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2008.02.28

遊んでくれる鳩

 父ちゃんと母ちゃんがかわりばんこに温めていた卵が二つとも孵化して、元気な雛たちが生まれた。雛たちはすくすくと成長し、今ではすっかりぼたもちサイズを超え、少しずつ鳩らしい毛が生え始めている。雛たちは、父ちゃんや母ちゃんに餌をねだるときに、ピイピイと鳴きながら、まだ完全に出来上がっていない小さな羽根を広げて自分の存在をしきりにアピールしている。

 子育てをしているために、父ちゃんと母ちゃんの食欲は実に旺盛である。しかし、我が家にある鳩の餌がそろそろ底をつきかけているので、最近の私たちは節約モードで彼らに餌を与えている。節約モードになると、子育てをしてお腹を空かせている父ちゃんや母ちゃんをついつい優先させて、ベランダの窓を開けるなり私たちの手を突付いて来たり、鳩パンチを食らわして来るTKMYやキッコロに餌を与えるのは後回しになってしまう。

 私たちがそうして差別をするものだから、最近、キッコロの怒りが特に激しい。キッコロは、私たちがベランダの窓を開けた直後から既に怒っている。「クウ!」と言いながら寝室に乗り込んで来ては、私たちに噛み付いたり、鳩パンチをけしかけて来るのである。

 それにしても、何故、自分の家の窓を開けた途端、鳩に怒られなければならないのだろう。それだけではない。キッコロは、餌にありつけると思ってやって来た母ちゃんに激しく噛み付くようになった。母ちゃんの首の毛がむしり取れてしまうくらい、真剣に噛み付いているのだ。私は、
「こらっ! キッコロ、禁止!」
と言いながら、母ちゃんからキッコロを引き離し、キッコロを両手で抱きかかえて空高く上げた。しかし、キッコロを放すとすぐに母ちゃんの元に戻り、またしても母ちゃんに激しく噛み付いてしまう。その度に私はキッコロを抱きかかえ、母ちゃんを噛むなと言い聞かせたのだが、キッコロが何度も何度も同じことを繰り返すので、私はとうとう堪忍袋の緒が切れて、キッコロを抱きかかえたあと、寝室の窓からベランダに落とした。落としたと言っても、キッコロには羽があるので、ベランダに落ちる前に飛び立ってしまう。つまりは、形ばかりのおしおきである。

 すると、形ばかりのおしおきでも懲りたのか、キッコロが私を避けるようになった。これまでは、私が窓を開けると、すぐに近くまで寄って来て、「クウ!」と言いながら私の手を突付いていたのだが、開いている窓の奥のほうで遠慮がちに待機するようになってしまったのだ。ガンモがそれを見て、
「キッコロ、どうした?」
と尋ねたので、
「あまりにも母ちゃんをいじめるので、抱きかかえて言い聞かせたあと、寝室の窓からベランダに落としたんだよ。まあ、羽があるから意味はなかったけどね」
と答えた。するとガンモは、
「何てことするー。あんなに遊んでくれる鳩、いないのに」
と言った。
「遊んでくれる鳩?」
なるほど、キッコロは私たちと遊んでくれる鳩だったのか。そこで私は思い直し、キッコロとの仲直りを試みた。仲直りをするには、キッコロの警戒心を解くべく、餌を与えてやるのが一番である。ガンモがその役を買って出た。するとキッコロは、最初は恐る恐るやって来たが、やはり食欲には勝てないのか、ガンモが与えた餌をパクパクと突付いて食べ始めた。

 猫は三日経ったら忘れると言われているが、鳩も同じようなものである。間もなくキッコロは、寝室の窓を開けると同時に私たちの手に噛み付くキッコロに戻っていた。キッコロが警戒心を持って私たちの様子をうかがっていたとき、
「もう遊んでやらないからな」
などと思っていたかどうかはわからない。しかし、こうして元に戻ってみると、勢い良く私たちに噛み付いて来る姿が最もキッコロらしいと思えるのだった。

※皆さん、いつもたくさんの応援クリックをありがとうございます。m(__)m 鳩はどうやら、個人主義のようです。餌を食べているときに、自分がうまく餌にありつけないでいると、例えそれが愛する妻であろうとも、既に餌にありついている妻をねたんで、盛んに突付いて攻撃します。また、たくさんの餌がそこにあったとしても、妻のために餌を残しておくようなことはしません。そんなことがあっても、まるで何事もなかったかのように、寒い日は寄り添って、お互いの体温を感じながら寒さをしのいで過ごしています。鳩は、一時的に感情をむき出しにするけれども、決して根には持たない動物なのかもしれません。

さて、今回も記事の中にボタンを埋め込ませていただきますが、どうぞよろしくお願い申し上げます。

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