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2008.01.12

熊本電鉄、完乗おめでとうございます

 私たちの乗った寝台特急なはは、七時三十六分に熊本に着いた。激しい揺れのため、夜中に何度も何度も目が覚めたので、さすがに眠い。私たちは、眠い目をこすりながら、半ば追い出されるように熊本駅のホームに降り立ち、寝台特急なはのヘッドマークを撮影したあと、回送して行く姿を見送った。ホームには、私たち以外にも、寝台特急なはの引退を惜しむ鉄道ファンがたくさん詰め掛けていた。

 寝台特急なはが回送して行く姿を見送ったとき、私は思わず目頭が熱くなってしまった。何十年も続いた歴史がとうとう幕を閉じる。私自身、何度も利用できる立場ではなかったはずなのに、やはり引退してしまうのは寂しいものだ。乗車する前のわくわくした気持ちとは明らかに違う。何だろう、この寂しさは。

 目の前を通り過ぎて行く雄姿を見送っていたとき、寝台特急なはの運転士さんたちがにこやかな笑顔を鉄道ファンに向けてくれた。きっと、運転士さんたちにとっても、寝台特急なはは誇りだったのではないだろうか。そして、こうして多くの人たちに惜しまれながら役目を終えて行くことが、私たちとは別の意味で感慨深いのではないだろうか。

 いつまでも悲しみに暮れてもいられない。私たちは気を取り直して、コインロッカーに荷物を預けたあと、熊本駅構内にある吉野家で朝定食をとることにした。私たちが朝食を食べていると、三人組の若者がどやどやと入って来て、豚丼を六つ注文した。三つではなく、六つである。どうやら一人二つずつ食べるらしい。朝から食欲旺盛な若者たちである。若者たちは、豚丼を二つずつ注文したことに恥じらいを感じながらも、六つの豚丼を並べてデジタルカメラで記念撮影をしていた。

 朝食のあと、私たちは鹿児島本線に一駅だけ乗り、熊本から一つ隣の上熊本へと向かった。以前にも、JR九州の車両はユニークだと書いたことがあるが、JR九州の車両は、特急列車だけでなく、普通列車であっても、デザイン性に優れている。枕付きの皮製シートや、サークル状に配置されたつり革など、どれを取っても洗練されたデザインで目を見張る。JR九州の洗練されたデザインに目が慣れると、JR九州以外のJRの車両がとても地味に見えてしまう。

 私たちは、上熊本で降りると、熊本電鉄を乗り潰すため、熊本電鉄の乗り場を目指した。上熊本から、熊本電鉄の支線が出ているのだ。驚いたことに、熊本電鉄の上熊本駅は、とても地味な駅だった。ほとんど吹きさらしの建物は、そこが無人駅であることを物語っていた。

 しばらく待っているうちに入線して来たのは、かつて東急線で使用されていた古い車両である。地方の私鉄は、都会で活躍していた車両のおさがりを譲り受けて走らせることがある。この車両はとても古い車両だが、どことなく安心感を覚える。それだけ多くの人たちを運んで来た実績があるからだろうか。

 本線に乗り換えるため、途中の北熊本で御代志行きの列車に乗り換えた。乗り換えた車両は、今度は京王線からのおさがりだった。このように、列車が引退しても、他の私鉄で活躍し続ける場合もある。しかし、寝台特急なははどうなのだろう。私鉄の寝台列車など聞いたことがない。となると、寝台特急なはが現役で活躍できる場はないことになってしまう。これ以上考えても悲しくなるばかりなので、考えるのはよそう。

 終点の御代志に着いたものの、ショッピングセンターなどの楽しい施設が見当たらなかったので、私たちはさきほど乗って来た車両に素早く乗り込み、折り返すことにした。今度は北熊本で乗り換えをせずに、本線の終点である藤崎宮前まで出た。そこでめでたく、熊本電鉄の完乗となったわけである。

 私たちは、路線を一つ乗り潰すと、
「○○、完乗おめでとうございます」
と言って、握手を交わす。これは、私たちの間で行っている乗り潰しのための暗黙的な儀式である。この儀式では、乗り潰しが完了したことに気づいたほうが先に宣言することになっている。たいていは、ガンモのほうが先に気付いて宣言するので、その宣言を受けた私がガンモに手を差し出して握手を交わしている。ちなみに、今回の儀式では、「○○」が「熊本電鉄」に置き換えられて宣言された。

 藤崎宮前から商店街を探して歩くと、くまもと阪神という阪神百貨店グループの百貨店があった。何故、熊本に阪神百貨店があるのかはわからない。しかも、くまもと阪神のロゴマークは、オリジナルの阪神百貨店のロゴマークとは異なっているようだ。

 私たちは、くまもと阪神の飲食店街で、熊本名物の太平燕(タイピーエン)を食べた。ガンモがブログを通じて交流している人のお勧めらしい。太平燕は、簡単に言うと、スープ春雨のようなものだったが、これがなかなかおいしかった。

 こうして、お昼ご飯もお腹の中に納めたので、私たちは宿泊地となる温泉地へと向かったのである。

※撮影した写真のスライドショーを貼り付けておきます。なお、スライドショーが表示されない場合や、写真へのコメントをご覧になる場合は、熊本電鉄、完乗おめでとうございますをご覧ください。

※皆さん、いつもたくさんの応援クリックをありがとうございます。m(__)m 実を言うと、旅の記事はいつも不人気なんです。(苦笑)でも、私は書きたいので書かせていただきます。旅先で寝不足になりながらも、写真をしこしこアップしつつ、一生懸命書いています。旅好きでない人にとっては、旅の話は退屈かもしれませんが、旅の話はもう少し続きます。(苦笑)ただ、鉄道色が濃いのは、今回の記事だけですので、今後はリラックスして読んでくだされば幸いです。

さて、今回も記事の中にボタンを埋め込ませていただきますが、どうぞよろしくお願い申し上げます。

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