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2008.03.11

覆面パトカーの刑事さん

ホットヨガ(九十五回目)と格安メディア対戦の記事に応援クリックしてくださった皆さん、どうもありがとうございます。m(__)m 実のところガンモは、micro SDを使う携帯電話もデジタルカメラも持ち合わせていないのですが、私が同じ容量のメディアを購入したときに付いていた変換アダプタを使うことによって、ガンモのデジタルカメラでmicro SDが使えるようになるのだそうです。ガンモは、わずか千六百八十九円で、自分のデジタルカメラで使える2GBのメディアが手に入ったと言って喜んでいました。私のおかげなのに。(笑)

 仕事を終えてガンモに電話を掛けてみると、呼び出し音は鳴るものの、何度掛けても電話が繋がらなかった。緊急用に教えてもらっているガンモの業務用携帯電話に掛けてみても、状況はまったく同じだった。

 ガンモは事務所で仕事をすることもあるが、一日中、顧客のところで仕事をすることも多い。顧客の環境によっては、マシン室の奥など、電波状態の良くないところで作業をすることもある。ガンモがそういうところで作業をしていると、今回のように呼び出し音は鳴るものの、ガンモには電話の音が聞こえていないということが良くあるので、今回もそのような状況なのかもしれない。そうした場合、ガンモが電波状態の良い場所に移動すれば、電話が繋がることがあるので、私はそのタイミングを見計らっていた。

 しかし、勤務先の最寄駅に着いて再びガンモに電話を掛けてみたが、やはり状況は変わらなかった。私はひとまず三宮まで出ようと思い、ガンモにメールを送ってから地下鉄に乗り込んだ。

 ところが、三宮に着いてからガンモに電話を掛けてみても、やはりガンモは電話に出なかった。一体どうしたのだろう? もしかすると、携帯電話の使用に厳しい顧客のところで仕事をしていて、マナーモードに設定しているのだろうか? 考えてもわからなかったが、もしそうなら、ガンモが私の着信履歴に気が付いたときに私に電話をくれるだろうとも思っていた。

 いつもならば、ガンモと待ち合わせて晩ご飯を食べて帰るのだが、ガンモと連絡が取れないとなると、はてさて、どうしたものだろう。こういうときは、ガンモからの連絡を待つよりも自宅に帰ったほうが良さそうだ。私はそう思い、私は三ノ宮からJRに乗り換えて自宅の最寄駅へと向かった。

 自宅の最寄駅に着いてからも、私はしつこくガンモに電話を掛けてみたが、やはりガンモは電話には出なかった。ガンモの身の上に何かあったのだろうか。もしそうならば、ガンモの携帯電話はどのような状況にさらされているのだろうか。この際、誰でもいいからガンモの携帯電話に出て欲しいと私は思った。

 当然のことながら、自宅の最寄駅の駐輪場には、ガンモの自転車があった。電話が繋がらないので、ガンモにメモでも置いておこうかとも思った。しかし、メモを残すための筆記用具は持ち合わせているものの、自転車にメモを貼り付けておけるものを持っていなかったので、ガンモの自転車にメモを残すことは諦めた。

 この時点で、私の中にはガンモが電話に出られないという状況に関して、あまり良くない感情が渦巻いていた。これほど電話が繋がらないとなると、きっとガンモの身の上に何かあったに違いない。今頃、ガンモは病院に運び込まれて、ウンウンうなっているかもしれない。もしもそのような状況なら、ガンモを病院に運び込ぶことに関わった人たちは、ガンモの携帯電話の着信履歴を見て私に連絡をくれたりはしないものなのだろうか。あるいは、ガンモの携帯電話が鳴っていることに気が付いた人が、ガンモの携帯電話に出てくたりはしないものなのだろうか。ともかく、ガンモの身の上に何かあったのならば、一分でも早く自宅に戻って、誰かからの連絡を待つしかない。しかし、本当にガンモが事件に巻き込まれているのだとしたら、今の私にその事実を受け止められるほどの大きな器があるのだろうか。私はあまり自信がなかったが、覚悟を決めて自分の自転車にまたがり、自宅へと向かった。

 自宅付近まで自転車を走らせたとき、何だか嫌な予感がした。マンションのエントランスから少し離れたところに、黒い車が停まっているのである。もしかすると、覆面パトカーというものだろうか? 中には人が二人乗っている。きっと刑事さんに違いない。しかし、その車は、私たちのマンションのエントランスに背を向けて停められていた。もしかするとそれは、これから悲劇のヒロインになろうとしている私への精一杯の心遣いなのかもしれない。覆面パトカーに乗っている刑事さんたちは、私がマンションのエントランスに入って行くのをバックミラーで確認したあと、静かに車から降りてやって来て、私の肩をポンと叩くに違いない。

 覆面パトカーに刑事さんがいることで、ガンモの身の上に何かがあったことはほぼ間違いないだろうと私は思った。私の心臓はバクバクしていた。ガンモと出会って十二年。結婚してからは十一年余りだ。私との結婚生活は、ガンモの魂に何を刻み込んだのだろう? 私と出会って、ガンモの人生は輝いていたと言えるのだろうか?

 しかし、私がエントランスのオートロックを解除してマンションの中に入っても、覆面パトカーの中からは誰も降りては来なかった。私と時を同じくして、他の住人さんもエントランスから入って来たが、覆面パトカーに乗っている刑事さんたちの動きはなかった。いや、もしかすると、私の帰りが遅いので、覆面パトカーの中でパンを食べている最中なのかもしれない。

 私はびくびくしながらも、いつものようにエレベータに乗り、私たちの部屋のある階で降りた。部屋の前に刑事さんが居たらどうしようなどと思ったが、刑事さんはいなかった。玄関のドアを開けて部屋に入ってみると、ガンモの仕事用の荷物はなかった。ガンモが仕事に出掛けているのは間違いない。この私が、朝、ガンモを送り出したのだから。

 そして私は、荷物を置くために寝室に入ってみて驚いた。何ということだろう! ガンモの携帯電話が二台とも寝室のパソコン机の上に放置されているのだ。ガンモの携帯電話は、着信を示すランプがチカチカしていた。私は一気に気が抜けて、へなへなと座り込んだ。と同時に、ガンモに何かがあって、電話に出られなかったわけではないということがわかり、またたく間に元気になった。マンションのエントランス付近に停車していた車は覆面パトカーではなく、中に乗っている人も刑事さんではなかったのだ。ああ、やれやれ。

 それにしても、携帯電話を忘れて行ったガンモは、私にメールくらい寄越してもいいのではないだろうか。ガンモは私の携帯電話の番号も、携帯電話のメモリに頼るあまり、空(そら)では覚えていないのかもしれない。過去にもガンモが携帯電話を忘れて仕事に出掛けて行ったことはあったが、パソコンからメールをくれたので、このようなことにはならなかったのだ。

 数十分後、玄関のドアがガチャガチャと音を立てて開いて、ガンモが帰宅した。私は興奮して、ガンモに抱きつきながら、さきほどまでの出来事の一部始終を話して聞かせた。
「私の携帯電話の番号は覚えてなくても、メールくらいくれても良かったのに」
と言うと、ガンモは、
「ごめん。ノートパソコンをずっと社内のネットワークに接続してたからさ」
と言う。ガンモは私があれほど心配していたというのに、意外にもあっけらかんとしている。確かに、社内のネットワークを使って私用のメールを送信するのはまずい。というのも、私の職場でもそうだが、社内のネットワークを流れて行く情報は常に監視されているからだ。そうした情報は、職場で何かあったときの材料になる。とにかく、ガンモが無事でいてくれて良かった。何よりも、それが一番大切なことだった。

 携帯電話の便利さが、私たちの生活にもたらしたものは予想以上に大きい。携帯電話が繋がることが当たり前になると、逆に繋がらなかったときに、私たちの想像力を恐ろしく掻き立ててしまう。私は、単にマンションの近くに停まっていた黒っぽい普通乗用車を覆面パトカーに仕立て上げてしまった。それだけでなく、その車に乗っている人を刑事さんにしてしまった。その刑事さんが、覆面パトカーの中でパンを食べているとさえ思い込んでしまった。皆さんも、携帯電話が繋がらないときに膨らみ過ぎてしまう想像力には気を付けよう。

※皆さん、いつもたくさんの応援クリックをありがとうございます。m(__)m 携帯電話は便利な道具ですが、便利なだけに、長い間、繋がらなかったときの不安が大きいですよね。これもまた、便利さの裏側にある不便さでしょうか。でも、ここに書いたようなことは、形こそ違うかもしれませんが、私たちが生きている限り、起こり得ることだと思います。実際にそういうことが起こったときのために、私たちは日々、自分の器が大きくなるように、自分を磨いているのかもしれませんね。

さて、今回も記事の中にボタンを埋め込ませていただきますが、どうぞよろしくお願い申し上げます。

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