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2008.01.03

ガンモの絶叫

 夢の中で感情移入すると、私たちはしばしば寝言を口にしたりする。ガンモとの十年余りに及ぶ結婚生活の中で、おそらく私も何度か寝言を口にしたことがあるはずだ。しかし、「ガンまる日記」を書いているのは私なので、私の寝言はネタにはならない。そう、ネタになるのはガンモだ。

 お正月三が日と言えども、世間はすっかり寝静まっている丑三つ時のことだった。私の隣で寝ていたガンモが、突然、絶叫したのである。
「うわああ、ああ、ああ、ああ、あああああああああああああああああああああ!」
私は既に、最初の「うわああ」で目が覚めていた。目覚めたあと、ガンモの口から更に大きな叫び声が聞こえたので、私は、
「ガンモ、どうした?」
と声を掛けた。きっと悪い夢でも観たのだろう。夢で良かったね、ガンモ。

 自分の絶叫で目を覚ましたガンモはしばらく放心状態だった。私は、ガンモが口を開くまで根気強く待っていた。すると、ガンモがようやく口を開いたのである。
「妹が、俺が手に持ってたガラスの破片を奪い取って、俺の目の前で○○しようとしたので、必死に止めた」
おおよそ新年にはふさわしくない内容なので、一部伏字にさせていただいた。私はガンモに、
「妹?」
と聞き返した。現実には、ガンモに妹なんていないのだ。それにも関わらず、ガンモの妹が、ガンモが持っていたガラスの破片をガンモの手から奪い取り、ガンモの目の前で○○しようとしたと言う。私はガンモに、
「その妹って、もしかして△△ちゃん?」
と尋ねた。△△ちゃんというのは、ガンモの弟の嫁である。私には、ガンモの妹と言うと、彼女しか思い浮かばなかったのだ。しかしガンモは、
「違う。血の繋がった妹だった」
と答える。
「その妹は、現実に出会っている人物なの?」
と私が更に尋ねると、ガンモは、
「いや、出会ってない」
と答えた。現実には出会ってない人物が夢に出て来ることは、決して珍しいことではない。

 ガンモはまだまだ衝撃が激しいようで、しばらくの間、興奮していた。何しろ、ガンモの目の前で実の妹が○○しようとしたのだから無理もない。ガンモの観ていた夢は、あれほどの絶叫に充分ふさわしい内容である。ようやく落ち着いて来たガンモは、更に口を開いた。
「俺が手に持ってたガラスの破片は、ちょうどチロルチョコレートくらいの大きさだったんだよ。そう言えば、この間、俺が発掘したチロルチョコレートをまるみが一人で食っただろ? 多分、それが無念だったんだよ」
「ちょっと待って。あのチロルチョコレートを私が食べたことが無念だったから、こんな夢を観たの?」
と私が尋ねると、ガンモは、
「そう」
と答えた。

 あれは去年の年末のことだった。ガンモが寝室でチロルチョコレートを一つ発掘した。一口タイプではなく、長方形の板状のチロルチョコレートである。夢の中のガンモは、チロルチョコレート大のガラスの破片を握り締めていたらしい。そして、あのような夢を観てしまったわけだ。
「きっと、まるみにチロルチョコレートを食べられたことが無念だった」
とガンモは繰り返し言った。
「何だ、それ」
「ああ、でも、真剣に怖かったよ」
「確かにあの絶叫は、歴史に残るよ」

 元旦の夜に夢を観なかったガンモは、この夢が初夢になるのだそうだ。年明けからこのような夢を観てしまうとは、果たしてガンモにとって、どんな一年になるのだろう。チロルチョコレートでお清めしておいたほうがいいのかもしれない。

※皆さん、いつもたくさんの応援クリックをありがとうございます。m(__)m 現実のガンモでも、あれほど大きな声を出しているのを見たことがありませんでした。いはやは、本当に恐ろしい夢だったのでしょうね。そう言えば、私はこの年末年始の休暇を利用して、ずっと以前に読んだ漫画を読み返しているところです。その中に、怖い漫画も含まれていました。そして、その漫画が、私たちの寝ているベッドのガンモの足元に転がっているのです。ガンモがこのような夢を観たのは、私がガンモの足元に置いておいた怖い漫画のせいなのでしょうか。それとも、ガンモの言うように、チロルチョコレートに対する無念さが招いた夢なのでしょうか。

さて、今回も記事の中にボタンを埋め込ませていただきますが、どうぞよろしくお願い申し上げます。

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