われる。ということは、事故に遭った人たちは、つい十数分前までは、車の中でふざけて笑い合ったりしながら、自分たちがこのような事故の当事者になろうとは夢にも思っていなかったはずだ。しかし、事故は突然起こり、ついさっきまで乗っていた車も大きく変形してしまった。私の目の前に、まったく予測もしていなかった大変な状況に直面している人たちがいる。その事実が、私の心を大きく揺さぶり、横断歩道の歩行中に涙を流さずにはいられなかったのである。

 その後、私は派遣仲間たちと合流し、事故のことを話した。彼女たちもその事故の現場を通ったようだ。私よりも早い時間にその現場を通った派遣仲間は、横たわっていた男の子が血を流し、周りにいる人たちが泣いているのを目にしたと言う。そのため、あまりジロジロ見てはいけないと思い、足早に現場を立ち去ったそうだ。私が見たときには、男の子は比較的しっかりと身体を動かしていたので、おそらく危機的な状況ではなかっただろうと推測する。

 多くの場合、私たちはこうした惨事を自分の身内の出来事に置き換えることで、当事者の気持ちを間接的に推し量ろうとする。しかし、私にとってこの事故は、間接的ではなく、私の心に直接的に響く何かをもたらした。そして、これまでいかに多くの出来事を、自分にとって間接的な出来事であるかのようにとらえ、見過ごして来たかということに気付かされたのだった。

※皆さん、いつもたくさんの応援クリックをありがとうございます。m(__)m 車も人も時間を掛けて形成されますが、壊れるのはほんの一瞬の出来事なのですね。「一寸先は闇」などという言葉もありますが、まさにその通りだと思いました。今回の事故は、私の心にダイレクトに響きました。事故の翌日、泣きながら渡った横断歩道に、花が添えてあったらどうしようと思いましたが、花はありませんでした。軽症で済んでいるといいのですが。お子さんがいらっしゃる方は、運転中、お子さんのシートベルトの着用に十分注意を払ってくださいね。同じ事故に遭っても、大人はぴんぴんしているのに、お子さんだけが横たわっている状態でしたので、そのことを痛切に感じ、ここでお伝えしておかなければならないと思いました。

さて、今回も記事の中にボタンを埋め込ませていただきますが、どうぞよろしくお願い申し上げます。

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